守田です(20181127 15:30)
京都市左京区養徳地区で配られている月刊紙『ようとく』に連載中の「原発から命を守るために」の6回目をお届けします。
● 政府は福島原発事故が最悪化した場合、半径250キロ圏にまで被害が及ぶと推測していた!
原発が事故を起こしたらどれぐらいまで被害が及ぶのでしょうか。この点で参考になるのは2014年に福井地裁が出した大飯原発運転差止判決です。
この時福井地裁は「原発から半径250キロメートル圏内に共住する原告166名の人格権との関係」で大飯原発の運転を禁止しました。地裁は事故が250キロメートルにも及ぶと断定したのでした。
根拠となったのは2011年3月25日に菅直人総理大臣から「福島原発事故が最悪化した場合をシミュレートせよ」という命を受け、内閣府原子力安全委員会委員長が作成した「近藤シナリオ」でした。
福島4号機燃料プールの放射能が全て出てしまうという想定で、原発から半径170キロ圏内が強制移住、東京を含む250キロ圏内が希望者を含む避難ゾーンになると想定されていました。
あの時政府はこれを私たちに隠しつつ対応策を検討していたのですが、福井地裁はこのシナリオを根拠に判決を出したのでした。
● チェルノブイリ原発事故の被曝被害は1000キロ圏を越えた!
ただし250キロというのも絶対的な数値ではありません。例えばトルコの黒海側のシノップに三菱重工とフランスのアレバ社が合同で原発を作ろうとしていますが激しい反対運動があります。
理由の一つは黒海沿岸部の人々がチェルノブイリ原発事故で激しく被曝しがん患者などが多いからです。その黒海沿岸部までチェルノブイリから1000キロ。
では京都市左京区から大飯原発までは何キロかというとわずか56キロです。高浜原発までは58.2キロ。
大飯原発差止判決が覆され運転が強行されているいま、私たちは私たちの人格権に基づいて、もう一度これらの原発を止めましょう。
図は大飯原発から京都市左京区の位置性 距離は56キロ。周辺に高浜、美浜、敦賀原発やもんじゅがある。
続く
#福井地裁 #大飯原発運転差止判決 #被害は半径250キロ圏 #原発再稼働反対
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