明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(782)舟屋のある町、伊根から原発を考える・・・(1月18日伊根町)

2014年01月09日 23時00分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20140109 23:00)

今年の講演を1月13日、兵庫県三木市で始めますが、続いて17日に原発銀座直近の町、舞鶴市を訪れます。さらに翌日、京丹後半島の伊根町にうかがいます。
伊根町をご存知でしょうか。丹後半島ののどかな町ですが「伊根の舟屋」の名でも有名です。伊根湾に沿って立つ家々の1階がそのまま海に面していて、舟が入れるようになっています。それが周囲5キロぐらい続いている。
湾の構造が荒波を理想的に抑えてくれることで可能になったもので、全国的にも大変、珍しいものだそうです。観光案内などご紹介しますので、まずは風景をご覧下さい。

伊根の舟屋
http://www.inewan.com/

こののどかで美しい伊根の舟屋のあるこの町、福井原発銀座のすぐそばに位置しています。
町役場が高浜原発から27.14キロ。大飯原発からは37.64キロ、もんじゅからは65.04キロです。非常に近い。
このため新たに原子力災害住民避難計画も作られています。

伊根町原子力災害住民避難計画
http://www.town.ine.kyoto.jp/pub_rela/somu/bousai/bousaikeikaku/jyuminhinan.pdf

この伊根の町で、18日にお話しすることになっているのですが、実はこれで2回目の訪問になります。
初めてうかがったのは2012年11月25日のこと。この日は午前中に京都市でベジタリアンフェスティバルに参加し、午後に天橋立で有名な宮津市でお話しし、夜に伊根町についてお話ししました。
書け足のような講演の旅だったのですが、僕はこの日の伊根での集まりのことがとても深く心に残りました。というか、僕はこの間、繰り返し今の日本では民衆の覚醒が起こっている、新たな変革が始まっていると強調していますが、それを強く実感したのがこのときの集まりだったのです。

この時、伊根で語ったことなどを、訪問直後に記事にしているので、抜粋してみます。(一部、書き直しています)

*****

その後(宮津市での講演の後)、車で丹後半島の先の伊根町に移動。ここは「船宿」で有名な町です。家がそのまま海につながっていて、船がつけられるようになっているのです。若狭湾の奥まったところにあり、奇跡的なほどに波の影響が少ないので、こうしたことが可能になっています。
丹後半島では農の営みも盛んですが、企画には若い子育て世代の方たちと、古くからこの地域で農の営みを続けている方たちの双方が集まってくださいました。全体として生産者の方たちの多い集いでした。

まずみなさんが作ってきてくださった、玄米と味噌汁を中心としたシンプルだけれどもとてもおいしいご飯を出していただいて、みんなで食べながら、ピアノの演奏と歌を聞きました。
続いて、東北を訪問された生産者の方から、福島など、現地の生産者の方たちの様子が報告されました。なんとも言えない現地の苦悩が報告されました。それをいかに受け止めたらいいのか、報告者の方もとまどいながらの説明でした。

僕は放射能と食べ物の話、農の営みの話をしました。とくに要請をうけて僕が繰り返し訪れてきた宮城県南部の農村の方たちのお話をしました。角田市で、平飼いで健康的な鳥を育ててきたピースファームのしょんつぁんとひめちゃん、あるいは仙台の太白区の山を単身開墾した「石森少年」こと石森秀彦さんのそれぞれの農場の写真をおみせしました。
どちらも素晴らしい営農を実現していたのに、そこに放射能が降ってしまった。その中で営農の可能性を探り、それぞれに放射性測定室を立ち上げたけれど、しょんつぁんとひめちゃんは、汚染の激しさを前に営農を断念しました。
二つの農家に共通していることは、政府が決めた基準よりもずっと汚染が低かったけれども、早い時期から作物の出荷をストップしたことです。安全なものを作ってくれる生産者の方たちは、危険になったらリスクをかぶってくれる方たちなのだと僕に教えてくれた方たちですが、そういう人たちの営農が難しくなってしまったのです。

