明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(52)賑やかだった脱原発大阪デモ!+福岡・広島でもデモが

2011年04月17日 23時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110417 23:30)

4月16日の原発いらんデモ、3500人の参加だったようです。
ネットに流れた動画、新聞記事など貼り付けておきます。
全体の雰囲気が伝わると思います。デモに参加した方も、ぜひご覧ください。

また福岡では毎週土曜日に「ママは原発はいりません・福岡パレード」が
行われており、広島でも、4月24日、26日に「原発なしで暮したい100万人
アクション in 広島」が行われるそうです。24日が脱原発ピースウォークです。

このお知らせも、大阪デモの動画・記事の後に載せておきます。
それぞれでお近くの行動にご参加ください!

*****************************

4 16 原発いらん デモ 大阪 御堂筋←デモの後ろの方
http://www.youtube.com/watch?v=NovyaWPCMR0

2011年4月16日STOP原発!アクションin関西 反原発 大阪デモ
16.April.2011←デモの前の方
http://www.youtube.com/watch?v=4B4c1bhBpGs

2011.4.16 大阪御堂筋 反原発デモ←このパフォーマンスは受けていました
http://www.youtube.com/watch?v=F-iOdVDSevU

4月16日-大阪中之島-心斎橋、原発いらん&原発反対デモ動画
http://www.youtube.com/watch?v=RCmZQMRV7Tg

4月16日-大阪中之島-心斎橋、原発いらん&原発反対デモ動画2
http://www.youtube.com/watch?v=-DY8pjuOgrs

11.04.16 Sat. No Nuke Demo Osaka
http://www.youtube.com/watch?v=qMTnbBmqzD4

2011.04.16 大阪反原発デモ
http://www.youtube.com/watch?v=2B2FzXsRnHc

2011年4月16日STOP原発!アクションin関西 反原発 大阪デモ 16.April.2011
http://www.youtube.com/watch?v=ZTZOOLY3qnc

「原発はいらない」の声、2000人超 朝日新聞
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201104170026.html

東日本大震災:福島第1原発事故 反原発デモ3000院-大阪・御堂筋 毎日新聞
http://mainichi.jp/kansai/news/20110417ddn041040008000c.html

****************************

~☆~「ママは原発いりません」福岡パレード~☆~

原発は必要だ、必要じゃない、放射能は危ない、危なくない。
いろんな情報が飛び交っています。
どんな情報を信じるかは、その人の置かれた状況によって違うはず。
でも「子どもの健康を脅かすものは、いりません」という、
ママの気持ちからならば、みんなつながれるのではないか。
そう考えた避難中のママと福岡のママが、合唱パレードを企画しました。
全国のママ、一緒に立ち上がりませんか?

ちなみに、子どもを思う気持ちのある方は、みんな「ママ」。
ママじゃなくても老若男女を問わず、歓迎します。

九電は、昨年末に放射能漏れの事故を起こした玄海原発の2、3号機を、
5月に再稼動すると発表しました。
被災地の支援もままならないときではありますが、
早急に行動を起こす必要があると判断しました。
時間がありませんが、放射能に負けない早さでの情報拡散お願いします。

日時:4月の毎週土曜日(9、16、23、30日)
  午後2時から1時間程度(4月9日は下記、警固公園での集いのみ)
場所:福岡市中央区警固公園 
地図:http://tinyurl.com/2dbqqxx

お願い:大人も子どもも、緑のものを身につけてください
主催:「ママは原発いりません」福岡パレード実行委員会
お問い合わせは、chronikasha@gmail.com、トネまで

※詳細・最新の情報は、ブログ「原発止めよう福岡デモ」
http://stopgenpatsu.blog60.fc2.com
でご確認ください。放射性物質の到来が予想される日は、お子さんの参加は
お控えください(事前にブログお伝えします)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4月の毎週土曜(9、16、23、30日)午後2時から
(4月9日は下記、警固公園での集いのみ)
緑のものをつけて警固公園へ。
ママじゃなくても、子どもを思う気持ちがあれば、老若男女大歓迎。
5月再稼動予定の玄海原発2、3号機をSTOP!
http://bit.ly/hqroOQ
******************

『原発なしで暮らしたい100万人アクション in ヒロシマ』

2011年3月11日、巨大な地震と津波が人々を襲いました。
現時点で確認できているだけでも、
1万2000人を超える命が奪われ、数十万人が被災しました。
そして、福島原発の冷却機能停止による放射能被害という最悪の事態が
引き起こされました。
今このときも、空へ、大地へ、海へ、放射能をまき散らし続けています。
フクシマの警告を受けとめましょう。
1986年4月26日、チェルノブイリ原発事故の日から25周年を迎えます。
放射能に国境も県境もありません。
私たちはみんな、核の風下の人々・・・
子どもたち、妊婦の未来を守りたい。

次の巨大地震がいつ、どこに、くるのかは分かりません。
島根原発(島根県)、伊方原発(愛媛県)の運転をやめてください。
浜岡原発(静岡県)など全国の原発の運転をやめてください。
上関原発(山口県)の建設計画を白紙撤回してください。
今こそ、再生可能エネルギー(自然エネルギー)へ政策転換させましょう。

1954年3月1日のビキニ環礁での水爆実験で漁船が被災。
杉並の主婦たちから始まった原水爆禁止の署名は国内で3000万人をこえました。
広島では100万人が署名しました。

現在山口県上関原子力発電所計画の中止署名も100万人まじか!現在95万人!

核兵器も原発もない世界を築いていくために、
被爆地ヒロシマから呼びかけます。

100万人のアクションを巻き起こしましょう。

”原発なしで暮らしたい”

★4月24日(日)
日時:2011年4月24日(日曜日)
場所:ハノーバー庭園  (旧広島球場北側 広島市中区基町)
10:30~13:30 ノーニュークス・ライヴ&ノーニュークス・スピーチ
14:00~15:30 メイン集会
15:30~16:30 脱原発ピースウォーク

★4月26日(火)チェルノブイリ25周年記念日
12:00       原爆ドーム前集合
12:30~13:00 経産省
13:15~13:45 県庁
14:15~14:45 市役所
15:15~      中国電力本店前
18:30~      チェルノブイリ-ヒロシマ-フクシマ・キャンドルナイト
            (キャンドルナイト主催::上関原発止めようネットワーク)

○団体名など無しで個人名での賛同者を募集します。
主催:原発なしで暮らしたい人々
連絡先:原発なしで暮らしたい人々事務局:
メール: nuclerfreelife@gmail.com
携帯:(080-5624-8747・090-4740-4608・070-5052-6580)

○このイベントでは義援金を集めます。
集まった義援金は「東日本大震災「つながりぬくもりプロジェクト」他に寄付を
させて頂きます。
※「つながりぬくもりプロジェクト」とは?
多くの避難所では電気やガスのライフ ラインが断たれています。その復旧の
見通しが立たないなか、自然エネルギーを 活用した電気、お湯、お風呂を
被災された方々にお届けするプロジェクトです。
http://www.isep.or.jp/tunagari-project.html

○「原発なしで暮らしたい100万人アクション in ヒロシマ」に賛同していただき
参加者からの自主企画もどんどん行って下さい。
早速第一弾自主企画
★ピースマザーウォーク:
小ささなお子さんのいる人や主婦のみんなで風ぐるまを作 り、一緒に歩きます。
連絡先goat_ben_dog_leo_cat_noel@ezweb.ne.jp
08019340866
★大きなプラカードや花を手に持ち楽器を鳴らし、歌を歌いながらの集いに
したいと思います。ぜひ多くの人の参加お待ちしています。
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明日に向けて(51)「チェルノブイリ事故との比較」を首相官邸が公表

2011年04月17日 08時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110417 08:30)

やはりというべきかどうか、首相官邸より「チェルノブイリ事故との比較」という
文章が、4月15日付で出されました。これは政府が、今後、「チェルノブイリ事故
での放射線被ばくの被害は大したことはなかった。だから放射能は怖くない」
というレトリックを国民に流し続けることを表明したものです。

しかもその内容も、考えられる中で最もひどいというか、事実を限りなく矮小化
したものです。

発表は、長瀧重信 長崎大学名誉教授(元(財)放射線影響研究所理事長、
国際被ばく医療協会名誉会長) と、佐々木康人(社)日本アイソトープ協会
常務理事(前 放射線医学総合研究所 理事長)の名で行われていますが、
この問題ある研究所のお二人が、こうした内容を語っていることよりも、
首相官邸が、これを公の声明として採用していることに、この国の危機の
深さが象徴されています。

広島・長崎の被ばくの経験を持つ私たちの国の首相官邸が、このような文章を
この時期にだしたことに、僕は深い悲しみを覚えます。同時に、あまりにも
でたらめなものなので、即時、撤回することを求めます。

