昨日は激しい雨の中、「読書ルーム」へ。読んだのは新潮社のPR誌「波」5月号。「川端康成没後50年」の特集となっている。この特集以外にも、たくさんの興味深い文章が掲載されている。ワクワクしながら読んだ。
その川端康成特集では、川端康成の新潮社佐藤亮一社長への書簡などが初公開されており、また単行本未収録小説「春の目」(名作『千羽鶴』り続編「波千鳥」の連作の第8作)が収録されている等、読み応えたっぷり。
さて、「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」は、有名な川端康成の名作『雪国』の書き出し。この『雪国』の昭和10年の雑誌掲載時は「濡れた髪を指でさわった」からは始まっている。また雑誌には、「国境のトンネルを抜けると、窓の外の夜の底が白くなった」という一文もあるという。以上は、「波」5月号に掲載されている。
その「波」には、新潮社が発行する文庫本には、「どの本にも1ページ目の本扉下部に番号が振られていますが(今は11600番台)、これは入稿番号といいます。その記念すべき第1番は『雪国』でした」と書かれている。そのことを私は知らなかった。恥じ入るばかり。
ともあれ、そんなことに触発され、我が書棚にある川端康成全集の「雪国」が収録されている巻を取り出した。
この全集は昭和55年(1980年)に刊行されている。久しぶりに、名作「雪国」を読み返そうと思う。そんなことを思っていたら、昭和40年(1965)年に、木村功と岩下志麻の映画「雪国」に感動したことを思い出したり。岩下志麻の駒子は美しかった。
その駒子、是非とも松たか子に演じて欲しいと願っている。ただ、相手役に相応しい男性俳優が思いつかないのだが。
小さな雑誌一つで思いが膨らむ。そんな素敵な時間を昨日は過ごした。感謝、だ。