ただ、放射能の汚染はどれぐらいでどれぐらいの害が出てくるのかはっきりしていません。講演のときもお話したのですが、このピースファームでお話したときに、僕が忘れられないのは「守田さん。放射能と抗生物質とどっちがやばいだべか」という問いが投げかけられたことです。
こうした農家さんたちが作っているものは、抗生物質だとか、化学物質がほとんど入っていません。その代わりというか、天然の栄養素やミネラルがたくさん入っている。そこにわずかながら放射能がついたものと、薬品漬けのものとどっちが安全なのだろう。
「ウーン、濃度でしょうね」とお答えしたのですが、僕にはこれらの農家さんたちのものの方が、まだまだ安全なのではとも思えました。しかしそれはデータの裏付けのない推論でしかありません。それになんというか、あの丁寧に作られた食べものたちを見ていると、安全だと思いたくなるのが人情でもあります。
どう考えたらいいかを悩みながら、双方ともに出荷をやめました。石森くんの場合は即断でした。でもこの地域には反対にまだしもこの野菜の方が安全なはずと考えて、出荷された有機農家さんや自然農家さんもいます。今も放射線を測って安全を確認して出荷しています。そうした人々の迷い、苦悩そのものがなんとも胸が痛くなることです。

少なくともはっきりしているのは、出荷を止めることでのリスクや、この地での生産の様々なリスクを、こうした方たちに負わせ続けるのはあまりに理不尽だということです。生活の糧が奪われたり損なわれたりしてしまうのです。政府は非常に甘い基準を設けて「生産者のため」とうそぶいていますが、それもまた大きな嘘です。
生産者は甘い基準を作られると、それ以下で出荷を止めると、何の補償も受けられなくなってしまうからです。甘い基準は生産者のためなどではまったくない。賠償責任のなる東京電力と政府のためなのです。そのために生産者も消費者も犠牲にされている。この構造こそが覆されなくてはいけない。
企画に参加された伊根町の方たちは、その痛みを体中で聞いてくださったように思いました。その中で、生産者の方を前に、釈迦に説法だなあと思いつつですが、食べ物のお話もさせてもらいました。

質疑応答ではみなさんから活発な発言が続きました。養鶏家の方がおられて、僕がよく理解してなかった点を詳しく教えていただけました。その内容を今後反映させていただきたいと思いますが、流石にプロの方のお話は味わい深かったです。
それやこれや、放射能と食べ物の話を中心に意見交換が続き、会場を出たのは午後10時過ぎでした。

以上、「明日に向けて(587)ベジフェス、宮津市、伊根町でお話しました。次は大飯町でお話します!」より
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/e896e1da05baa74365c424e90d78f232

*****

このとき、僕は明確な答えが分からないままにお話ししました。今もそうです。ピースファームに集まった方とも、今も連絡を取り合い、いったいどこにどうやって歩んだらいいのか一緒に考え続けています。
この悩み、苦しいのだけれど、しかし未来に向けて、何かを切り開いていこうという懸命な思い、伊根で話した時、僕はそれがすうっと参加者たちの心の中に入っていくのを感じました。僕はそのとき、伊根の方たちの中に強い覚醒を感じました。

ここでこのまま農業を続けていけるのだろうか・・・。

それは、ただたんに仕事を続けられるのだろうかという思いではなく、命を作り出す行為と、命を危険に晒す原発のはざまでの悩みです。命を愛するが故の葛藤なのです。
僕は覚醒の地盤はここにこそあると思う。命を愛おしみ、慈しむ心こそが、命を軽視するこの世の在り方への目覚めを急速にうながしている。
心のどこかでは気づいていながら、きちんと向かい合ってきたとは言えない危険にまみれた今の世の仕組みに、福島原発事故が、多くの人の目を開かせているのです。愛を基軸に、私たちは、覚醒を強めている。

伊根の人たちに即して言えば、目を大きく開いてみると30キロ先には高浜原発があったのです。いやその向こうに大飯原発があり、美浜原発があり、もんじゅがあって、敦賀原発がある。危険が幾つも「荘厳に」並んでいます。

ここでこのまま農業を続けていけるのだろうか・・・。

玄米と味噌汁と歌で迎えてくれたこの温かい企画の中で僕を包んでくれたこの「覚醒」は、痛みと悲しみとそれへの共感を基礎としています。けして手放しで喜べるものではない。
でも何かが始まっている。何かの熱く尊い思いが湧きあがりつつある。ざわざわと、わさわさとです。それが僕の心を震わせ、僕の決意を数段強いものにしました。

今、この美しいながらも高浜原発から30キロを切る位置にある伊根町の近くには、さらに米軍のXバンドレーダー基地というとんでもないものまでがやってこようとしています。
そこまでの距離も極めてわずか。このままでは伊根町は、米軍基地と巨大原発群に挟まれることになってしまいます。

そんな伊根から、再度のお話のお誘いがあったことを僕はとても嬉しく思っています。一緒に、今の日本を一番深いところから、草の根から変えていく、もっとも大事な時間を共にできるように思うからです。
1月18日午後3時から「本庄公民館」でお話しします。お近くの方、ぜひご参加ください。また伊根町や近くの町に知り合いのおられる方、ぜひ情報をお伝えください。

