明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2415)原発は地震にものすごく弱いこと、それでも動かしているのは憲法違反であることを語りました!(長岡京市講演) 15日(土)に神戸市でもお話します!

2024年06月11日 18時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20240611 18:00)

日本列島は地震の巣、その上に地震にものすごく弱い原発が並んでいる

6月2日に長岡京市でお話しました。「原発と晩ごはん2024-能登大地震から見えた原発の危険性~大地震がせまってきている~」というタイトルでした。
facebookでLIVE配信し、アーカイブも含め675回再生されましたが、さらに編集しました。何はともあれご覧下さい。

能登半島地震はいろいろな意味で、原発の危険性を浮き彫りにしました。
一つに日本列島は何十年から何百年という割と短い周期で発生する海溝型地震の巣の上に乗っていること。
しかもそれを引き起こすプレートの圧力から列島にひずみ発生し、「ひずみ集中帯」で繰り返し地震が起きていること、今回の能登半島地震もその一つと思われることです。

二つにそんな中で、地震の耐震性が驚くほど低いこと。例えば2014年に大飯原発の運転差し止め判決を出して下さった元福井地裁裁判長の樋口英明さん宅は、ハウスメーカーが建てたものですが、耐震性は3400ガルあるそうです。
これに対し大飯原発は判決時に耐震設計基準が700ガルしかなかった。しかも裁判で被告だった関西電力は、なんと「700ガルを超えるような強い地震は、大飯原発の敷地に限っては将来にわたって来ない」と主張したそうです。
反対に言えば「700ガルを超える強い地震にも耐えられる。3000ガルだろうがそれを上回ろうが大丈夫」・・・なんてことは一言も発しなかった。言えなかったのです。そうなったら壊れることを分かっているのです。


もはや原発を動かすのは憲法違反だ

では原発が過酷事故を起こしたらどれほどの被害が出るのか。これには日本政府の試算があります。2011年3月末に原子力安全委員会近藤駿介委員長(当時)が行ったシナリオです。
それによれば、福島原発4号機核燃料プールの放射能がすべて大気中に漏れてしまっただけで、半径170キロが強制移住、半径250キロが希望者を含む避難ゾーンになるところでした。原発一基の破たんで日本の半分が壊滅するところだったのです。

だから私たちは原発を止め、安全な状態に移すことこそ内政の最重要課題であることを確認しないといけません。他のことでどんなに頑張って素晴らしい成果を重ねても、その翌日に過酷事故が起きたら全てが失われてしまうからです。
さらに今回、僕は強調したのは、地震の巣の上で、地震にすごく弱い原発を動かしているのは、憲法に反することだということ。
その説明に、NHKの連ドラ『寅に翼』の一シーンを使わせていただきました。私たちの先達は戦争の悲惨さ、哀しさの末にいまの平和憲法を手にした。その深い意義を、今こそ胸に刻む時だと思ってのことです。

憲法前文には次の二つの言葉が記されています。
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する」・・・そう。戦争だけでなく人為的な大災害も同じ。政府の行為によってそれらを起こさせないぞの決意こそが大事なのです。
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」・・・そう。それが人権なのだから、事故で日本の半分が壊滅する「恐怖」、それがもたらす「欠乏」を免れる権利を原発は侵害しているのです。

私たちはこの点をもっと強く主張しましょう。そもそも2014年の樋口判決もこの観点に立ちきったものでした。その点をもっともっと豊かに語らねば。今回、前半のハイライトでこのことを話しました。


守田の講演スライドより


6月15日(土)神戸市でお話します!

これらの観点に立ったお話を、神戸市でも行います。
『原発からの命の守り方2024~能登半島地震、珠洲・志賀原発、そして福島原発事故から13年の新事実を踏まえて~」というタイトルです。
午後1時半から3時まで。神戸学生青年センターにて。神戸市灘区八幡町4-9-22

主催は神戸市学生青年センター 0788913018
参加費1000円です。

またできればLIVE配信を行いたいと思っています。
原発からのみんなの命を守るために、あちこちで討論の輪を広げましょう!


#能登半島地震 #地震と原発 #志賀原発 #珠洲原発 #福井原発銀座 #福島原発事故 #原発稼働は憲法違反 #寅に翼 #平和憲法 #原発一基で日本の半分が壊滅

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