元々視力には問題なく、眼鏡とは無縁の生活でしたが、40歳中頃から人並みに老眼が始まっているのに気づき、細かい作業の時だけ老眼鏡を使うようになっていました。
やはり老眼は徐々に進み、遠視も加わって何度も眼鏡を作り変えました。近視の人は若いころからずっと眼鏡をかけていることに慣れていますが、そうじゃなかった私は眼鏡を使ったらすぐに外してそこに置いたまま。必要な時には手元にないのがしょっちゅうで、このためいつも4~5個を色々なところに置いてました。だから度数の変更時には結構な出費です。
この半年で急激に視力が落ちたのを自覚。年齢的にも白内障なんだろうと、うちに来る患者さんに眼科での白内障手術の様子を教えてもらったり、自分でも調べてみました。これまで知らなかったのですが、白内障手術の時に使用する眼内レンズって、単焦点だけじゃなく多焦点レンズがあるのを最近知りました(当院の患者さんでこのレンズを使った手術を受けた人はいない)
神奈川県の戸塚にある眼科クリニックが熱心にかなりの数をこなしているようです。白内障手術を行っている眼科クリニックはもちろん全国にたくさんありますが、この多焦点眼内レンズを取り扱っているところはまだ少ないようです。
多焦点というと遠近両用メガネでレンズの上の方は遠方用・下の方は近く用を想像しますが、もちろんこのような「屈折型」の多焦点眼内レンズもありますが、主流は「回折型」のようです。回折って何?(光は障害物があるとその背後に直進だけじゃなく回り込む現象)らしいですが、これを利用して 2焦点・3焦点というレンズが患者さんの状態や見え方の希望により選択されているそうです(最近では5焦点レンズもあり、私はこれにしてもらいました)
普通白内障手術は片目ずつ行うことが多いですが、私は両眼同時手術を受けました。さすがに手術直後は、歩行に不安があるほどの見え方でしたが、翌日にはかなり見えるようになり、翌々日の朝刊は記事はぼやけてますが見出しは読める程度にまで。
日に日によくなり、5日目の今日は新聞記事が読めます。そして遠くの山の稜線もはっきりと見える程です。視野全体が白っぽく(グレア、写真でいうとハイライトで補正しすぎ)小さなLEDランプなどはその周囲にハロー(ランプ周囲の円状の輪)が見えます。
今後どのように見え方がよくなっていくかが楽しみです。もうすぐ近づいてきた運転免許証更新(タイミング悪すぎ)で何とか裸眼視力0.7を獲得したいですね。
素晴らしい技術だと思いますがこの手術が広まらないのはやはり費用だと思います。保険適応は単焦点レンズのみで、多焦点レンズは選定療養(入院の時の差額ベッド代などと同じ考え方)もしくは自由診療となり高額となってしまうからでしょう。
今後白内障手術を受けなければならない人は、こちらをご覧いただいている方たちでも大勢いると思います。その選択肢に「多焦点眼内レンズ」というものがあることは知っててもいいと思います。