以下、案内を貼り付けます。

*****

放射能から大切な子どもを守るために

福井の原発から30キロ圏内に入る伊根町、何か事故がおこったとき私たちはどう対応すればよいのか。
まず守らなければいけないのは子どもたち、将来の希望をもつ子どもたちを被曝から守りたい。
放射能によって見えない不安をもつお母さんたちはたくさんいます。老若男女問わず多くの人が放射能・被曝の知識をもつことが大切です。
被災地の現状、私たちの暮らしや健康を守るために何ができるのか守田敏也さんのお話を聞いて考えていきたいと思います。
 
とき   平成26年1月18日(土) 15:00~
ところ  本庄公民館 2階
託児あります(子ども連れでもお気軽にお越し下さい)
参加費無料 (運営カンパにご協力お願いします)

15:00~守田敏也さんのお話し
16:30~みんなで意見交換・座談会

◆◇守田敏也さんご紹介◇◆
1959年生まれ。京都市在住。
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続け、社会的共通資本に関する研究を進めている。
ナラ枯れ問題に深く関わり、京都の大文字などで害虫防除も実施。東日本大震災以後は、広くネットで情報を発信し、関西をはじめ被災地でも講演を続けている。
また、京都OHANAプロジェクトのメンバーとして、被災地支援活動をおこなっている。
原発関係の著作に、『内部被曝』(矢ケ崎克馬氏との共著、岩波ブックレット2012年)があり、雑誌『世界』などで、福島第一原発事故での市民の取り組みや内部被曝問題についての取材報告をして話題になっている。
3.11以降、インターネットではブログ「明日に向けて」で発信を続け、3年間で800を超えるレポートなどを発表している

お母ちゃんプロジェクト【藤原音夢 090-6735-0973】

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(781)原発災害についての心得 その2(VIDEO)・・・(1月17日舞鶴市でお話しします!)

2014年01月08日 17時00分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20140108 17:00)

今回も、原発災害についての心得のポイントを説いたビデオメッセージと文字起こしをお届けします。
事故があったときにどうするかを決めておくこと、個人間で防災協定を結んでおくことのお勧めです。

*****

事故があったらどうするかを決めておく!個人間で防災協定を結んでおく!
http://www.youtube.com/watch?v=osmNwiQUkzI&feature=youtu.be

ポイントを少し言うと、まずあなたが原発事故があったときに、どうするかをあらかじめ決めておいてください。
例えば家族だったら、一緒にどこに逃げるのか。どこで落ち合うのか。何を持ち出すのか。
それを決めておくだけで、実際に事故が起こった時に、それに沿って自分が行動することができます。

同時に、できるだけ遠くの友人と、防災協定を結んでおいてください。
僕は沖縄の友人と、高知の友人と結んでいます。
僕が高浜原発や大飯原発の事故で、京都から逃げなければならなくなった時に、僕は沖縄か高知に逃げます。

逆に高知の友人が、津波に襲われたら京都においでよ。
沖縄の友人が、米軍基地が大変なことになって沖縄に住めなくなったら、僕のところにおいでよ。
お互いにそういう協定を結んでいるのです。そういうものをできるだけたくさん結んで欲しい。

そうすると災害に自分が合わなくても、例えば高知が津波に襲われたら、僕は「あ、僕の友達が逃げ来るな」と考えて、受け入れの準備ができます。
なのでどこに逃げるかを決めておくと同時に、できるだけ遠くの友人と、防災協定を結んで、いざというときにのために、相互が相手のところを自分の避難先として確保しておく。
それをたくさん結べば結ぶだけ、私たちの国は、災害に強い国になります。

*****

★1月17日守田敏也さん講演会★

ーー大災害から家族を守る智恵ーー

日時 1月17日(金)午後7時開演
場所 舞鶴市中総合会館4階研修室
参加費 無料 運営のための費用のカンパをお願いします。
主催 講演会実行委員会
連絡先  舞田 090-1963-7252
       田中 090-4560-8560


19年前の今日起きた阪神淡路大震災、3.11の大地震と津波、原発事故・・・ 昨年、近畿を襲った台風18号。
そして、これからも私たちの暮らしを襲うであろう、さまざまな自然災害。
また、今も収束していない福島第一原発事故による放射能汚染や、可能性がゼロではない若狭の原発事故災害・・・
もし、大きな災害にあってしまったときに、私たちはちゃんと自分や大切な家族のいのちを守ることができるでしょうか。

「いざという時、どうやって逃げるの? 」「家族が別々の場所にいたら、どこに集合する?」
「非常持ち出しリュックは何を用意しとくべき?」「愛するペットは一緒に避難できるの?」
 原発事故が起きてしまったら、どこに逃げるの?」「帰ってこれるの?」