事態の深刻さを知っていただくために、まずはこの声明の全文をお読み
いただきたいと思います。

********************************

チェルノブイリ事故との比較
平成23年4月15日

チェルノブイリ事故の健康に対する影響は、20年目にWHO, IAEAなど8つの
国際機関と被害を受けた3共和国が合同で発表し、25年目の今年は
国連科学委員会がまとめを発表した。これらの国際機関の発表と福島原発
事故を比較する。

原発内で被ばくした方
*チェルノブイリでは、134名の急性放射線傷害が確認され、3週間以内に
28名が亡くなっている。その後現在までに19名が亡くなっているが、放射線
被ばくとの関係は認められない。
*福島では、原発作業者に急性放射線傷害はゼロ、あるいは、足の皮膚
障害が1名。

事故後、清掃作業に従事した方
*チェルノブイリでは、24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康に
影響はなかった。
*福島では、この部分はまだ該当者なし。

周辺住民
*チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量
汚染地の500万人は10~20ミリシーベルトの被ばく線量と計算されているが、
健康には影響は認められない。例外は小児の甲状腺がんで、汚染された
牛乳を無制限に飲用した子供の中で6000人が手術を受け、現在までに15名が
亡くなっている。福島の牛乳に関しては、暫定基準300(乳児は100)ベクレル/キロ
グラムを守って、100ベクレル/キログラムを超える牛乳は流通していないので、
問題ない。

*福島の周辺住民の現在の被ばく線量は、20ミリシーベルト以下になって
いるので、放射線の影響は起こらない。
一般論としてIAEAは、「レベル7の放射能漏出があると、広範囲で確率的
影響(発がん)のリスクが高まり、確定的影響(身体的障害)も起こり得る」
としているが、各論を具体的に検証してみると、上記の通りで福島と
チェルノブイリの差異は明らかである。

長瀧重信 長崎大学名誉教授
(元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長)
佐々木康人(社)日本アイソトープ協会 常務理事
(前 放射線医学総合研究所 理事長)
http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html
*****************************

どう読んでみても、ここからは、次のような点しか読み取れません。

1、事故当時の原発での被ばくで亡くなったのはわずかに28人。
2、事故後、清掃作業に従事した24万人の被ばく総量は平均100ミリ
シーベルトで、健康被害はなかった。
3、周辺住民には、子どもの甲状腺がんで6000人が手術を受け、
15人が亡くなった以外に被害はなかった。
4、福島はこれ以下の被ばくなので、まったく問題はない。

これは本当にひどい。何がひどいのかと言うと、さすがにここまでひどい
事故の過小評価は、世界のどこでも行われていないからです。

この声明の中にも、
「チェルノブイリ事故の健康に対する影響は、20年目にWHO, IAEAなど
8つの国際機関と被害を受けた3共和国が合同で発表し」と書かれて
いますが、その発表がなされたチェルノブイリ・フォーラムでは、以下のような
報告が出されています。

これまでに確認された死者:約60 人
􀁺 放射線急性性障害 134 人のうちの死亡・・・・28 人
􀁺 急性障害回復者 106 人のその後の死亡・・・・19 人
􀁺 小児甲状腺ガン約 4000 人のうちの死亡・・・・9 人

ガン死者:3940 人
􀁺 1986-87 年のリクビダートル20 万人から・・2200 人
􀁺 事故直後 30km 圏避難民11.6 万人から・・・・140 人
􀁺 高汚染地域居住者 27 万人から・・・・・・・1600 人

リクビダートルとは、1986年に動員された事故処理作業者のことですが、
それらの人々から2200人も含めて、今後、3940人が被ばくの影響で
ガンで亡くなる。そのためチェルノブイリ事故の犠牲者は4000人になるという
内容です。

まずはこれがあって、この数はあまりに事故を過小評価している、
非科学的でとても信用できるものではないという国際的批判が
まき起こったというのが、実際にあったことです。

この点については、京大原子炉実験所の今中哲二さんの文章からの
引用で、説明に変えたいと思います。

「フォーラムの死者の大部分をしめるガン死とは、モデルをあてはめて
計算された数字であって、そのモデルで用いる仮定によって結果が大きく
変わってくる。フォーラムとしては、昨年9月のウィーン会議で総死者4000 人
という数字を発表して20 周年に向けての先手を打ったつもりだったのだろうが、
ベラルーシやウクライナの専門家やNGO、さらにはベラルーシ政府からも
報告書のへの抗議を受け、ついには報告書修正版を出すに至っている
(内容はほとんど変えず表現を柔らかくしたものになった)。

また、フォーラムの身内というべきWHO やIARC(国際ガン研究機関)からも、
今年になってもっと大きなガン死数推定値が発表され、フォーラムの面目は
丸つぶれの状況にある。表2は、この間に発表された、いろいろなガン死数を
まとめたものである。フォーラムの4000 件が最低で、グリーンピースはその
20 倍以上の9万3000 件という値を出している。」

なお全文は以下のアドレスから見れます。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/tyt2004/imanaka-2.pdf「※ 本稿は、「原子力資料情報室通信」No.386、2006 年8 月に掲載された
原稿に加筆したものである」との補足があります。

つまり2006年に出された報告書は、チェルノブイリ事故でのガン死者を
今後の予想も含めて4000人としており、これがあまりにもひどい過小評価
だとして、ベラルーシ政府から抗議を受けたのをはじめ、WHOなどが、
修正を報告をだしたようなものだったのです。

ところが首相官邸が公表した声明は、この2006年に国際的な批判を呼び込んだ
チェルノブイリフォーラムでの事故評価をも完全に無視したものになっています。
本当に、唖然とするような内容です。

これが意味すること、本当に深刻なことは、日本政府に、国民と住民を、放射線
被ばくから守る意志がまったくないことが如実にあらわれているということです。

このままでは、放射線の害の著しい過小評価が続けられ、守るべき人が
守られず、多くの人々が無防備なままに放射線被ばくにさらされてしまうことなる。
本当にたくさんの人々が危機にされされています・・・。

とりあえずみなさんにこの危機的な事態をお伝えしたいと思います。
この内容については、後々、詳しく取り上げていきます。
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明日に向けて(50)気仙沼からの便り・・・その7

2011年04月17日 02時00分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110417 02 :00)

今宵は、気仙沼アビスさんからの便りもお届けします。
15日のものは、物資を送って下さった方へのお礼です。

なお義援金については、今まで京都から支援活動を行っている
山水人に集中し、物資輸送の経費等の形で使ってきたそうですが、
今後は、直接、気仙沼へも送金する体制を作ることになりました。
その経緯も、便りの中に書かれています。

ちなみに、アビスさん、僕の通信をコピーして、話をした被災者の
方たちに手渡してみてくれたそうです。みなさん、情報に
飢えていて、また次もコピーして欲しいと言ってもらえたとか。

一方、原発の「げ」の字を出しただけで、シャッターが下りて
しまうこともあるそうです。

なお、アビスさんの要請のもとに書いた「放射線被ばくから
身を守ろう」については、アビスさんのお母さんにまずみて
もらったところ、分かりやすいと最後まで読んでいただけたそうで、
続いて、避難所などでもまわしてみると言ってもらえました。
・・・引き続き、被災された方々の心に届く、配信を心がけて
いこうと思います。

友人が、この文章のpdf版を以下のページからダウンロード
できるようにしてくれました。必要な方はお使いください。
http://abc.pwkyoto.com/?eid=92

今後とも、気仙沼への、みなさまの変わらぬ援助をお願いします。

**********************

アビスさんからの便り

4月15日

またまた、ジャストな感じの、
荷物の到着状況です。
先週は、ちょっと少なめでしたが、
多国籍軍との、合同作戦が、
結構忙しかったので、
ジャストでした。

皆さんの善意、
本当にありがとうごいざいます。
確かに受け取り、
しっかり届けます。

末永く、
細く、
長く、
無理ないご支援、
よろしくお願いします。


物資運搬も、そろそろ1ヶ月です。
避難所への運搬から、住宅への運搬に、
シフトを移行しています。
避難所は、大人数なので、届けやすかったのですが、
さすがに、行政の補給は行き届いており、
いろんなものが、まにあっているようです。
しかし、津波到着の紙一重で免れて
家が残っていて自宅待機している方々が、
一番困っているとの話を聞き、
その辺に届けたいと思っていますが、
まだまだ、手探り状態です。

**************************

4月16日

今回の事故に関して、皆さんのリアクションが、
物資運搬という、未経験なる重要な仕事を
買って出た俺にとって、励みになり、
多くの気付きをいただく貴重な場です。

その話し合いの中、義援金の話題が出てました。
その件に関して、ちょっと俺の意見を聞いてください。

義援金の話の話を、祖牛さんから初めに聞いた時、
俺は遠慮しました。
これ以上、責任の重いことを
買って出る勇気がありませんでした。
その数日後、ガイガーカウンターの必要性を感じ、
祖牛さんに電話して、リクエストしました。

