守田です(20240601 13:00)
6月2日(日)午後2時から地震と原発についてお話します。長岡京市立産業文化会館にてですが、FacebookでLIVE配信も行います。詳しくは以下をご覧下さい。
「原発と晩ごはん2024-能登大地震から見えた原発の危険性」
https://www.facebook.com/share/8qdk8Ys7E33cxqaH/
● 老朽化、MOXを使いより劣化、蒸気発生器もボロボロ、燃料プールも満杯
5月29日、原子力規制委員会は高浜原発3,4号機の60年までの運転延長を認めました。心の底から抗議します。これは日本社会の滅びの道です。
高浜原発3,4号機運転延長認可を報じる福井放送 FBC
問題点を東京新聞が端的に論じているので引用します。
「高浜3、4号機は2015年4月に福井地裁、16年3月に大津地裁で運転差し止めの仮処分が決定し、稼働中だった3号機が史上初めて司法判断で停止した。仮処分を2度出された老朽原発が、今回の認可で延命することになる。
両決定はその後に覆されたものの、大津地裁は「避難計画にも疑問が残るなど、住民らの人格権が侵害される恐れが高い」と、今も積み残されたままの問題点を指摘していた。
高浜3号機は運転開始が1985年1月、4号機は同年6月。関電は昨年4月、運転延長を規制委に申請した。規制委は29日の定例会合で、60年運転を認める事務局の案に委員全5人が賛成した。
通常の核燃料より放射線が強いMOX(プルトニウムとウランの混合酸化物)燃料を使っており、原子炉圧力容器の金属の劣化が進んでいる恐れがある。事務局は検査の結果「問題はない」と説明した。
2018年ごろからは、老朽化が原因の可能性がある鉄さびで、蒸気発生器の伝熱管の損傷などが相次いで発覚。関電は蒸気発生器を交換する方針を示している。」
高浜原発3、4号機「40年超運転」認可 運転差し止めの仮処分2度の老朽原発を「延命」させる決定
https://www.tokyo-np.co.jp/article/330292
そう。もうこれだけで稼働させてはいけない。延長など論外です。
東京新聞がまとめた高浜原発の主なリスク
● 地震のことがあまりに分かってない時に建てられた!
さらに大事なポイントを付け加えます。高浜原発が地震のことをあまりに分かってない時に建てられてしまったことです。
これが能登半島地震で明らかになりました。なぜって能登に建設予定だった珠洲原発は、今回の大地震の震源地直近に建てられようとしていたからです。地震の知見がそれほど低かったのです。
北陸電力が珠洲市に立地の意向を打診したのは1975年夏。翌年76年1月に関西電力が珠洲市に1000万kWの大規模原発を北陸・中部両電力と共同で建設することを検討していると発表。
そして1977年3月に資源エネルギー庁が、黒瀬市長(当時)に対し、同市2地点で行った立地予備調査について「地盤が相当固く、原発立地には別段の支障がない」との判断を伝えています。後に大地震の震源地となったところをです。
高浜原発はこれより前に建設されています。1969年12月に1号機に対する設置許可が出され、1974年11月には営業運転を始めている。
つまり高浜原発も、地震に対する知見が非常に低い時に建てられたのです。しかも老朽化している。動かし続けるのは自殺行為です。
守田講演スライドより
● 福井原発銀座はひずみ集中帯の真上にある
地震学は今もとても未熟な学問で、分かってないことだらけです。どこで地震が起きるか、予測など立てれない。でも新たに分かってきたこともあります。その一つが「ひずみ集中帯」です。
日本列島は4つのプレートがひしめく強烈な地震地帯です。しかも太平洋側から来るプレートに常に押されて列島にひずみが生じ、そこで繰り返し「ひずみ集中帯地震」が起きています。能登半島地震もその一つと考えられています。
そのひずみ集中帯の中でも大きなものが、神戸から京都、福井原発銀座、能登半島、新潟と続き、北海道東部へと連なっています。ここでも何度も地震が起きて、原発と火力発電所が被災しています。
2007年中越沖地震では柏崎刈羽原発が、2018年9月北海道胆振東部地震では苫東厚真火力発電所が、激しく壊れました。柏崎刈羽原発は過酷事故寸前。この先、福井原発銀座も直撃され、とんでもない事故に至る可能性が大きくあります。
では「ひずみ集中帯」はいつごろから把握されたのか。なんと阪神大震災以降。日本の原発はほとんどその前に建てられたのです。だから危ないことは明々白々。
しかも原発の耐震性は驚くほど低いので、いわゆる大地震でなくても壊れてしまいます。実際に志賀原発は震源地から70キロ離れ、震度5強の揺れだったのに激しく壊れました。
2014年11月の長野県北部地震に際して「ひずみ集中帯」について説明するANN なが能登半島は範囲とされてなかった
● 内政の最重要課題が原発を止めること
こんなめちゃめちゃなことを続けさせていて良いはずがありません。原発の稼働強行は、日本社会の滅びの道です。
私たちはだからこそ、原発と再処理工場を止めることこそ内政の最重要課題であることを、しっかり踏まえなくてはいけません。
原発は一基だけでも日本の半分を壊滅させてしまう。そんなものが地震地帯の上で動いているのです。しかも長い放射線照射などによってボロボロになりながら。
仮に他のさまざまな課題を私たちが達成しても、その翌日に過酷事故が起きればすべて吹き飛んでしまう。だからこそ、最優先で原発を止めなくては。
そのために何が必要なのか。より詳しく6月2日に話します。
ぜひご参加ご視聴を!
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#高浜原発運転延長 #老朽原発 #MOX使用による劣化 #蒸気発生器もボロボロ #福井原発銀座 #ひずみ集中帯地震 #能登半島地震 #珠洲原発 #原発一基で日本の半分が滅びる #内政の最重要課題は原発を止めること
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