私たちは、どのくらい心の準備ができているだろうか。
その心の準備を次第で、とっさの時に、生死を分けることになると言われています。

でも、こういう話、なかなかみんなで集まってする機会がないよなあ~と思っていて、
今回、守田敏也さんをお招きして、「みんなでざっくばらんに、話し合ってみよう!」と思います。
防災について、みなさんが知りたいこと、おすすめなことなど、話し合ってよい集いになればと思っています。


【安全食品について】
3.11の原発事故で、放射能汚染がひろがり続け、食料が汚染されています。
汚染された食べ物を食べると、私たちの体の中が汚染されて、ガンなどさまざまな病気にかかる可能性が高くなると言われています。
放射能汚染のこと、気にはしてるけど、実際、今の食生活で大丈夫かな?
そんな私たちに、放射線防護にたずさわっておられる守田さんは、わかりやすく教えてくださいます。いろいろ聞いてみましょ~。

【 守田さんプロフィル】
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリーライター として取材活動を続けながら、社会的共通資本に関する研究を進めている。
3.11以降は、福島第一原発事故による放射能汚染に対する防護、そしてあらゆる災害に対して、身を守る術を伝えるために日本中を飛び回っている。
篠山市原子力災害対策検討委員会委員

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(780)原発災害についての心得 その1(VIDEO)・・・(1月17日舞鶴市でお話しします!)

2014年01月07日 17時00分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20140107 17:00)

放射線防護活動を進める中で、この間、僕が力を入れているのは、原発災害対策を進めることです。
1月17日にこの内容を舞鶴市でお話しします。末尾に集会案内を貼り付けておきます。

この企画に向けて田中ユージさんが、災害対策のポイントとして僕が語ったことを幾つかのビデオクリップにしてくれています。
今回は、あらゆる災害に適用できる「正常性バイアスのロックを解除すること」について語っています。以下、文字起こしを含めてご紹介します!

*****

命を守るため、正常性バイアスを解除しよう。そのために避難訓練を行おう
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=8_pBlqqHW-0

あらゆる災害に対して、人間がどうすればいいのかということには共通のことがあります。
それは災害心理学や災害社会工学という学問の中で語られていることなのですけれども、一番大事なことは、災害が起こった時にに、人が心理的に自分が危機に陥っていることをなかなか認めたがらないことです。
現代人は危機に瀕して命がなくなってしまうかもしれないという経験をすることが少ないので、よくあることは、危機に瀕した時に、危機を認めないことです。

例えば今ここで、避難放送が鳴ったとする。避難放送が鳴ったことをそのまま受け止めるならば、すぐに命がけで逃げ出さなければいけない。
その時、誰かが「これ、誤報じゃないの」と言ったとする。そうしたら誤報だと思うことの方が心理的に楽なので、「ああ、誤報だよ、誤報だよ」と言って逃げない。

そういうことを災害心理学では正常性バイアスと言います。自分が安心したい方を選ぶ。
だから実際のホテル火災などでも、ある部屋を見たら、ある家族がお茶を飲む姿勢のまま亡くなっていた。
その人たちは逃げ出そうと思わないうちに煙に巻かれてしまったのですね。

災害心理学では、正常性バイアス、正常に事態は戻っていくと偏見をかけてしまうということですが、そのロックを解除することが大事だと言っています。
そのためには何が必要なのかと言うと、事前に避難訓練を行っておくことです。
避難訓練を行っていると、実際に災害に際した場合に自分の心のよりどころがあるわけですね。実際にこういう時にはこうしようというものがあると、危機を危機として認識することができる。

これはあらゆる災害に共通することで、水害に対してもそうだし、津波被害に対してもそうだし、原発災害もそうなのです。
その意味では、まずはあらゆる災害に共通する命の守り方を学んで、その上でそれが水害だったらどう適用するのか、津波だったらどう適用するのか、あるいは原発だったらどうするのか、イメージやシミュレーションを作ることが大事なのです。

*****

★1月17日守田敏也さん講演会★

ーー大災害から家族を守る智恵ーー

日時 1月17日(金)午後7時開演
場所 舞鶴市中総合会館4階研修室
参加費 無料 運営のための費用のカンパをお願いします。
主催 講演会実行委員会
連絡先  舞田 090-1963-7252
        田中 090-4560-8560