その後、友達と話をしていて、
「24時間テレビの義援金から、
番組出演のお笑いのゲストのギャラも出ていたらしい。」
という、話を聞き、考えが変わりました。

今は、義援金を託してくれる方がいるなら、
預からせてもらおうと思うようになりました。
そして、今までの社会で疑問に感じたお金の流れに対して、
何らかの理想の形を、表現出来ないかなぁと思ってます。
透明で、的確で、相談がなされるみんなのお金の使い方。
全員が納得することは、至難の事だとは思いますが、、、。
義援金を集めることでも、次の時代に対する
新しいビジョンの投影を、試みたいと思ってます。
夢想家の俺らしい意見ですが、、、。

それで、山水人で集まった義援金は、
山水人の方でプールしてもらっていて、
こちらで必要なものがあったら、
連絡して皆さんにご報告の上で物資の調達をしてもらうと言う、
形はどうでしょうか。

それとは別に、
こちらに直接義援金を送りたいと連絡くれる人。
送ってくれた人。
送ってくれた物資に、お金を一緒に入れてくれた人。
そんな方の志を、きっちり口座への入金記録と言う形で、
残すため、新しく団体名で口座を作ろうとしてます。
郵便局に申し込んだところ、団体名での口座を開くのには、
団体名簿の必要性があり、その書類は用意できたのですが、
多国籍軍との行動が忙しく、今週は間に合いませんでしたが、
月曜には、口座が開けると思います。

という訳で、義援金に関しても、
手探りの行動を始めようとしています。
この件に関して、皆さんのご意見、ご感想を、
お聞かせください。

(ご意見のある方は、守田まで。morita_sccrc@yahoo.co.jp)






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明日に向けて(49)脱原発を掲げて大阪の街をデモ!+静岡でもパレードが!

2011年04月17日 01時00分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110417 01:00)

みなさま。昨日16日に大阪で脱原発集会とデモが行われました。
まだ主催者発表を耳にしていませんが、僕が見た限りでは
3500人~4000人ぐらいの参加ではなかったかと思います。
(正確な数は、主催者発表によって確認してください)

集会は元京大原子炉実験所の小林圭二さんの発言で始まり、
長らく脱原発運動をしてきたグループの方たちが次々にマイクを
握りました。

「福島の子どもたちをただちに救おう」「これから福島に
向かいます」等々の発言が印象的でした。
みなさん、短く、熱いメッセージを、発信されていました。

デモは中之島公園から難波まで。えんえんと2時間以上歩きました。
最後尾が公園から出るまでに45分もかかったそうです。

僕は先頭近くにいましたが、デモの途中にカメラを抱えて、反対方向に
歩きだし、最後まで見とどけました。非常にバラエティーのある人たちが
集まっていました。スケボーをかかえたあんちゃんたちの一群なども
いたし、太鼓や鳴り物を持っている集団が、幾つもありました。
子どもたちも、たくさん歩いていました。

大阪府警の規制が厳しく、200人~500人ぐらいの塊が、それぞれ
100メートル以上も離されてしまい、参加者はお互いの姿が
あまり見れなかったのではないかと思え、ちょっと残念な気がしましたが、
それぞれ思い思いに、原発反対の声をあげていて、とてもいい
デモだったと思います。

さらに脱原発の声を高めていきたいですね。
一緒に歩いたみなさん、どうもお疲れ様でした!

++++++

さて大阪に続いて、4月24日に静岡でもパレードが行われる予定です。
1000人の参加を目標にしているそうです。
近くの方、ぜひご参加ください!
以下、案内を貼り付けます。

****************************

名称:菜の花パレードはまおか
~あなたの一歩が、社会をキラリ☆と変えていきます~

日時:2011年4月24日(日)13:30~
場所:静岡市葵区にある青葉公園B2
(イベント広場が使えればそちらに移行する可能性もある)

主催:ふきのとう
連絡先:054-209-5676

構成:13:30 青葉公園で挨拶、訴えを開始。
(30秒から1分で団体や個人に訴えていただく時間をとります。時間が
短いので次々と入れ替わっていく形になります。訴えの時間は15分取ります)

構成:14:00 パレードを開始。
(先頭と後尾をふきのとうで務め、参加者はそれぞれの方法での訴えを
していきます。菜の花を持つ人もいれば、プラカードを持つ人、ゴミ
拾いをする人など様々です)

   15:30 青葉公園に帰還。総括、次回への展望など
   15:45 解散

雨天時:延期。HPを立ち上げますので、HP上で発表となります。

パレードの骨子
 今回のパレードでは
  ?被災地への支援
  ?浜岡原発の停止
  ?自然エネルギー
 の3つを柱として活動させていただきます。

--------------------------------------------
以下記者会見資料 
--------------------------------------------
4月24日(日「菜の花パレードはまおか」に関して

みなさん、こんちには。
いつもニュースを届けていただいて
ありがとうございます。

東北の震災をうけて
「なのはなパレードはまおか」を企画しました。

福島原発がとても大変な事になっています。
毎日、心を痛めている方も多い事と思います。
そんな中でも僕たちが住む静岡には
浜岡原発が、今もまだ動いているという現状に気がつきました。

気になって中部電力さんに電話したり、ホームページで調べたら
原子力発電の量は2009年で14%でした。
なくても大丈夫なのに…

「こんな事になっていても、なぜまだ、今も動いているのだろう?」
と、外に声を上げました。
外への声は、しっかりと出さないと
誰にも伝わらないし
何も変わりません。
外への声の為に今回のパレードを企画しました。

そして、外への声を、内側に向けてみたら
「こんな事になっても、なぜまだ、節電しないの?」
「こんな事になっても、なぜまだ、太陽光発電を家に設置しな
いの?」
になりました。
外にも声を出すのも大事ですが
自分の出来る事から始めてみる事も大事です。

新しいエネルギーや生活について
市民レベルで話し合う場所をつくり
市民バンクを立ち上げ、自然エネルギーをデザインして行きます。

東北の震災をうけて
僕たちは今、色んな事を感じ
色んな活動を始めています。

外への声と
中への声と
両方を話し合う事。
口に出す事が
外に出す事が
大事だと思います。

子供でも
大人でも
みんなが参加しやすい様に
パレードというデザインにしました。

このパレードに参加した
すべての人の小さな一歩一歩が
この世界を変える事と信じています。
僕たちは無力ではありません。
微力はあります。
微力をいっぱい集めて
新たな社会を作っていけたらと
夢みています。

今日は本当にありがとうございます。

なぜ菜の花か
 菜の花は、土壌中のセシウム137とストロンチウム90を吸収する
能力が最も高い植物と言われているそうです。菜の花はカリウムや
カルシウムを吸収して成長しますが、セシウム137 やストロンチウム
90などと性質が似 ているため、同様に吸収するのだと言われています。
そのため、土壌中の放射性物質を除去することができるとのことです。
実際に私たちが実験や実証をしたわけではありませんが、今回の
福島原発の事故、静岡県にある浜岡原発を考えたとき、解決のための
一つの象徴として菜の花を選ばせていただきました。
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明日に向けて(48)国内原発の大半、安全対策に難点

2011年04月16日 12時40分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110416 12:40)

朝日新聞が注目すべき記事を載せています。
今回の福島での事故を受けて、国内各地の原発に安全対策を問い合わせた
ところ、その大半で長期電源喪失事故への想定がないことなど、安全設計上の
問題が多数あることが分かったという内容です。

つまり今、私たちの国は、現在進行形のフクシマという事態以外にも、大変な
危機を抱えていることが浮き彫りになっています。当面、もっとも危険なのは
浜岡原発でしょうが、しかし他の大半の原発も、大地震や大津波が起これば
すぐに危機に陥ってしまうのです。危機は浜岡だけにあるのではありません。

この点からも、全ての原発を早急に止めることが急がれます。
同時に、フクシマの事態は、運転を止めていても、燃料棒がある限り、原発が
なお大きな危険性をはらんでいることを明らかにしています。
このため、津波対策、燃料棒の可能な限りの安全管理と、その厳重な監視
体制を作りだすことも急務です。

おそらく、そのためにたいへんな額の予算が必要になるでしょう。原子力発電が
本当は、天文学的なコストを要するものであることが、一気に表面化してくると
思います。しかしそのコスト、運転ではなくて、廃炉にして、
極めて難しい安全管理に移行していくコストを、私たちの社会は払い続けなけ
ればなりません。原子力発電を推進してきた企業などが中心的に担う以外ない
でしょうが、ともあれ、安全のためには、脱原発の道を急ぐ以外、選択の道は
ないと思います。(この点はまた詳しく論じたいと思います)


こうした私たちの国の混乱、現在進行形で、ゆっくりと、長く、大量に続く、
福島原発からの大量の放射能漏れを前にして、ドイツは、いち早く原子力
発電の運転期間の短縮を決定しました。

