明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1562)反核サマーキャンプ(ナルボンヌ)で原爆被害の真実を伝えました!

2018年08月09日 16時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180809 16:00 ナルボンヌ時間)

連投をお許しください。
 
● 原爆と被爆の真実を伝える
 
前回の続きです。日本からの参加者による素晴しい奉納の時間を受けて、次に設定されたのが僕の講演でした。今回のキャンプのオープニングのプレゼンでした。タイトルは「隠された原爆被害と核をめぐる日本の現状」で、僕が語ったのは1つに「原爆と被爆」の真実でした。
ここで「原爆」と「被爆」をあえて分けるのは、まずは原爆投下が広島においては人々が通勤ラッシュで広島市内に最も集まり、なおかつ建物の外にいる時間を狙って投下したことを各国のみなさんに伝えたからです。
 
原爆投下は人体実験でした。原爆投下そのものが許しがたい戦争犯罪ですが、さらに効果を最大限にし、できるだけたくさんの人々を殺し、苦しめ、その「成果」を図ることを狙ったのが8時15分の投下だったのでした。
長崎へは当初の投下目標の小倉を断念したたため時間が11時02分となりましたが、しかし人体実験としての犯罪性は少しも変わりませんでした。
 
同時にきちんと伝えたのが隠された「被爆」ないし「被曝」の真実でした。
原爆の被害はアメリカによって極めて小さく切り縮められました。核戦略を維持し、核実験を続けるためでした。
テクニックは極めてシンプルで、被曝を外部被曝に限定し、内部被曝を無視することでした。それが現代の放射線防護学の基礎にもなっています。
 
その上で、つまり世界を騙した上で米ソ、そしてイギリス・フランス・中国が繰り返したのが核実験でした。このため大気圏内核実験などで繰り返し世界中の人々が被曝させられました。だから「ヒバクシャとは誰なのか」と言えば、みなさんすべてなのです。この話に多くの参加者が首を立てに振って共感の思いを伝えながら聞き入ってくださいました。
 
● 日本の人々はかつて騙されたけれども、いま覚醒をはじめた!
 
その後に話したのは日本の人々が原発に騙された歴史と福島原発事故後の反原発・脱原発運動の高まりでした。
核実験に対して私たちの先達はビキニ環礁での第五福竜丸の被曝を契機に大きな運動を起こしました。中心になったのは女性たち、母親たちでした。この流れの中で第1回の「母親大会」も開かれ、その動きが世界に広がって1963年までに米ソとイギリスが大気中核実験の実施を断念しました。
 
しかし核戦略の生き残りを図ったアメリカは"Atoms for Peace”と言い出しました。「原子力の平和利用」です。残念ながら私たちの先達はこれに騙されてしまった。そして総数で59基もの原子炉が作られてしまったのでした。この悔しい歴史を、いずれも原子炉で動いていると想定された「鉄腕アトム」や「ドラえもん」などを示しながら話ました。
 
しかしこの関係性がついに大転換したのが福島原発事故後の民衆の立ち上がりでした。これを促進したのは多くの人々が被曝を実感したからでした。政府は安全宣言をしているけれど被害は東京でもたくさん確認されています。
今回はこのことを三田茂医師の取組みを紹介する中で語りました。三田さんが年頭に出された論文「新ヒバクシャに能力減退症が始まっている」を細かく紹介しました。
 
こうしたことを背景にしつつ各地でデモが起こり出し、やがて首相官邸前に20万人が集まり、それが各地に広がって金曜行動が取り組まれ、いまや各地で300回を迎えています。
これを播磨の方達の関西電力姫路支店前の行動などを例に語りました。というのは昨年7月のドイツ・デーベルンでの反核サマーキャンプに参加した時、ちょうど播磨の行動が250回目を迎えて、紹介したからでした。「あれから一年、このデモは300回目を迎えました」と二つの行動の写真を示して語ると共感の声が起きました。
 
● 原発メーカーの瓦解は止まらない。いま大事なのは被曝の真実をさらに明らかにしシェアすること
 
最後にこうした私たちや世界の人々の努力のもとで東芝、そしてアレバなど原発メーカーが疲弊しきって崩壊局面にあること、もはやこの流れは止まらないことを明らかにしました。
しかしまだ残っているのは放射線被曝に対する過小評価です。このことと核兵器の存在がリンクしており、これがチェルノブイリや福島のヒバクシャ、さらにはウラン鉱を掘らされて来た各地のヒバクシャの被害の過小評価がリンクしています。
 