19年前の今日起きた阪神淡路大震災、3.11の大地震と津波、原発事故・・・ 昨年、近畿を襲った台風18号。
そして、これからも私たちの暮らしを襲うであろう、さまざまな自然災害。
また、今も収束していない福島第一原発事故による放射能汚染や、可能性がゼロではない若狭の原発事故災害・・・
もし、大きな災害にあってしまったときに、私たちはちゃんと自分や大切な家族のいのちを守ることができるでしょうか。

「いざという時、どうやって逃げるの? 」「家族が別々の場所にいたら、どこに集合する?」
「非常持ち出しリュックは何を用意しとくべき?」「愛するペットは一緒に避難できるの?」
 原発事故が起きてしまったら、どこに逃げるの?」「帰ってこれるの?」

私たちは、どのくらい心の準備ができているだろうか。
その心の準備を次第で、とっさの時に、生死を分けることになると言われています。

でも、こういう話、なかなかみんなで集まってする機会がないよなあ~と思っていて、
今回、守田敏也さんをお招きして、「みんなでざっくばらんに、話し合ってみよう!」と思います。
防災について、みなさんが知りたいこと、おすすめなことなど、話し合ってよい集いになればと思っています。


【安全食品について】
3.11の原発事故で、放射能汚染がひろがり続け、食料が汚染されています。
汚染された食べ物を食べると、私たちの体の中が汚染されて、ガンなどさまざまな病気にかかる可能性が高くなると言われています。
放射能汚染のこと、気にはしてるけど、実際、今の食生活で大丈夫かな?
そんな私たちに、放射線防護にたずさわっておられる守田さんは、わかりやすく教えてくださいます。いろいろ聞いてみましょ~。

【 守田さんプロフィル】
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリーライター として取材活動を続けながら、社会的共通資本に関する研究を進めている。
3.11以降は、福島第一原発事故による放射能汚染に対する防護、そしてあらゆる災害に対して、身を守る術を伝えるために日本中を飛び回っている。
篠山市原子力災害対策検討委員会委員

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(779)放射線防護のため内部被曝のメカニズムを知り避難の準備を進めよう!(VIDEO)

2014年01月06日 15時30分00秒 | 明日に向けて(701)~(800)

守田です。(20140106 15:30)

舞鶴市に住む友人の田中ユージさんが、講演会などに向けた僕の自己紹介のビデオクリップを作ってくださいました。
2分48秒で僕の言わんとすることを見事にまとめてくれています。

あらゆる講演の基礎になるものですので、みなさんにご紹介したいと思います。まずは以下のビデオを見て下さい。
文字でも起こしておきます。(読みやすいように、一部、話し言葉を書き言葉に変えてあります)
なおこれは1月17日の舞鶴での企画に向けて作られたものです。同じページに案内もありますのでご覧ください。

*****

放射線防護のため、内部被曝のメカニズムを知り、避難の準備を進めよう!
https://www.youtube.com/watch?v=P1zXCU3yO5E

守田敏也です。京都市在住のフリーライターです。僕はけっこう若いころから社会運動をやってきました。
高校3年生の時から本当にいろいろな運動をやってきたのですけれども、2011年3月11日の福島原発事故以降は、もっぱら放射線防護活動をしています。

「放射線防護活動」ということを強調するのですが、もちろん僕は脱原発だし、原発ゼロを目指しています。
けれども原発問題というのは、これから原発をどう廃止していくのかということと、すでに福島原発事故で出てしまった放射能とどう向き合うのか、大雑把に分ければ2つのことがあると思うのですね。
その中で僕は、今、進んでいる被曝をどうやって防ぐのか、あるいは減らすのか。そのことを中心に活動しています。

今、僕が力を入れていることは、1つは内部被曝の危険性を把握して、多くの人に知ってもらうことです。
なぜならば、これだけたくさんの放射能が出ていながら、今でも、福島とか関東・東北の非常に汚染の高い地帯に、たくさんの人が住んでいる。あるいは住まわされているわけですね。
住まわされている1つのロジックとして、内部被曝の危険性が非常に軽く扱われていることがあります。実際には非常に危険なわけです。

なので僕が大きく力を入れていることの1つは、内部被曝の危険性を多くの人に知ってもらうことです。
内部被曝のメカニズムがどういうものなのかということを、できるだけあっちこっちで説明して、被曝を避けることを考えてもらう、あるいは実行してもらうことです。

もう一つ、大きく力を入れていることは、原発がまた事故を起こすかもしれないという点です。
その場合、一番事故を起こす可能性が高いのは、いや事故を起こす可能性と言うよりも、今の福島第一原発がもっとひどいことになって、事故が拡大する可能性が非常に高い。
だとしたらそれに対しては絶対に避難訓練をやるべきで、実際に事故が起こった時の準備を多くの人にして欲しい。そのことを広めるための活動に力を入れています。

