日時︰2017年10月6日10:00〜12:00
場所︰メイプルホール 小ホール
テーマ︰「子どもの貧困と居場所について」
講師︰こどもソーシャルワークセンター代表
幸重 忠孝さん
第3回目のイキイキさわやかに学ぶ会に参加してきました。今回のテーマの「子どもの貧困と居場所について」、滋賀県で子どもの貧困対策の活動をされている幸重忠孝さんがわかりやすく講義してくださいました。
子どもの貧困ときいても、現在の日本ではピンとこない方もいると思います。貧困には①衣食住が欠けている絶対的貧困と②衣食住は確保されているが他の平均的家庭に比べて収入が少ない相対的貧困の2種類があります。
①の絶対的貧困の家庭には、児童養護施設や生活保護などの福祉サービスで支えられていますが、②の相対的貧困の家庭に対する福祉サービスはほとんどなく、周囲にも気づいてもらえず、見えにくくなっています。例えば、進学や通塾、習い事をあきらめる、修学旅行に行けない、バイト代を家庭の生活費にあてているためバイトを減らせず学業に影響が出ているなど、子供が自分の家庭のことを周囲に話さないことが多く、わかりにくい状態です。そんな相対的貧困の家庭の子どもを救うには地域の関わりが期待されています。
講師の幸重さんは貧困(ひとりぼっち)をなくす、地域でつくる子どもの居場所づくりの活動をされており、その様子を紹介していただきました。
「トワイライトステイ」は親が夜も仕事をしていたり、病気や障害などの理由で子どもが夜にひとりになってしまう家庭の子どもを対象に、週1回17時〜21時を多くのスタッフと夕食、入浴、学習、遊びなどを通してゆったりと豊かな時間を過ごせる場所を提供しています。「子ども食堂」「寺子屋」では、休みの日(特に長期休み)に地域の子どもの食と学びの居場所を提供しています。いずれも、子どもと関わるのは地域ボランティアの方々です。子どもたちにとって、地域の人々とのつながりはとても重要なことだと幸重さんは話されていました。
相対的貧困にある子どもは、その心のうちを親や先生に話せないことも多いそうです。しんどくなった時、他に声をかけてくれたり話ができる大人がひとりでもいることが、子どもにとって大きな助けになります。それができるような関わりを地域で増やしていくことの大切さを知ることができました。