メルケル首相は、「我々はみな、できる限り早く核エネルギーから脱却し、
(風力などの)再生可能エネルギーへと乗り換えたいと考えている」と
声明しています。人間としての当然の本能に素直に従った英知を感じます。

またそれは私たちの悶絶の苦しみを、正しく受け止めてくれている声明で
あるとも思えますが、今、連続する放射能漏れに、もっとも苦しんでいる
私たちの国の中でこそ、こうした英知が輝かねばならないと思います。

今日の午後3時半から、大阪中之島公園にて、緊急の「原発いらん!関西行動」
が呼び掛けられています。僕もこれから出かけます。
1人での多くの人が、私たちの命と、未来世代を守るために、声をあげるべき
ときです。

**************************
国内原発の大半、安全対策に難点 長期電源喪失想定など
2011年4月16日3時7分 朝日新聞

 東京電力福島第一原発の事故をめぐり、朝日新聞が全国の10電力会社
などに安全対策に関する調査を実施したところ、大半が事故前、長期間の
電源喪失など第一原発レベルの事故に対応する態勢をとっていなかった
ことが分かった。第一原発で被害を拡大させた疑いがある安全設計上の
問題を同様に抱える原発が多数あったことも判明。各電力では、津波対策
などに乗り出している。

 調査対象は、国内の17商業用原発で54基の原子炉を運転する計10
電力と、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)を運転する日本原子力研究
開発機構。福島第一原発事故前の(1)炉心溶融などの過酷事故の想定や
訓練(2)全電源喪失時のバックアップ態勢(3)非常用ディーゼル発電機や
海水ポンプの設置状態――について調べた。

 (1)では、10電力のうち東京、東北、中部各電力など7社と同機構が
事故の際、非常用バッテリーが動く5~8時間で外部電源などが復旧すると
想定。第一原発事故で起きたような数日間にわたる長期全電源喪失への
対策や訓練はなかった。

 (2)では、福島第一原発事故の前は、関西電力を除く9社と同機構は、
原発内や付近に、外部電源などの喪失に備えた電源車を配備していなかった。

 また、(3)では、福島第一原発で、非常用ディーゼル発電機が水密性の
高い原子炉建屋内に設置されていなかったことや、海水ポンプが建屋内に
収容されていなかったことが、津波を受けた後の電源喪失事故に至った
主要な原因ではないかと東電内で指摘されている。これらの点について、
四国電力伊方原発(愛媛県)や九州電力川内原発(鹿児島県)など12カ所の
計31基で、ディーゼル発電機が原子炉建屋ではなく、タービン建屋内
などに設置されていた。海水ポンプも、関西電力美浜原発(福井県)や
九州電力玄海原発(佐賀県)など11カ所の計34基で、屋外にほぼむき
出しの状態で置かれていた。

 各電力は事故後、(1)については長期間の電源喪失を想定した緊急訓練を
実施。(2)の電源車も急きょ配備を進めている。(3)については、「想定した
津波より高い位置にあり、安全性に問題はない」(関西電力)との見方も
あるが、非常用ディーゼル発電機が置かれた建屋の扉を水密性の高い
ものに取りかえたり、海水ポンプの周囲に防護壁を設置するなどの対策が
進められている。(中村信義、舟橋宏太)
http://www.asahi.com/national/update/0416/TKY201104150581.html

ドイツ、原発運転期間を短縮へ 福島事故で方針転換
2011年4月16日6時59分

 ドイツのメルケル首相は15日、野党・社会民主党も含む国内16州の
州首相らと今後のエネルギー政策について協議し、国内の原子力発電所の
運転期間を短くすることで合意した。6月17日までに法改正を目指す。
具体的な短縮期間は決まっていない。

 首相は協議後の会見で、「我々はみな、できる限り早く核エネルギーから
脱却し、(風力などの)再生可能エネルギーへと乗り換えたいと考えている」と
述べた。ドイツには17基の原発があり、これまでの計画では、最長2040年
過ぎまで稼働させる方針だった。

 メルケル政権は昨年、原発の運転期間を平均で12年間延長する原子力法
の改正をしたばかりだったが、福島第一原子力発電所の事故を受けて
方針転換。今回の協議で、超党派で「脱原発」を急ぐ考えをさらに明確にした。
(ベルリン=松井健)
http://www.asahi.com/international/update/0416/TKY201104160089.html
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明日に向けて(47)私たちは悔い改めます(キリスト者の声明より)

2011年04月16日 11時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110416 11:30)

日本キリスト教協議会が、菅直人内閣総理大臣に宛てて声明を発表しました。
大変、素晴らしい内容ですので、みなさんにお読みいただきたいと思い、
転送させていだきます。

これほど短い文章の中に、大切なことがみな書きこまれていると思えます。
それはこの方たちが、どれほどこの問題を深く考えられてこられたのかを
象徴していると思います。

にもかかわらず、この方たちは、原発を止められなかったことについて
「私たちは悔い改めます」と書いています。僕もこの方たちとともに
「抗議し」「悔い改め」「要望したい」と思います・・・。
なお、私にこれを送ってくれた友人の言葉も添えておきます。

***********
流すのではなく、ぜひ、立ちどまって読んでほしいと思いました。

要望と併記して綴られる悔恨の念。
この立ち位置なくしての再出発はあり得ない。
ワタシ自身、そう考えどおしの毎日ですが、それをどんな言葉に乗せるのか、どんな
言葉で伝えるのか。と。
ここに、これからの道筋が記されていると思いました。

はあ。涙が出ます。まっとうなコトバが、まっすぐ胸に沁み込んでいきます。

***********************

福島第一原子力発電所事故に関する日本キリスト教協議会声明
2011年4月11日 日本キリスト教協議会 議長 輿石勇


2011年3月11日に起きた東北太平洋沖地震と津波によつて、東京電力福島
第一原子力発電所で取り返しのつかない事故が起き、また現在も続いています。
人類で初めて原子爆弾による被害を受け原子力の猛威を自ら体験したゆえに、
脱原発社会を目指すはずの日本に住むキリスト者として、脱原発という方針を
掲げている日本キリスト教協議会(31のキリスト教教団。団体のネットワーク)は
改めて以下のように自らの信仰的立場を明らかにします。

わたしたちは抗議します。
原発震災や事故について想定できたにもかかわらず、日本政府が「安全
神話」を根拠に原子力行政を続けてきたことに抗議します。東電従業員を含む
労働者の被曝、住民の被曝、環境への放射能汚染の第一の責任は日本政府
にあります。また、必要とされる適切な情報を開示しないこと、労働者や食料品
の被曝線量の安全基準数値を任意に引き上げることにも抗議します。

わたしたちは悔改めます。
わたしたちは原子力発電が人間の手に負えるものではないこと、環境破壊
行為であることを指摘してきました。それは科学を絶対化する偶像崇拝であり、
神の倉造のみわざに対する冒涜だからです。原子力行政は、人々の消費欲求
を作り出し、拡大することですすめられ、そのために消費能力の弱い者に
負担を押しつけてきました。また一部企業の収益増加につながる原子力の軍事
利用と結びついた非人間的な政策です。そのことをわたしたちはこれまで
指摘してきました。それにもかかわらず原発を止めることができずにいる自らの
怠慢を神に懺悔します。創造主から「土に仕える」(倉1世記3章23節)使命を
与えられたものとして、わたしたちは改めて原発の廃止に向けて努めます。
それが未来世代への私たちの責任です。

わたしたちは要望します。
・ただちに国内における原発および関連施設の全廃を決定し、可能な限り
速やかに停止し、廃止するための作業を進めてください。また国外に原発を
輸出しないでください。
・継続中の事故の処理、放射性廃棄物の処理、事故の原因究明を、誠実に、
同時に労働者の人権を擁護しつつ行なつてください。
・情報を管理することによつて思想を統制しないでください。むしろ、事故の
状況や放射能汚染に関する正確な情報を開示してください。
・正確な計測に基づいて、高濃度の放射能に汚染された地域住民を政府の
責任において強制避難させてください。また事故によつて損害を受けた
すべての人に誠実な謝罪と損害賠償を行つてください。

「被造物がすべて今日まで、共にうめいていることをわたしたちは知つています。」
ローマの信徒への手紙8章22節
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明日に向けて(46)「放射線ストレスキャンペーン」を批判する

2011年04月16日 02時00分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110416 02:00投稿 11:20更新)

今宵はもうひとつ、放射線被ばくに関する記事を書きます。
事故当初より、政府の安全キャンペーンに与してきた読売新聞が、
「放射線ストレス」というタイトルの解説記事を載せています。

ここで記事が強調しているのは、放射能の影響よりも、それを気にしすぎた
ストレスの影響の方が大きいという点です。

記事の最後に、「チェルノブイリ原発事故では、身体的な影響以上に
精神的なストレスによるアルコール依存症や放射能の不安による人工妊娠
中絶などが社会問題になった」という解説がついています。