だから内部被曝のメカニズムを明らかにすることと、原発災害に対する避難の準備を進めること、あるいは心構えを作ること、それが今、僕が一番力を入れていることです。

*****

ビデオクリップはここまでですが、最後の方で、福島第一原発事故のことにしか触れていないもの、もちろん他の原発でも問題は同じです。
福島の事故で明らかになったのは、原発がどれほど脆弱な構造物でしかないかということです。たとえ運転してなくても、自然災害を引き金にどのような大事故に発展するか分からない。
だからこそ避難訓練に真剣に取り組んでいくことが問われています。


本年もこうした内容を軸に、あちこちでお話を行いたいと思いますが、講演会を企画していただくときに、この自己紹介ビデオを、案内や宣伝でお使いいただければと思います。
実は作成者の田中ユージさんが、前から強くこのことを僕にサゼッションしてくださっていました。僕の言わんとする趣旨を、短くまとめたビデオを作って、宣伝に使うと良いと。

僕もわれながら「明日に向けて」の記事が長いものが多くなりがちで、「これでは読む人が大変だよなあ」と思ってきました。(ごめんなさい!)
しかし「短い時間では長い文章しか書けない!」ジレンマに陥り続けてきました。僕の場合、短くするためには、勢いをつけて一気に書いた文章を、倍以上の時間をかけて推敲しないとできないのです。

ユージさんの協力は僕には渡りに船で、とても助けられています。非常に強い助っ人です!
今年はユージさんにお頼みして、もっとたくさんのビデオメッセージを作り、みなさんに大事なことを短く伝えられるようにしたいです。

こんな技?も活用しながら、私たち、民衆の力をつけるための努力を重ねていきます。みなさんも、拡散していただくことをはじめ、ぜひ力をお貸しください!みんなで「民衆の力」を育てていきましょう!

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(778)福島原発事故の影響、内部被曝や食べ物の問題についてお話しします(1月13日三木市)

2014年01月05日 19時50分03秒 | 講演予定一覧

守田です。(20140105 20:00)

年頭のご挨拶で、みなさんに次の言葉を送りました。

Power to the people!!
そのためにさっそく今年も行動を開始します。

私たち民衆が力を得るために必要なのは何か。・・・たくさんの答えが可能ですが、中でも重要なのは知恵です。
なぜか。現代世界がたくさんの嘘と虚構に満ちているからです。

とくに今、私たちの国は、世界に向けて恥ずかしげもなく大嘘をつく人物が首相になっています。
私たちの国には「嘘は泥棒の始まり」という言葉がありますが、その意味では大泥棒が首相になっているようなものです。

しかもこの泥棒の始まりの首相、嘘の露見を恐れて、なんでも秘密にしてしまおうという悪法を強引に通してしまいました。
嘘で原発事故と放射線被曝の実態を隠し、嘘でアメリカのひどい戦争政策にこの国を従わせようとし、嘘でアメリカ資本のためにこの国の市場を開放しようとしているのです。

だからこそ私たちはたくさんのこと、嘘で覆い隠された真実を学び続けていく必要があります。
とくに大事なのは、福島原発の本当の実情、世界の核保有国に隠蔽されてきた内部被曝の本当の怖さ、そして私たちの命に直接関連する食べ物の安全性と危険性を学ぶことです。

これらを学ぶためには、歴史を振り返る必要があります。原発問題、内部被曝問題では、広島・長崎原爆から今日を見る必要がある。
被爆者の苦しみ、スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故、福島原発事故には、強くつながった連関性があります。

学びを深めていくときに同時に大事なのは、では私たちには何ができるのかです。
放射線被曝を避ける、そのために避難する、食べ物に気を付ける・・・それを前提として、その先にさらにできることは何か。ここに食べもの全体の安全性を問い直す意義があります。

放射能汚染を隠そうとする現代社会は、あらゆる化学物質の危険性も極端に過小評価し、食べ物の安全性が損なわれている社会です。
そこには利権という同じ構造があります。金儲けのためには、人の命の尊さなどまったく顧みない構造です。

私たちが力を得るには、この理不尽な構造をトータルにつかんでいく必要がある。
だから原発の今と、内部被曝のメカニズムと、食べ物の安全性をひとつにして学んでいくことが問われるのです。

今年も各地でこうしたことをみなさんと学び、深めていきたいと思いますが、その初めの場を、兵庫県三木市の方たちが作ってくださいました。
「環境を考える市民の会三木」の方たちです。この方たちが企画して下さった講演会に1月13日に出席します!

