明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1564)世界の人々と話していると核問題が共通の課題であることが強く見えてくる!−2

2018年08月11日 09時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)
守田です(20180811 09:30)
 
● アメリカ(ニューメキシコ)の友は原爆投下を謝罪してくれた
 
このほかの参加者はアメリカのニューメキシコ州から今回も参加して来たレオナ・モーガンさんといつも行動を共にしているアイリーンさん。2人は今日の夕方に「ニュークリア・コロニアリズム」と題した講演を行います。
レオナさんは実は兵庫県篠山市に僕を誘ってくれた玉山ともよさんと親しい仲。僕とも合うたびに互いの信頼関係を深めてくることが出来ました。
今回は日本からのグループの半分が去る日に「ぜひみなさんとお祈りの場をもちたい」とナバホ(ディネ)の伝統的な祈りを共にしてくれ、さらに原爆投下に対するアメリカ人としての謝罪を語ってくれました。
僕は「とても嬉しいけれど、でも一番最初のヒバクシャはディネの人々だよ」と語りました。
考えてみればこれは僕が「アメリカ人」からきちんとした謝罪の言葉を丁寧に受け取った初めての体験になると思います。それがインディアンのレオナであることに深い意味を感じました。
 
● いつも行動を共にしてきたトルコの仲間と再会!
 
トルコからはやはり前回に続いてプナール・デミルジャンさんが参加して、トルコの反核運動の現状を話してくれました。プナールさんとはトルコでの講演の旅を4回、さらにポーランド、ドイツ、パリ、ナルボンヌと4回の国際会議、それに加えて東京での行動をともにしてきたことになります。僕がもっとも強い国際的な連帯を作り出してこれている心強い仲間です。
トルコの状況はいまとても厳しい。政府に逆らう人々が次々とまったく不当に逮捕されています。毎年4月にシノップで行われているチェルノブイリの日の大きな集会も、なんと前日に中止になりました。
そんな中でもプナールさんはすべての生き物の命に襲いかかる原発に反対し続けています。プナールさんの深い基づいた行動です。
トルコでのすべての原発建設を停めるため、これからも彼女と一緒に頑張り続けたいです。
 
● スペインの女性たちが「エコフェミニズム」を提起!
 
スペインからはヨランダ・ピカソさんともう一人が参加しました。2人とも女性です。
スペインの方たちはポルトガルの方たちとMIAという組織を作っています。
2人は昨日、講演しましたが、タイトルは「反核運動に対するエコ・フェミニズムからの視点」でした。
彼女達が強調したのは、自分たちの国でもヨーロッパの多くの国でも政治の中心は男性達が牛耳っていること。とくに核産業は社長が男性ばかりなこと。それどころか反核などの社会運動でもしばしば男性たちが中心になって女性たちが脇に追いやられていることでした。この状態を変えないと核の問題も解決できないということです。
2人の発話後に「ぜひ参加者全員の声を聞きたい」とのことで、それぞれが一言ずつ話しました。僕は日本軍性奴隷問題に関わって来ていることを紹介し、「核兵器や核エネルギーは暴力と差別の象徴だと思う。だから今日はこの場に参加できてとても嬉しい!」とコメントしました。
 
● 各国からの話を聴いていると核の問題は世界の共通の問題であることが見えてくる
 
このほか今回はベルギーのレオさんも参加されました。ベルギーはドイツ・フランス・オランダなどと国境を接していて国境付近に原発があります。これはベルギーに限ったことではなく、ヨーロッパの国々はどこもより国境地帯に多くの核施設を建てています。
しかしこのことは国境をとっぱらってしまうと多くの原発がヨーロッパの都市と都市の真ん中にあることが見えて来ます。ベルギーの方の話を聴いていて、どの国の原発の問題も自分たちの問題だということがストレートに見えて来ました。
 
インドからもパリの反核社会フォーラムに参加した女性が参加してくれました。でも前回参加し、パリでの今回のサマーキャンプに向けた準備会にも参加していたクマール・スンダラムさんが残念ながら不参加。どうも何人かと一緒に来ようとしていたのにビザが下りなかったらしい。詳しいことはよく分からないのですが。。。
 
ロシアからも前回に続いてアンドレさんが参加されました。残念ながら彼の講演は聞き逃したのですが、そのアンドレさんも参加する放射性廃棄物に関する国際セッションがかなり面白かったです。
レオナさんがコーディネートし、フランス人の女性、ドイツ人のファルクさんと放射性廃棄物問題に取り組んで来たヘニングさん、そしてロシア人のアンドレさんとアメリカ人のアイリーンさんが並び、さらにベルギーのレオさんが並びました。
ポイントだけ書くと、結局、廃棄物問題はどの国もまともな解決の方途などなく走って来てしまっている。ばかげたことが続いているのです。
ロシア人のアンドレさんが「ロシアは原発だけでなく核兵器まで持っているからそれだけ廃棄物も汚染も多い」と語り、となりに居合わせたアメリカ人のアイリーンさんと目が合って2人で「まったくう」というポーズをされたことが印象的でした。
 
