ここのところよく、お年寄りの運転操作ミスによる悲惨な自動車事故のニュースが続いています。
これとともに言われるのが、免許証の自主返納を進めようというお話です。
昨年4月から、75才以上の高齢者は免許更新時のハードルが高くなりました。更新の予備審査で認知症の疑いが出れば、「そうではない」という内容の医師の診断書を提出しなければなりません。放っておくと取り消しになりますし、認知症が疑われるという診断書の提出でもやっぱり取り消し。
(運転時の危険に対する対応能力を、数分前に見せられた果物の名前を思い出すという記銘力・記憶力で、判断していいものか?という疑問もあります)
相談に来られた方には診断書は書かずに、「今の免許証の有効期限内に自主返納する方がいいよ。ちょっといいこともあるし」と何名かの方にそうしていただきました。でも家庭内では色々とあるようで、返したくない、事故を起こしてしまってからじゃ遅いから、とすんなりとは決まらないようです。
確かに私たちのイナカじゃ、徒歩圏内で食料品を調達できるのはコンビニが一軒あるだけ。バスは数時間に一台、もしそれに乗っていっても帰りも長く待たないと。こんなところと街中とじゃ同列に話せません。
最近の悲惨な事故は(人口密度の高い)都会で起こってますよね。そりゃ、イナカでもコンビニや病院に突っ込んでいく軽トラがいても不思議ではありませんけど、たいてい塀に車をこすりつけたり、あぜ道の溝に落ちるくらい。田んぼで農作業をすることが唯一の趣味だ。軽トラで家からその田んぼへ行くだけなのにと言いながら返納してもらった人もいました。
運転免許証の定年制のお話もありますが、町に住んでいて15分おきぐらいにバスが来て、コンビニも競争過剰で撤退していくようなところじゃ、75才定年制もいいでしょう。
イナカのお年寄りが移動するための手段を真剣に考えてもらわないと、自主返納は進みません。