明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1622)東海第二「市民の安全安心を第一に考えれば再稼働はあり得ない」-10市町村+1が反対!( NNNドキュメンより‐3)

2018年11月18日 08時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181118 08:00)

NNNドキュメントの文字起こしの3回目です。

*****

NNNドキュメント首都圏の巨大老朽原発 再稼働させるのか(11月12日1時~2時放送) その3
https://www.dailymotion.com/video/x6x1slt

なお同番組の再放送が本日(18日)午前11時から行われます。11時30分までです。
BS日テレ 141チャンネルにおいてです。

茨城県44市町村のアンケートから

原発の再稼働のカギを握るのは地元の同意。今までは茨城県と立地する東海村の同意だけで済みました。
それが今年周辺5市にまで拡大。反対する自治体が1つでもあった場合は日本原電は話し合いを続けるとしています。

番組では茨城県44全ての市町村長にアンケートを行いました。質問は再稼働に賛成か反対か。そして避難計画は作れるか。
全ての市町村から回答を得ました。
再稼働に「賛成」と回答したのは常陸大宮市長のみ。
「科学的技術的見地から安全性について判断されることから国と原電の責任において再稼働すべき」

再稼働に「反対」と回答したのは赤で示した10の市町村。このうち7つは避難を受け入れる側の自治体でした。
理由は「市民の安全安心を第一に考えれば再稼働はあり得ない」「避難計画を策定しなければならない危険性がわずかでもあるのであれば再稼働をすべきでない」

そして残り33の市と町のトップは「どちらともいえない」と回答。再稼働への同意が必要とされる6つの市と村、全てが判断を保留しました。

一方、避難計画については「策定には大きな困難」「現実的に不可能」。
10の市町村のトップが困難さを指摘しました。

障がい者施設の場合は?

ここは原発から4㎞の場所にある障がい者施設。60人が入所しています。案内された先にあったのは放射能を取り除くシェルターでした

テロップ
「東海村 第二幸の実園」

一同
「いただきます」

事故が起きた場合障がいのある人は避難が難しいため数日間屋内にとどまることになっています。
福島の事故では高齢者や入院患者らが避難途中や避難後に亡くなりました。そのため今新たな対策が行われています。

記者
「すごい大っきなのが建って…」
村上さん
「あれが空気を浄化して入れ換えします」

この施設では国からおよそ2億円の補助を受けて空気を浄化できる装置を取り付けシェルターにしました。さらに1週間分の食料や水防護服放射線測定器も準備しました。

村上忠夫第二幸の実園理事長
「障害者だって生きる権利はあるんですよ。その時はやっぱり一般と同じように生き延びたい…。そういうのに我々も力を貸すその責務があるんですよね」
「(この浄化設備を)稼働してはいけない。最後は記念物にするのが一番いいんじゃないですか」

「安全対策」というけれど

東海第二原発は2021年3月の完成を目指して安全対策の工事を行っています。
津波対策では原発の三方を取り囲む高さ20mの防潮堤を建設する予定です。こうした工事にかかる1800億円は国の支援を受け経営再建中の東京電力などが支援します。

火災対策も行われますが審査では電源ケーブルが問題となりました。原発では中央制御室を中心に1000㎞以上ものケーブルが張り巡らされています
東海第二原発は古くに造られたためケーブルの防火対策がされておらず、火災が起こればケーブルを伝って建屋全体に燃え広がり原発をコントロールできなくなる危険性があります。
国は「燃え広がらない難燃ケーブルを使用する」という基準を作りましたが燃えにくいケーブルへの交換は半分にとどまり残りは代用品の防火シートで覆うことで審査に合格しました。
日本原電は「防火シートは燃えにくいケーブルと同等以上の性質を有するので問題はない」との回答を寄せました。

先月24日、番組アンケートで「どちらともいえない」と回答していた那珂市の市長が再稼働反対を正式に表明しました。
再稼働の同意が必要な6つの市と村の中で反対を表明したのは那珂市が初めてです。

海野徹那珂市長
「危険を承知で動かすというその神経が理解できない」

なぜ再稼働に向かうのか

再稼働に向け着々と準備を進めている日本原電。しかし「再稼働したい」と表明したことは一度もありません
運転延長が決まった今週水曜日。

記者
「「再稼働表明したい」と言わない理由は何ですか?」
日本原電 和智信隆副社長
「一言で言えば決めてないからということです」
記者
「何が決まってないのですか?」
副社長
「このあと我々が工事を進めて行くということ、地元への説明をするということを申し上げております。それ以外のことは決めてないからだと思っています」
記者
「再稼働することはまだ決めていない?」
副社長
「そうですね。はい」

なんで再稼働に向かうのか。経済産業省の幹部は私たちの取材にこう答えました。
「国は日本原電をつぶさないということですよ」。
原発推進の旗は降ろさない。これが原子力政策を続ける国の本音なのです。

東京から110㎞。巨大原発東海第二発電所。
再びスイッチが入った時あなたは安心して電気を使えますか?


ナレーター あおい洋一郎
取材 川崎正明 中村洋介
撮影 副枝保孝 
音声 飯田清孝
編集 小林弘幸
EED 細野昌美
ミキサー 浜口崇
音効 石橋裕司
番組デスク 小島都
構成 加藤就一
ディレクター 川崎正明
プロデューサー 今村忠
チーフプロデューサー 有田泰紀
製作著作 日テレ

連載終わり


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