なんというか、さりげない記事であるとも言えるのですが、これは政府や
原発を推進する人々が今後、多様してくるロジックになると思われるので
注意が必要です。

なぜならこれは、IAEAが1991年に行ったチェルノブイリ調査以来の論調を
引き継ぐものだからです。この報告の第一に挙げられたのも、放射能による
成人への影響は見られず、むしろ精神的なストレスの影響の方が大き
かったという内容でした。

このときのIAEA調査団の団長は、日本の広島放射線影響研究所理事長の
重松逸造氏。水俣病とチッソの因果関係を否定したことでも有名な御仁です。
放射線影響研究所も、そもそもは、広島原爆投下後に、日本を占領した
アメリカ軍が作った、原爆傷害調査委員会(ABCC)の流れをくむもので、
原爆の効果を調べるために作られた軍事組織の末裔です。1975年に
日米合同組織としてスタートしました。

ABCCは、時に被ばく者をジープに載せて強制連行し、病院で裸にして
調査を行い、しかも一切、診察を行わなかったことでや、たくさんの
被ばく者の遺体の解剖を(放影研への改組後の)1978年まで行い続けた
ことで、被ばく者の怒りを買い続けたことで有名です。

ちなみに1981年から16年間も理事長の座にいた重松氏は、「ここの研究が
原発建設に大いに役立っている」「アメリカが治療しなかったのは地元医師会
の要請だった」と発言し、被ばく者の組織、被団協等から抗議を
受けたそうです。

ABCCの目的は、アメリカが原爆投下の人道的罪を告発されかねない国際的
情勢下において、原爆による放射能の影響をできるだけ小さく宣伝し、未来
世代への迫害をはじめ、人道的罪と呼べるものはないと証明することにあり
ました。そのことで核武装の正当化をすることに大きな焦点が置かれ、放射
能の影響が大変、低く見積もられたのです。

ここで使われたロジックがチェルノブイリのその後にも適用されていきました。
実はその点では、旧ソ連もアメリカ、イギリス、フランスも利害を共にして
いました。そのためにわざわざ広島から、重松氏を連れて来て、チェルノブイリ
被災者調査の団長に据えたのでした。そうして出てきた報告書が、「放射能の
害は成人には見られなかった。むしろ放射線ストレスの方が深刻だった」
というものでした。

記事はこのロジックを完全に踏襲したものですが、さらにここに具体的な
線量の問題をも書き込んでいます。

「これまでの周囲の累積放射線量は、発がんなど健康への
影響が出始めるとされる100ミリ・シーベルトより低く、国の原子力安全
委員会は「現段階の一般住民の被曝(ひばく)量で将来的に健康影響が出ること
はない」としている。
 だが、放射線災害では、身体的な影響がなくても「放射線ストレス」に
よる心の影響が深刻な場合がある」

「根拠のある科学的情報を繰り返し伝え、わずかでも放射線を浴びた人
への差別もなくしていく。「問題ない」「大丈夫」と不安をただ否定することは
役に立たない。不安な人の話に耳を傾け、気持ちを受け止める」

要するに100ミリシーベルトまでは、健康に害はない。今はそれよりずっと
低いので将来的にも影響は出ることは無い。懸念されるのは過剰な心配だと
言うことです。
そのうえで「根拠のある科学的情報を繰り返し伝え」ることを強調している。

しかし実は自らは「根拠のある科学的情報」などにまったく立っていないのです。
少なくとも原子力安全委員会など、それを熟知しているはずです。これは
明らかに意図的に事実を捻じ曲げた言説です。


その証左の一つとして、記事の後に、きしくもこの記事と同じ日に原子力
学会が発表した「被曝による健康への影響と放射線防護基準の考え方」
という文章の一部を取り上げました。

この文章そのものは、現在は非常時なので、1ミリシーベルトという許容値を
20ミリから100ミリにあげることを検討することを提言しているものであり、
その内容には僕は反対です。

しかしここには明確に

「(国際放射線防護委員会の)2007 年勧告では、広島・長崎の原爆やチェルノ
ブイリの原子力発電所事故の追跡調査の結果などを含む、最新の科学的
知見に基づいて、線量限度を定めています。その結果、100mSv
(ミリシーベルト)以下の被曝では確定的影響(*1)は発生しないとしています。
一方、100mSv 未満の被曝であっても、がんまたは遺伝性影響の発生確率が、
等価線量の増加に比例して増加するであろうと仮定するのが科学的に
もっともらしいとしています。これを確率的影響(*2)と呼んでいます。」

と述べています。確定的影響、つまりこの量を浴びると、多くの人がある症状を
発生させるのが100ミリシーベルトからであり、これに対してそれ以下の場合は
確率的な影響、あるパーセンテージにおいて、ガンの発生率が生じること、
つまり確率的影響が出ると書かれているのです。

他の研究では、確定的影響は50ミリシーベルトから始まるとされており、僕は
とりあえずそれに従っているので、この原子力学会の定義は、原子力推進側に
ありがちな、緩い定義だと考えているのですが、しかしこの学会は、
確率的影響にはしきい値がなく、ごく小さな線量からも確率が生じることに
ついては、きちんと指摘しています。

その点で、読売新聞の記事、またそこに挿入された原子力安全委員会の
発言は、原子力学会や、さらに国際放射線防護委員会でも前提にしている
科学的見解を否定したものであり、かなり意図的に書かれたもの
であると考えられます。

こうした非科学的で、放射能の影響を政治的に過小評価したと思われる
断言が「根拠のある科学的情報」などとして流布されていることに、強い
危機感を覚えます。なぜならこれでは、人々が無防備なままに、放射能汚染に
さらされてしまう可能性が強まるばかりだからです。

チェルノブイリ事故の10分の1にも相当するもの凄い放射能が出ているのに
それを教えなかった政府、スピーディーが人々に逃げる経路を指示して
いたのに、それを握りつぶした政府、そしてその政府の広報と化して、
安全を宣言し続けたマスコミ、それがまた「放射能は安全キャンペーン」
を始めています。「放射能より放射線ストレスが怖いキャンペーン」と
言ってもいいかもしれません。

私たちが私たちの安全を守ろうとするとき、命を、子どもたちを守ろうと
するとき、好むと好まざるとに関わらず、このキャンペーンと向かいあって
いかねばならないと思います。

放射線を浴びる許容量の、安易な緩和や、非科学的な言説をを許さずに、
私たちと子どもたち、未来世代を守っていきましょう!

******************************

[放射線ストレス]被曝量・差別への不安
2011年4月14日 読売新聞

 東京電力福島第一原発事故で避難した人たちの間で、放射線災害に特有の
不安が高まっている。心のケアの専門家は「被災者の精神状態の安定を支援
する対策が急務」と指摘している。(高梨ゆき子)
避難生活で増幅、対策急務
 福島市のあづま総合運動公園の避難所にいる南相馬市鹿島区の主婦、
伊佐井真希さん(38)は「放射線は目に見えないから余計に不安」と話す。
3月19日、10歳と2歳の子どもを連れ避難した。自宅は屋内退避とされた
区域(福島第一原発から20~30キロ・メートル圏)より1キロほど外側だが、
子どもは放射線の影響を受けやすいと聞いたためだ。夫は仕事で自宅に
残る。「南相馬の出身だからと差別され、子どもたちが将来、結婚できな
かったらどうしようとか、そこまで考えて落ち込んでしまう」と表情を曇らせる。

 相馬市の避難所で暮らす南相馬市小高区の斎藤悦子さん(62)は、
同居の長女と2人の孫は東京に避難した。「地震で家はめちゃくちゃだけど
片づければいい。でも相手が放射能ではどうにもならない」と涙をこぼす。

 浪江町の避難区域から福島市の避難所に来た大工の松本進さん(52)は、
原発で水素爆発のあった3月12日、おびえる長女(16)にせかされ、
作業着のまま逃げ出した。妻は高齢の母を気遣って町内に残り、長男(20)、
長女と3人で避難場所を探し転々とした。

 松本さんは「こんな思いで暮らすのはもう限界。仕事も学校もどうなるのか、
この不安がいつまで続くのか、はっきりしてほしい」と、やりきれない思いを
はき出した。

 福島第一原発事故は、事故の深刻度を表す国際的な尺度で、旧ソ連の
チェルノブイリ原発事故と同じ史上最悪の「レベル7」に暫定評価が引き上げ
られたものの、これまでの周囲の累積放射線量は、発がんなど健康への
影響が出始めるとされる100ミリ・シーベルトより低く、国の原子力安全
委員会は「現段階の一般住民の被曝(ひばく)量で将来的に健康影響が出ること
はない」としている。

 だが、放射線災害では、身体的な影響がなくても「放射線ストレス」に
よる心の影響が深刻な場合がある。
 災害心理学に詳しい武蔵野大教授の小西聖子(たかこ)さんは、「放射線は目に
見えない、個人の努力では防げない、深刻な影響があるというイメージが
強いなど、人が不安に感じて当然の要素が多い」と話す。