どうかお近くの方、ぜひお越しください。また三木市や近郊に知り合いのおられる方は、案内をお伝えください。

みなさん。一緒に学んで賢くなりましょう。その分、私たちのパワーは確実に増します!
私たちの力の地道な積み上げて、戦争への道をひた走ろうとするこの国にまったをかけましょう!

以下、案内を貼り付けます!

*****

3.11東日本大震災からもうすぐ2年。
東京電力福島第一原発から放出されたさまざまな放射性物質はどういった影響を私たちに及ぼしつつあるのでしょうか?

 ~今、知っておきたい 今起こっていること 未来のためにできること~

『内部被ばく』(岩波ブックレット)の著者のひとり、フリージャーナリストの守田敏也さんをお迎えし、
福島第一原発事故の現状と、その影響、そして危険な内部被ばくと食べ物の安全性などについてお話を伺います。

 ~ 守 田 敏 也 講 演 会 ~
 
日時 2014年1月13日(月・祝) 開催/午後1時半~ 開場/午後1時~

場所 三木市立市民活動センター(福祉会館)

会費 500円 (18歳未満は無料)

**参加希望・お問い合わせ***

環境を考える市民の会三木
E-mail   kankyo_shimin_miki@yahoo.co.jp

こちらからチラシを見ることができます。
http://blogs.yahoo.co.jp/kankyo_shimin_miki/GALLERY/show_image.html?id=68779710&no=0

市民の会三木のブログはこちらです。
http://blogs.yahoo.co.jp/kankyo_shimin_miki/68779710.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(777)Power to the People!!・・・新年にあたって(2014)

2014年01月03日 10時00分00秒 | 明日に向けて(701)~(800)

守田です。(20140103 10:00)

みなさま。
明けましておめでとうございます。
民主主義と放射線防護にとって正念場の年が明けました。
私たちがこれからの1年をどう生きるか、何をどこまで実現するのかで、この後の長い年月の方向性が決まる、そんな1年です。

この大事な年のはじめにみなさんに送りたいのは次の言葉です。
Power to the people!!
民衆に力を! 
人民に権力を!でも良い。私たちに力を!・・・です。

この言葉は紡ぎだしてくれたのはジョン・レノンです。
日本語に訳された歌詞のついた動画を紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=Wos-dDxpJlQ

ジョン・レノンはこの中で、次のように述べています。
Say we want a revolution
We better get on right away
(守田訳)
革命をしたいって言うなら
今すぐやったほうがいいぜ!

明らかに彼は、革命について語っているのですが、革命の本義を民衆が力をつけることにおいている。いいなあ、そうだよなあと僕は思うのです。

民衆に力のある状態。それが民主主義の本義です。
デモクラシーの語源は、ギリシャ語のデモスクラチア。デモス(民衆)にクラチア(力)のある状態です。その発揚を目指す運動を、ラディカル・デモクラシーといいます。
だから私たちは私たちのクラチアを発揮していく必要がある。
ジョン・レノンが言うように、革命がしたいならいますぐ行ったほうがいい!

私たちはどのようにして私たちの力を強めるのか。
もちろん戦争に向かう安倍政権のさまざまなひどい政策と全面的に対決することによってです。民衆の力で、この悪い政権を倒すことを通じてです。
とくに今、大事なのは、民衆の直接行動です。

もちろん選挙も大事です。それぞれの地方選挙もがんばる必要がある。
しかしこれから3年間、国政選挙はない可能性があります。
選挙でしか、政府の横暴は止められないのでしょうか。そんなことはありません。
選挙は間接民主主義、それに対して私たちには直接民主主義の発揚としてのさまざまな行動を起こす権利があります。それが人権です。

事実、日本中の原発をいまだ止めている力は、全国各地のデモに象徴される直接行動によるものです。選挙を媒介とはしていません。だから自民党が選挙で圧勝してなお、一基の原発の再稼働もできていないのです。私たちがどんどん私たちの力を強める中で創り出されてきた状態です。何よりもこのことに熱く注目しましょう。自信を持ちましょう。

Power to the people right on!
そう、たった今、どんどんつけている私たちの力を、さらに大きくしていく必要がある。
ちなみにラディカル・デモクラシーは特定の政体を求めるものではありません。どのような政体のもとでも、国家や官僚、政治家たちにではなく、民衆にもっとも強い力が宿っている状態を目指し続ける運動です。永遠に受け継がれていく運動です。

安倍政権が秘密保護法に走った背景の一つにあるのは、根本的には民衆の力の高まりへの恐れです。とくに重要なフィールドは放射線被曝問題です。
現に進む原発事故に対して、安倍政権は何らの有効な対応策を持っていない。ただ「原発はコントロールされている」「放射能はブロックされている」「今も未来も健康被害はない」と大嘘をついて現実をみないようにしているだけです。