この現状をともに変えなくてはいけない!それでこそ本当の平和をつかみろとう!
そのために民衆に力を!Power to the People!
と話を締めくくりました。
 
これまで海外に出て十分には出来なかった被曝被害の実相についての説明を行えたと思います。
 
次回からこの発表原稿をみなさんに紹介します。
また新しく作ったホームページに日本語原稿、英文原稿、スライドなども載せ、参加者に振り返ってもらったり、新たな方に紹介してもらったりするつもりです。
 
続く
 
***
 
今回の旅のためのカンパをお願いしています。よろしくお願いします。

振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14440 番号50074231
他の金融機関からのお振り込みの場合は
店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金 口座番号 5007423

 
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明日に向けて(1561)ナルボンヌで原爆犠牲者への祈りを捧げ、平和への思いを共にしました!

2018年08月09日 15時37分10秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180809 08:30 ナルボンヌ時間)

みなさま。今日は長崎原爆投下の日です。
慎んで犠牲になった方々の霊に哀悼の意を捧げたいと思います。
同時に核の火をこの世界から無くして行く決意をあらためて明らかにしたいと思います。
 
日本から来られた多彩な方と一緒にキャンプに参加
 
8月4日にいろいろなことを経てナルボンヌに辿り着きました。
5日の午前中はキャンプ地設営を少し手伝ってからこの日から数日の予定で借りたホテルに移動、そこで今回キャンプに参加して下さる日本からの参加者の方々と合流しました。といっても一人はフランス人高校生のエリザさん。日本留学中にキャンプのことを知り、ちょうど夏休みで帰国するからと参加してくれました。
 
日本から駆けつけてくださったのはプロフラダンサーのAyumi Kekamalkamalukoaさん、映画『ホピの預言』を携えてきてすでにポーランドで素晴しいフェスティバルのもとでの上映会を実現してきた辰巳玲子さん、シュタイナー学校の校長先生を32年務められ、やはりオイリュトミーという素晴しいダンスを踊られるはたりえさん、針灸師であると同時に「たんぽぽ舎」の一員として反原発運動を担われきた坊理可さん、日本山妙法寺の池田寛信上人です。もちろん上人はお太鼓をお持ちです。
さらに6日には沖縄大学の吉井美知子さんと夫でベトナム人のチャン・ヴァイ・ソイさんが加わり私たちの参加者は9人になりました。
 
8月6日、原爆犠牲者の霊に奉納の祈りと舞を捧げました!
 
その私たちグループから6日に大事な催しをみなさんに提供することができました。
1つは原爆犠牲者の霊に奉納するパフォーマンスです。
まずは池田上人が登場。祭壇を作りお太鼓とともに「南無妙法蓮華経」を唱えました。僕も唱和しました。続いて上人が妙法蓮華経の一説を奉納してくださいました。
続いてAyumi Kekamalkamalukoaさんが神に捧げる古典フラを披露してくださいました。祭壇の前に座り、力強く太い声で歌いながら上半身を右に左にと揺らしながら踊りを奉納してくださり、続いて私たちが見慣れている現代フラも披露してくださいました。
さらに、はたりえさんがオイリュトミーというダンスをクラシックミュージック、バイオリンに合わせて踊られ、奉納してくださいました。なにもかも包み込むような踊りで三人のパフォーマンスを締めて下さいました。
 
最初と最後に三人をキャンプに誘ってくださった辰巳玲子さんが英語で説明を行い、これをエリザさんが適宜フランス語に通訳してくれました。
全体で40分あまりでしょうか。参加してくださったみなさんが一様に「奉納」の輪の中に入って下さり、ヒバクシャに強い思いを寄せてくださっていることが分かりました。中には涙を流されている方も。みんなで被爆の痛みを分かち合い、苦しんだ方々に思いを寄せ、そしてただひたすら平和を願う気持ちを作り出すことができたのではと思います。このパフォーマンスが今回の反核サマーキャンプ2018のオープニングとなりました。
 
続く
 
***
 
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