この他の参加者としてはラテンアメリカの方、ペルーの女性とあとひとりはどの国の方でしょうか。また他の国からの参加者で僕が把握してない方もいるかと思います。
ともあれこんな感じで約10の国からの参加者が集って、たくさんのセッションを実現してきています。
 
キャンプはいよいよ大詰めで、明日の午前中の全体の振り返りで終わりますが、最後まで集中してプレゼンに参加し、たくさんのことをさらに学び、たくさんの方と結びつきたと思います。
 
続く
 
*****
 
今回の旅のためのカンパをお願いしています。よろしくお願いします。

振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14440 番号50074231
他の金融機関からのお振り込みの場合は
店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金 口座番号 5007423

 
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明日に向けて(1563)世界の人々と話していると核問題が共通の課題であることが強く見えてくる!−1

2018年08月11日 08時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180810 18:30 ナルボンヌ時間)

キャンプ6日目を迎えています。最終日の一日前です。
ここまで僕の講演や沖縄から参加の吉井さんの講演、そして日本から来たみなさんのパフォーマンス、映画上映などが次々実現してきました。また世界各国から来た仲間たちが次々と講演を行い、それぞれの問題意識を披露してくれています。
 
一昨日撮った集合写真をお見せします。日本からの参加者も入っています。僕はブルーフラッグを掲げたのですが、この写真では隣の人の手に隠れてしまった。「守田を探せ」に挑戦してみてください(笑)
 
 
● フランスの人たちを中心に約100人が参加!
 
参加者は総数では100人を超えたでしょうか。多い時で70人ぐらいがいたと思います。
中心を担っているのはやはりフランス人たち。それも地元ナルボンヌや近郊のモンペリエの人たちが多い。もちろんフランス各地で原発問題に取り組んできた方たちも集っています。地元も方たちのことはまた次回にお話しします。
 
それ以外の方で一例をあげると福島原発事故後、放射線測定などで福島に多大な貢献をしてくれた科学者と市民の組織CRIIRADに属するブルーノ・クレイヨンさんが参加して下さいました。僕の声かけに応じてくださったのです。作年11月の反核世界社会フォーラムinパリで出会ってからのことで、その後、日本の測定所の連帯組織である「みんなのデータサイト」の方とつなぐこともできました。
彼らは放射線測定の技術・資材をたくさん持っていて、緊急時の福島に高価な測定器をぼんぼん送ってくれ、さらに日本人をフランスに招き、10日間の講習までしてくれたのでした。今回もここナルボンヌのマルベジにあるウラン工場の危険性や、放射性物質を輸送する際の周辺に与えている危険性を、実際に運搬車や貨車に測定器をあてた結果を示しながら語ってくれました。
 
他にはビューレという場で核廃棄物処分場建設に反対し、ラディカルな行動を続けている方たちが報告に来てくれました。「ビューレの抵抗」という30分のビデオを持って来てみせてくれましたが、人々は建設予定地にある森を守ろうと森の中やさらには木の上に小屋を作り、そこに陣取って頑張っている。
時には警官隊と衝突し、ガス銃をうたれたり、放水車で水を撒かれたりというシーンもありましたが、果敢な抵抗をしていました。みなさん、誇らし気にこの報告をされていました。

● ニュークリア・ヘリテージ・ネットワークとは何かを説明
 
他の国からの参加者で多めなのはドイツ人たち。ニュークリア・ヘリテージ・ネットワークをたちあげたファルク・バイヤーさんももちろん参加しています。
彼はこの運動を2000年代の初めの頃から始めて来ました。おもにヨーロッパでの核廃棄物問題を中心に、フィンランドやバルト海周辺での積極的なアクションにも参加し、その後にだんだんと活動を拡大して、昨年は7月にデーベルンで反核サマーキャンプを行い、11月パリの反核世界社会フォーラムへのネットワークとしての参加を経て、今回のキャンプを組織してきました。「現在34カ国の方が参加しています」と各国の名を映し出しながら語ると、吉井さんの夫でベトナム人のチャンさんが「ここにベトナム人もいるぞ!」と発言。参加者は35カ国になりました。

ファルクさんが強調したのは私たちのこのネットワークは特定のリーダーや中心組織を行いネットワークであること。誰もが同じ立場で参加していくものであること。そこで核問題に関する様々な知識や行動に関する情報などを交換し合い、それぞれの現場への手助けになることを目指しています。僕もこの主旨のもとにこのネットワークに参加しています。
 
続く
 
***
 
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