 不安を完全に消すことはできないが、災害直後の心のケアで重要なのは
「安全・安心の確保」と「生活の安定」だ。日常生活が不安定だと、人は
さらに不安を感じやすい。なるべく早く当面の住居や仕事を提供し、生活の
見通しを具体的に示すことが大切だという。

 根拠のある科学的情報を繰り返し伝え、わずかでも放射線を浴びた人
への差別もなくしていく。「問題ない」「大丈夫」と不安をただ否定することは
役に立たない。不安な人の話に耳を傾け、気持ちを受け止める。

 小西さんによると、心理学の研究では、自然災害より人災の方が人々の
心へのダメージが大きい。しかも放射線災害では人は特に不安に陥りやすい。
 福島の人たちの不安を少しでも早く取り除く対策が求められている。

放射線ストレス
 放射線災害では、健康に影響が出ない程度の被曝(ひばく)でも、人は不安感を
抱きやすい。チェルノブイリ原発事故では、身体的な影響以上に精神的な
ストレスによるアルコール依存症や放射能の不安による人工妊娠中絶
などが社会問題になった。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=39517


被曝による健康への影響と放射線防護基準の考え方
社団法人 日本原子力学会 平成23年4月14日より抜粋

2007 年勧告では、広島・長崎の原爆やチェルノブイリの原子力発電所事故の
追跡調査の結果などを含む、最新の科学的知見に基づいて、線量限度を定めて
います。その結果、100mSv(ミリシーベルト)以下の被曝では確定的影響(*1)
は発生しないとしています。一方、100mSv 未満の被曝であっても、がんまたは
遺伝性影響の発生確率が、等価線量の増加に比例して増加するであろうと仮定
するのが科学的にもっともらしいとしています。これを確率的影響(*2)と
呼んでいます。

*1 確定的影響:ある程度の高い線量によって起こり、その影響が発生する
最小線量となるしきい値のある影響。
*2 確率的影響:しきい線量がないと仮定し、被曝線量が低くてもその線量に
応じたある確率で癌や遺伝的影響等が発生するかも知れない影響。低線量被ばくに
よる人体への影響に下限があるかどうかについては現在では諸説あり、検証が
進められている。
http://www.aesj.or.jp/information/fnpp201103/com_housyasenbougyo20110414R.pdf

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明日に向けて(45)放射線被ばくから身を守ろう(改訂版)

2011年04月15日 23時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110415 23:30)

明日に向けて(31)で、「放射線被ばくから身を守ろう」という文章を書き、
9日の講演会の場にも持参しました。

これに対して、講演を聞いて下さった京都精華大学の細川弘明先生から、
放射線規制値について、僕の書き方では、年間1ミリシーベルトの放射線で、
10万人に5人がガンになる事実を受け入れるかのようになっている。
「そんなことを認めてしまってはだめだ。10万人のために5人に死んでくれと
いうことだよ。これは」と指摘を受ました。

大変、はっとしました。その点も含めて、書き直さなければと思っていましたが、
ようやく手を入れることができましたので、改訂版としてみなさんにお届けします。
同時にこの1ミリシーベルトは、外部被ばくを中心に考えた値であり、内部被ばく
の目安がないことを考え、観測される空間線量に対して、内部被ばくを考えると
3倍ぐらいを見積もった方が良いという意見も加えています。

また1ミリシーベルトの被ばくの場合、10万人に5人がガンになるという捉え方は
危険を小さく見積もりすぎている、10万人に40人が妥当な見方だという見解を
唱えてる科学者がいることも知り、この確率も、10万人に5人から40人と
書き改めました。


ここでもう少し細川さんの意見について考えたことを述べます。
この10万人に5人とか、1万人に1人とかいう値は繰り返し、マスコミでも使われて
います。非常に可能性が小さいので、大丈夫だと言う論脈で使われることが
多い。確かに自分自身のリスクを考える時に10万分の5は少ない値かもしれない。
10万分の40でもそうかもしれません。

しかし多くの人々に目を向けた時、単に確率だけでは割り切れないものが
ここにはあることを考えなければいけないと思います。5~40人が確実にガンに
なるという事実。誰かが電力のために犠牲になるという点です。あなた方
5~40人は10万人のために犠牲になってくださいという考えがここにある。

もう少し分母を大きくしてみましょう。100万人ではこの数は50人から400人に
なります。1億ではどうか。5000人から4万人にもなってしまう。
つまり日本の交通事故死者の数を超える人数なのです。

私たちは、交通事故死の報を聞いたときに、交通事情を守るためのやむを得ない
死だと捉えるのでしょうか。そうではなく、その都度、痛みを感じます。そして
交通事故死が少しでも減ることを願います。

これと同じことを考えなくてはならない。10万人に5人ぐらいから40人ぐらい
ガンになっても構わないという風には、私たちは日常的にも考えてはいないのです。
ここにはいわば確率論的なトリックがあります。

これに対して細川先生は、常に犠牲になる側、5人、ないし40人の側に
しっかりと立って、考えておられるのだなと感じました。同時に、原子力政策が、
少数の犠牲はやむを得ないと非常に安易に考えて成り立っていることも
より見えてきました。

犠牲があることを前提にしている。そのため現在のような非常時に
なると容易に、その枠を拡大し、許容値も緩和されてしまいます。
(現在非常時に働く人の被ばく許容値が、100ミリから250ミリに大きく緩和
されています)

いや事故を起こさなくても、原発は点検などのときに、たくさんの被ばく労働者
を産みながら運転されてきている。被ばく者を作りながら動いてきたのが
原子力発電なのです。

この点、僕も考えの中に甘い点がありました。その点を踏まえて、放射線
被ばくから身を守る術を書き直しました。お役に立てば幸いです・・・。


*****************************

放射線被ばくから身をまもろう 
(2011年4月15日)

みなさま。

福島第一原発では、懸命の復旧作業が続けられていますが、残念ながら
まだ危険な状態が続いてます。最近では、原子炉を収めている格納容器の
中に水素がたまり、水素爆発が起こってしまう危険性が生まれています。

窒素を注入して、爆発を未然におさえる努力が進められていますが、原子炉格納
容器内の放射能を含んだ水蒸気が外に出されています。続けて2号機、3号機でも
にも行われる予定で、1号機よりもたくさんの放射能が出てくると心配されています。

今回の事故では最初の数日間の間に、チェルノブイリ事故の10分の1にもあたる
たくさんの放射能が漏れだしました。しかし政府も、経産省保安院も、東京電力も
私たちに教えてくれませんでした。

今、起きている放射能漏れについても、情報が充分に伝わってきていません。
漏れている放射能が多くなると、気候次第で、みなさんの街に流れてくる可能性
があります。このためここで放射能から身を守る方法を、まとめたいと思います。


放射能・放射線とは何か。被ばくはどのように起こるのか

放射能とは、放射線を発する能力を持った物質のことです。放射線には主なものに
アルファー線、ベーター線、ガンマー線、中性子線があります。私たちの身体の
細胞を傷つけ、健康被害やガン、遺伝的な悪影響などをもたらすことがあります。

放射線は、出ているところからの距離の2乗に反比例して、威力が減ります。
距離が2倍になれば、威力は4分の1に、4倍になれば16分の1になります。このため、
放射線源からできるだけ離れるた方が害が少なくなります。

反対に近づけば近づくだけ威力が増します。距離が半分になれば威力は4倍に、
4分の1になれば16倍になります。放射能が身体の中に入ってしまうと、
距離がごく小さくなるため、少ない量で、大きな害がもたらされます。

このため、被ばくは、外部被ばくと内部被ばくに分けて考えられます。
外部被ばくは外から飛んできた放射線にあたること、内部被ばくは、
呼吸や飲食などで、体の中に放射能が入り、被ばくする場合を指します。


放射能はどのように運ばれてくるか

放射能は気体であったり、微粒子であったりしますが、空気中のチリなどに
くっつき、風で運ばれてきます。雲にもくっつき、雨が降ると、水滴と一緒に
なって地上に落ちてきます。水の中にも入り込んでいきます。

原発からの距離がそのまま汚染の度合いに重なるわけではありません。汚染は風で
放射能が運ばれていく地域に広がり、雨が降ったところで強くなります。原発に
近くても、雨雲が通り過ぎたところの方が汚染が低い場合もあります。

放射能が大気中に出てきた時は、天気に注意する必要があります。大事なのは
風向きです。自分のいるところが風下に入っている場合は、放射能を含んだ風や
雲の接近に要注意です。各地の放射線モニタリングポストの値を注意しましょう。

雨が降った後は、水の流れに沿って放射性物質が集まりやすくなります。浄水場に
これらの水が流れ込むと、急に濃度が高くなります。放射能はものにもくっつきます。
そのものが移動することで、運ばれることもあります。


放射線被ばくをさけるために

放射能が流れて来ている場合には、参考になるのは花粉症やインフル対策です。
まずは可能な限り、外出を控え、部屋の中にいる用にしましょう。換気扇やエアコンも
使わず、家の密閉性を高めましょう。隙間風テープなども有効です。

外出が必要な時は、必ずマスクを着用してください。キメの細かいものほど
いいです。また目や擦り傷、切り傷などからも体内に入らないように注意します。
帰宅したら、手洗い、うがい、着替えをこまめに心がけましょう。

また身体もすっぽりと包むようにしてください。髪の毛も覆ってください。
ビニール合羽で身体を覆い、使い捨てるのが理想ですが、合羽の上から
ビニール袋をもう一重かぶり、使い捨てるのも一つの手です。

雨には特に注意してください。降り始めが濃度が高いです。足元や靴にも気を
つけて濡れないようにしてください。また濡れたものは家の外で洗い流し、中に
持ち込まないようにしましょう。


避難所ではどうしたらいいのか

避難所でも、より被ばくをさけるいろいろな工夫を重ねることができます。大切
なのは、放射能を含んだチリが舞っている時は、外での活動を控えることです。
とくに食べ物の分配に注意し、屋内で行えるための準備を進めてください。

避難所はたくさんの人が常時、出入りするので、密閉性を高めることはできま
せんが、入り口のカーテンを二重にすれば、外気が入りにくくなります。靴の泥も
良く落とすように工夫し、外から持ち込まれるものを少なくしましょう。

やはり雨には要注意ですが、合羽が手元にない人がすぐに使えるように、
ビニール袋を出入り口におき、即席の合羽とすると良いです。タオルも用意し、
濡れた人をふいてあげましょう。

避難所ではみなさん、疲れがたまっているので、あまり神経質に被ばくだけを
避けようとすると、お互いの気持ちのズレが生じてしまいかねません。この点にも
注意して、それぞれに可能な工夫を重ねてださい。


放射能はどれぐらいから危険なのか

被ばくを有効に避けるためには、一方で、放射能がどれぐらいから、どれだけの
危険性があるのかを知っておくことも大切です。私たちの周りには、自然界から
発している放射線もあり、私たちには抵抗力もあると考えられています。

被ばくを避ける目安になるのは、国が定めている私たち一般人が浴びる許容線量が
あげられます。1年間に1ミリシーベルトです。シーベルトは、いろいろな放射線が
人間の身体に及ぼす影響を概算したものです。

1ミリシーベルトを浴びると、長年経ってからガンになる確率が10万人に5人から
40人の割合で生じます。この確率は、浴びる放射線総量が高まるにつれて上がって
いきます。そのため1ミリシーンベルト以上、浴びないようと法律が定めています。

こうしたガンになる確率が低い値から生じることが、「にわかに健康に
被害はない」というアイマイな言葉を生む根拠になっています。にわかでは
なく、長年たったら被害がでる可能性があるのです。


放射線被ばくの影響には年齢と個人差が

ただし、この値は成人の平均値であり、乳児や子どもはもっと低い値でもより
高い影響が出ると考えられています。どれぐらいの違いを見込むか意見が分かれて
いますが、大人の10分の1から3分の1ぐらいの幅だと考えられています。

またお酒に強い人と弱い人がいるのと同じように、放射線に対しても感受性の
強い人と弱い人がいることも考えておく必要があります。人によって
ガンになる確率が高くなったり、低まったりするのです。

テレビやマスコミで流れている放射線への対処の情報には、この個人差
が無視されています。また100ミリシーベルト以下では健康に害がないと言う
人すらいますが、全く間違っています。浴びないにこしたことはないのです。

またそのわずかな確率も人の感受性によって上下します。とくに乳幼児や子ども、
妊婦さんとお腹の赤ちゃんは、感受性が高いので、最優先で守る必要があります。
より年齢の高い方に、子ども、若い人たちのガードに回っていただきましょう。


放射線量で測れるのは外部被ばくのみ

また空間に飛んでいる放射線量で測れるのは、外部被ばくの量だけで、内部
被ばく量は測れないことを知っておく必要があります。空間に放射線が多く
観測されるときは、チリになった放射能も飛んでいます。

マスクなどで吸い込むことを減らすことができますが、全部を排除するのは
難しいので、ある場所で、ある値の放射線が出ている場合、どうしても
一定のものは吸い込んでいると考えた方が良いです。

実際にはどのような放射能を吸い込むかによって、身体が被る影響が違い、
量的に測ることが難しいのですが、ここでは概ね空間線量の2倍ぐらいの量が、
身体に入ってきていると考えましょう。

つまり1時間に10マイクロシーンベルトのところにいれば、20マイクロシーベルト
ぐらいを体内に取り込んでいて、被ばく量は30マイクロシーベルトになると
考えると良いということです。これは非常に大雑把な把握です。


放射能と前向きに立ち向かおう

一方で見ておくべきことは、放射線被ばくの害は、総量50ミリシーベルトぐらい
まででは長年経ってガンになる確率がだんだんに上がっていくことにあり、ガンに
ならない確率の方が高くあるということです。

つまり、被ばくしたら何もかも終わってしまうわけではけっしてありません。
その意味で、恐れすぎないことも大事です。放射線が細胞を傷つけても、人間の
身体には再生能力があり、修復が可能です。

ガンに対しても、医療の進歩によって、たくさんの治療法が開発されています。
ガン患者の方々の闘病記の積み上げもあります。ガンにならないための方法も、
たくさん提唱されています。他の危険な物質を避けることもその一つです。

また実はガンの大きな因子は、ストレスです。このため周りの人々と温かい絆を
保ち、前向きな気持ちを作っていけば、この大きな因子を取り除くことができます。
その意味で、周りの人々と助け合って生きて行くことが、放射能の害を防ぎます。


まとめます。

恐れからではなく、勇気をもって立ち向かう気持ちで、放射線被ばくに対応して
いきましょう。そのために放射線がどのようなものかを学び、どれぐらいから
危険が生じるのかを把握し、みんなで助け合って、お互いを守っていきましょう。

とくに間近に迫っている窒素注入による高濃度の放射能の放出では、再び、野菜の
汚染が高まったり、飲料水の制限がでたりする場合があります。ミネラルウォーター
の需要も高まるので、子どもさんのおられる家庭は、事前に買っておいて下さい。

あるいは少し前に、家のやかんやポットなどなどに水を満たしておくのも良い手です。
放射能は少しでも体内に入れないに越したことはないからです。またそうした行為は、
より大きな爆発などが起こった時の予行演習にもなります。

反対に、基準値を超した水しか手元に入らなくなった場合、その水を飲まずに、
脱水症状になる方が、赤ちゃんや子どもさんに危険であることも知っておいて
ください。被ばくを恐れ、他の大きいなリスクを背負わないようにしてしてください。

どうかみなさま。
強く逞しい気持ちで、放射能汚染と立ち向かっていきましょう。
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明日に向けて(44)炉内からどのような放射能が放出されたのか

2011年04月15日 03時20分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110415 03:20)

今宵はどうしても気になる記事がもう二つあるので紹介します。

一つは1号機から3号機の中の解けた燃料が、細かい粒子状になって、原子
炉のそこに溜まっているという分析が、日本原子力学会から明らかにされた
ことを告げる記事です。

これはすでに予想されていることではありますが、深刻な内容を含む分析
です。なぜならセラミックに焼き固めて中に放射能を閉じ込めているはずの
燃料ペレットが粉々になっていることを意味するからです。

また「沢田隆・原子力学会副会長は「外部に出た汚染水にも、粒子状の溶融
燃料が混じっていると思われる」と説明した」とも記されており、細かい粒子と
なった固形の放射能が、外に漏れ出していることがうかがわれます。

この間の一連の動きから言えば、当然にもこれが海に流れ込んでしまっている
可能性が考えられます。海洋汚染では、ヨウ素やセシウムばかりが問題と
されていますが、燃料ペレットが粉々になった粒子には、非常に多くの種類の
放射性物質が含まれています。もちろんその中にはウランや、プルトニウムも
含まれています。それらを含む、燃料ペレットが粒子となって流れ出てしまって
いるわけです。

一方、記事には、3号機では燃料棒が冠水しているが、1,2号機では露出して
いると記載されています。東電が出している各炉のぱパラメータでは、長らく
露出の可能性が示されていて、この点と矛盾するのですが、同時に冠水して
いるというのは、炉内の温度が250度まで上がっているという、先ほど示した
事実とも矛盾するように思えます。

炉内で何が起こっているか分かりませんが、ともあれ、今後も、さらに
粒子となった燃料ペレットが外に出続ける可能性が高いと言えます。


さらに次の記事では、「経済産業省原子力安全・保安院は14日、福島第一
原発1~3号機から事故で大気中に放出された放射性物質は、炉内にあった
量の1~2%という推定値を公表した」と書かれています。

これほど膨大なものが出て来ているのに、まだ炉内の1~2%に過ぎない
というのは何ともため息がでる感じがします。まだまだ膨大な量が炉内に
あり、その炉の密閉性が破られているからです。これからも、ゆっくりと、
長く、大量の、放射能漏れが続きそうです。

またこの記事には、
「推定値は主な放射性物質としてヨウ素とセシウムを分析したもので、ヨウ素
131が約2%、セシウム137が約1%だった。」
「保安院によると、事故前に1~3号機の炉内にあった放射性物質は、
ヨウ素131が610万テラベクレル(テラは1兆、ベクレルは放射能の単位)、
セシウム137は71万テラベクレルだったという」
とも書かれています。

そうなると、ヨウ素の放出量は、約12万テラベクレル。 セシウムの放出量は
7000テラベクレルだったことになります。
ところが保安院は、すでに、この時期に全体で37万テラベクレルの放射能が、
大気中に放出されたと発表しているわけで、そうなると、残りの約24万3千
テラベクレルの放射能は何だったのかという疑問が生じます。

このうち、相当量が燃料プールからも放出されたと考えられますが、
それは炉内のものの倍もあったのでしょうか。
またその内訳は何なのか。ヨウ素、セシウム以外に大量に出ているものは
なかったのか。それらは計測されているのかなど、疑問が深まるばかりです。

ともあれ確実なのは、ヨウ素、セシウムにとどまらない、さまざまな放射能
が外部に出て来ているということです。

この大量に続く放射能汚染と、立ち向かっていく必要があります。

*******************************

溶融燃料「粒子状、冷えて蓄積」1~3号機分析
2011年4月14日22時44分 読売新聞

 注水冷却が続けられている東京電力福島第一原子力発電所1~3号機
について、日本原子力学会の原子力安全調査専門委員会は14日、原子炉
などの現状を分析した結果をまとめた。



 3基は核燃料の一部溶融が指摘されているが、専門委は「溶融した燃料は
細かい粒子状になり、圧力容器の下部にたまって冷えている」との見解を示した。

 専門委では、東電や経済産業省原子力安全・保安院などが公表したデータを
もとに、原子炉の状態を分析した。

 それによると、圧力容器内の燃料棒は、3号機では冷却水で冠水しているが、
1、2号機は一部が露出している。1~3号機の燃料棒はいずれも損傷し、
一部が溶け落ちている。溶融した核燃料は、冷却水と接触して数ミリ以下の
細かい粒子に崩れ、燃料棒の支持板や圧力容器下部に冷えて積もっていると
推定している。これは、圧力容器下部の水温が低いこととも合致している。
沢田隆・原子力学会副会長は「外部に出た汚染水にも、粒子状の溶融燃料が
混じっていると思われる」と説明した。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110414-OYT1T00938.htm

放射性物質放出量、炉内の1~2% 保安院が推定値公表
2011年4月15日0時34分 朝日新聞
 経済産業省原子力安全・保安院は14日、福島第一原発1~3号機から事故
で大気中に放出された放射性物質は、炉内にあった量の1~2%という推定値
を公表した。多くの放射性物質がまだ原子炉内に残っていることになる。

 推定値は主な放射性物質としてヨウ素とセシウムを分析したもので、ヨウ素
131が約2%、セシウム137が約1%だった。12日に今回の事故の国際的
な事故評価尺度(INES)を旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」
(深刻な事故)に引き上げる根拠になった。当初、放出量だけしか
公表しなかった。

 保安院によると、事故前に1~3号機の炉内にあった放射性物質は、
ヨウ素131が610万テラベクレル(テラは1兆、ベクレルは放射能の単位)、
セシウム137は71万テラベクレルだったという。

 1~3号機では原子炉圧力容器や格納容器につながる配管や弁などの
すき間や、破損した部分から放射性物質が外部に漏れ出たとみられている。
地震後間もなく、炉内の蒸気を外に逃がして圧力を下げるベント(排気)作業
でも放出された。

 セシウム137の放射能が半分になる時間(半減期)は約30年だが、ヨウ素
131は8日と短く、当初よりも相当減っていると見られている。

 日本原子力学会の調査専門委員会が14日に発表した分析では、1~3号
機の炉内の核燃料は、一部がいったん溶けたうえで冷えて固まり、圧力容器
の底に数ミリほどの粒子になって積もっているという。(小堀龍之、竹石涼子)
http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201104140489.html
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明日に向けて(43)3号機の原子炉温度上昇、2号機地下水の放射能濃度17倍に

2011年04月15日 02時40分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110415 02:40)

今宵、福島原発2号機、3号機での異変が次々と伝えられてきています。

まず3号機から見ていきますが、朝日新聞によれば、原子炉内の温度が
だんだん上昇しているとのことで、記事には「原因は不明だが12日に
約170度だったのが、13日に約200度、14日に約250度に上昇した」
と書かれています。

この原子炉の設定限界温度は約300度です。250度はそれに迫る温度であり、
しかも原因不明のままにだんだんあがってきているので、危険が増している
と言えます。

またそもそもこの原子炉は、圧力容器の気圧が、大気圧とほぼ同じに
なってしまっている。要するにすでにどこかが壊れていて、密閉性が
破られてしまっているわけです。その壊れた炉で、約300度が限界温度と
言えるかどうか、強い疑問が残ります。

ともあれ、3号機の様子をウォッチしていく必要があります。


さらに2号機では、地下水の放射能汚染濃度が、1週間前に比べて
17倍にも跳ね上がっていることが報じられています。これも原因不明です。
この2号機も、原子炉の気圧が大気圧と同じになっており、密閉性が
失われてしまっている。

そこから何らかの要因で、より高い濃度の放射能が漏れて来ている可能性
もあります。その場合、なぜそれが起こっているのか、原因が特定できない
だけに、さまざまな危険性が推論できます。

2号機もウォッチを続ける必要があります。


もうひとつ、記事にはありませんが、1号機については、水素爆発の
危険性回避ということで、窒素注入が行われているはずですが、これに
関するその後のデータが公開されていません。

2.5気圧を目指したのに、1.95気圧以上、気圧が上がらなくなり、1000立方
メートル前後の窒素と水蒸気が漏れ出したことが4月11日に伝えられて以降、
情報がないのです。放射線量計も9日に、線量の大幅な上昇を記録して
以降、情報が途絶えています。はたして1号機はどうなっているのでしょうか。

また窒素注入は2号機、3号機にも行われると発表されました。枝野長官は
「水素爆発の可能性を限りなくゼロにするため」と記者会見で述べましたが、
そうすると、窒素注入が行われいない現状では、低いものとはいえ、
水素爆発の可能性があるのでしょうか。この点もまったく不透明です。

ともあれ、1号機から3号機までまったく予断を許さない状態にあります。
これは4号機プールについても言えることです。

この点に踏まえて、ウォッチを続けます。

****************************
福島原発3号機、原子炉温度が上昇 原因は不明
2011年4月15日0時41分 朝日新聞

 経済産業省原子力安全・保安院は14日、福島第一原発3号機の原子炉内で
温度が上昇傾向にあると発表した。原因は不明だが12日に約170度だった
のが、13日に約200度、14日に約250度に上昇した。計測機器が地震に
よって破損している可能性があり正確な値を示しているかはっきりしていないが、
温度が上がっていることは確かだとみられている。今後、炉内への注水量を
調整して温度を下げる見通しという。
http://www.asahi.com/national/update/0415/TKY201104140523.html

地下水の放射能濃度、1週間で17倍に 2号機周辺
2011年4月15日1時16分 朝日新聞

 福島第一原発2号機周辺の地下水に含まれる放射能が、1週間前に比べて
17倍の濃さになっていた、と東京電力が14日発表した。2号機では高濃度の
汚染水がタービン建屋地下や外の坑道にたまっており、しみ出た可能性もある。
経済産業省原子力安全・保安院の指示で今後、週に1回の計測を3回に
増やし、警戒を強める。

 東電は13日に1~6の各号機の周囲に付設した井戸で水を採取し分析した。
その結果、2号機ではヨウ素131が1ccあたり610ベクレル検出され、6日の
36ベクレルに比べて17倍になっていた。1号機も400ベクレルで6倍と
ほかに比べ濃かった。

 2号機では、外の坑道にたまった水から毎時1千ミリシーベルト以上と高い
放射線量を計測。この水が取水口付近にある作業用の穴の亀裂から海へ
流れ出していた。6日に止水し、一部はポンプでくみ出したが、大部分は
残っている。

 東電は「止水で行き場が無くなった水が地下で回り込んでいる可能性も
ある」と説明している。

 他号機の放射能の濃度は横ばいか減少で、十数ベクレル~1ベクレル
未満だった。これらは周囲に飛散した放射能が雨などで地下に浸透した
可能性がある。
http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201104140463.html
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