事実はどうか。原発は今なお瀕死の状態です。健康被害は爆発的に進行中です。
安倍政権は、国家を揺るがしつつあるこの事実と向かい合う英知も勇気も持っていない。なんと弱い政権でしょうか。国を守る気概も知恵もない。国と民を愛する心がないのです。この国が亡国の道にあることをみすえられない。ただ嘘で事実をないものとすることしかできないのです。もちろんそれでも不安なので、どんどん凶暴化しているのです。
真に民衆に愛され、自信を持った政権なら、重要な案件の拙速で強引な決定などしはしません。説得力がないから、強行採決が続いているのです。不安でたまらないから、ただデモを行うだけで、「テロだ」と叫びだす閣僚がでてしまうのです。このことを私たちはしっかりと見据えましょう。

一方で、多くの民衆が原発事故のもたらしたものに気がつき、すでに積極的な行動をたくさん重ねてきています。大事なのはもはやその動きが「政党」の枠を超えて広がりつつあることです。

僕はその先頭を走ってきたのが、原発事故に際して、政治家や科学者たち、マスコミの「安全宣言」をまったく信じずに、福島を、東北を、関東を飛び出して避難を決行した人々だと思います。それが本当に全国を揺るがしました。

避難・移住は今や最大の抵抗の一つです。避難を決行した人々は、自分と家族の命を守るだけでなく、私たちの未来を守ってくれています。多くの人々がその熱い思いに共感した。それが全国の脱原発行動の大きなエネルギーに転化しました。
避難=被曝防護という抵抗は、移住という形だけをとってはいません。多くの人々が、そこまではできずとも、自宅の中に避難したり、食べ物に最大の注意を払うなど、放射線被曝と必死に立ち向かっています。それを助ける形の保養キャンプも各地で精力的に行われている。僕はそれもまた大きな変革のエネルギーを生み出している源の一つだと思います。

民衆を、長い間、お金儲けを通じた操作の対象としてしかみてこなかった自民党はもちろんこの動きにとまどうばかりです。安倍政権が「実現」できたのは、通貨の乱発によるバブルの形成を通じた、一時的な経済回復の演出にすぎません。いつはじけるともしれない、いやいつかは必ずはじけるあまりに危うい政策でしか「人気」をとれないのです。
しかもそれはまだ覚醒していない民衆の「人気」です。政治のことはすべて政党に任せ、自分は身の回りのことをがんばっていればいいと考えてきた、ついこの間までの私たちの大半を占めていた意識におもねった「人気」なのです。

一方で野党の多くも、民衆の覚醒に十分についてきているとは言えません。そのため原発問題が、エネルギー問題としてのみ論じられてしまっています。選挙の争点に、人々の避難の権利の獲得や、放射線防護の徹底化が掲げられていないことにそれがあらわれています。

瀕死の状態にある福島原発をかかえた私たちの国が、放射能に汚染された東京でオリンピックを開こうとすることに対して、国会議員で反対を掲げたのが、覚醒しつつある民衆の代表として議席をとった山本太郎議員一人であったことにもこのことが象徴されています。野党のみなさん、ぜひ覚醒して欲しい。覚醒を続ける民衆に学び、大いなる脱皮をとげて欲しいと切に思います。

このような状態の中で、私たちがなすべきことは、ありとあらゆる手段を通じて、私たちの力を育てることです。何より、あらゆるところに仲間を増やしましょう。
そのためにデモ、講演会、学習会、討論会を重ねましょう。さらなる避難の実行と支援、保養キャンプの開催も重要です。

とくに大事なのは内部被曝のメカニズムと危険性をしっかりと把握することです。広島・長崎原爆以来、もっとも強く隠されてきたものがこれだからです。現在の被曝にあまりに甘い社会の在り方のロジックをなしているのも、内部被曝の極端な過小評価です。だからこの「秘密」を暴くことに、原子力が象徴する暴力の世紀をひっくり返すもっとも重要なエッセンスがあります。そのためにチェルノブイリの現実にももっと学ぶ必要があります。科学を民衆の手に取り戻しましょう。歴史を学び、隠されてきたものを白日のもとにさらしましょう。

みなさん。
私たちの力をさらに逞しく育てるのがこの1年間の課題です。民衆の力の高まりの中で、安倍政権を倒しましょう。民主主義の源である私たちの人権をいかんなく発揮しましょう。私たちが自信を強めれば必ず圧政をひっくり返すことはできます。
2014年を私たちの国の新たな方向を切り開く大転換の年にしましょう!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする