明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1549)高知・愛媛・岐阜に大雨特別警報発令中!これから名古屋に向かい午後に災害対策についてお話します!

2018年07月08日 09時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180708 09:00)

豪雨がなお続いています。
昨夜、「大雨特別警報」が岐阜県の一部を残して次々と解除されましたが、今朝6時前に今度は高知県と愛媛県に大雨特別警報が発せられました。
高知県では西部の宿毛市、土佐清水市、四万十市、大月町、三原村、四万十町。愛媛県では宇和島市と愛南町に出されています。
岐阜県も岐阜市、山県市、本巣市、中津川市、関市、美濃市、郡上市、富加町、川辺町、七宗町、白川町、東白川村、高山市、飛騨市、白川村、下呂市と発令範囲が拡大しています。

まだまだ西日本の広い範囲で激しい雨が降り続いています。
それぞれの場での警戒を続けてください。

NHKの8日午前7時半現在の集計では、全国で51人死亡、意識不明の重体7人、安否不明44人となっているそうです。
土砂災害に巻き込まれた方がまだまだおられます。一刻も早く救命がなされることを祈るばかりですが、なお被害が拡大する可能性が高いです。

この状況の中でですが、今日はこれから名古屋に向かい、午後に「原発からの命の守り方を学ぶ講演会」にてお話します。
午後1時から名古屋プライムセントラルタワー13階第6会議室にてです。「あいのう消費者の会」の主催です。

開催にあたってここ数日、主催者の方たちとやりとりを繰り返しました。
最終的に名古屋市で避難に関する情報や警報などが出ていないこと。新幹線も動いていて僕が問題なく会場にいけることなどから開催が決定されました。
ただはっきりしない面もあったのでご案内が当日の朝になってしまいました。申し訳ありません・・・。

実は昨日7日は松本市での講演の予定でした。「日本チェルノブイリ連帯基金」の主催でしたが、こちらは長野県各地に避難指示が出ていたことや、名古屋から松本に向かうJR中央本線も止まったことなどで延期の判断となりました。
松本に行けなくなったことは残念ですが、再度、9月以降に設定してくださるとのことで、後日、スケジュールをお知らせします。

今日は冒頭でこの間の豪雨と災害について現段階で捉え返せることをお話します。
少し早めに名古屋に行ってそこでまた最新の情報をパワポに入れ込むつもりです。

この豪雨災害の最中に、みなさんと一緒に、原発そして災害全般からの命の守り方について考察したいと思います。
急な告知となりましたが、お近くの方、ぜひお越しください。

以下、講演会情報を貼り付けます。

*****

原発からの命の守り方を学ぶ講演会

講演会講師:守田敏也

内部被曝とは何か。原発はどこがどう危険なのか。災害対策をどのように考えればいいのか。また内部被曝してしまったらどうすればいいのか。
普段なにげなく生活している中で、私たちは身近な所に原子力発電所がある事を忘れがちです。
もし東海地方で大きな地震が起こった場合、地震の被害と共に、原発倒壊に伴う被ばくの危険もあるのです。
私たちが原発から命を守るためには何をすればいいのか、何ができるのか、未来を生きていく子供達に何を残せるのか。一緒に考えみませんか?

7月8日 時間13:00~15:30 定員40名
会費:あいのう消費者と同伴者 無料 一般500円
場所:名古屋プライムセントラルタワー13階第6会議室
愛知県名古屋市西区名駅2-27-8

主催:あいのう消費者の会
問合:愛農流通センター 担当:江端 052-801-5643

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明日に向けて(1548)岐阜県の一部になお大雨特別警報発令中。地盤も緩んでいます。まだ警戒を!

2018年07月07日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180707 22:00)

昨日、夕方から夜半にかけて福岡、佐賀、長崎、広島、岡山、鳥取、兵庫各県と京都府に出された「大雨特別警報」は次々と解除されましたが、なお岐阜県の一部に発令中です。
出されているのは山県市、本巣市、関市、郡上市、高山市、飛騨市、白川村です。
各地でようやく雨脚が収まりつつありますが、しかし今宵夜半から明け方までまだ各地で断続的に激しい雨が降ったり、局地的には豪雨になるところもあると予想されています。

とくに警戒が必要なのは各地の地盤がかなり緩んでいることです。
こんなときは地震にも気をつけたいもの。緩んだ場が一気に崩れ、土砂災害が地震と結びついて発生する可能性もあります。
と、この点を書いていたら実際に午後8時23分に千葉県北東部で震度5弱の地震が起こり、関東全域と静岡県東部が揺れたとのこと。
それぞれの場でぜひもう一度、地震対策も重ねておいてください。

なお今回の豪雨で各地に甚大な被害が出ています。NHKが午後7時半にまとめた情報では亡くなられた方47人、重体5人、安否不明49人だそうです。
最も犠牲者が多いのは広島県で23人。東広島市5人、広島市4人、三原市5人、竹原市3人、呉市3人、府中市1人、安芸高田市1人、福山市1人です。
愛媛県は全体で18人。西予市5人、大洲市4人、宇和島市4人、松山市3人、今治市2人です。
この他、岡山県笠岡市1人、兵庫県猪名川町1人、京都府亀岡市1人、滋賀県高島市1人、福岡県筑紫野市1人、山口県周南市1人が亡くなられました。

重体は広島市2人、山口県岩国市2人、岡山県笠岡市1人。
安否不明は広島県22人、愛媛県7人、岡山県6人、京都府4人、福岡県2人、佐賀県2人、鹿児島県2人、兵庫県1人、奈良県1人、高知県1人、大阪府1人です。

( 図表は「時間泥棒」仕置人さん提供)

最も激しい被害が出ているのは広島県で23人亡くなり、2人重体、22人安否不明です。
広島県は2014年8月に広島市北部の安佐南、安佐北両区で起こった土石流で77人が亡くなる甚大な被害が出たばかり。いまは少しでも多くの方が救命されることを祈るばかりですが、一方で「なんとかできなかったのか」とも思わざるを得ません。
それは今回の水害全体にも言えることです。

気象庁は「特別警報」の発令で「数十年に一度の災害が予想される」と繰り返し述べました。しかし「特別警報」は昨年7月にも九州北部に発令されました。
また広島ではわずか4年前に77人も亡くなる災害が起こりました。このときはそもそも特別警報が間に合わなかったのですが、ともあれこうした事態はちっとも「数十年に一度」ではないのです。
だとしたら今回の被害も「規模が大きかったから」「数十年に一度だったから」ではなく、「備えが弱かったから」こそかわし切れなかった側面が大きいのではないでしょうか。

例えばこの点を象徴するこんなニュースが流れていました。

被災者を救うため。全国に1台しかない「レッドサラマンダー」豪雨被害で出動
2018年7月7日 BuzzFeed Japan
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180707-00010002-bfj-soci

「レッドサラマンダー」とは、あらゆる災害現場への人員・物資の搬送や救助救援活動に活用できる特殊車両だそうです。
東日本大震災の教訓を受け、がれきの上や津波の浸水地でも救助活動ができるように作られて、2013年3月末に岡崎市消防本部に配備されたのだそうです。
なぜ岡崎市なのかというと、なんとこの車両、全国に1台しかないのでここにおいておけば東にも西にも出動可能と考えてのことだとか。

今回も総務省の要請を受けて出動。専用トレーラーに載せられて初めは広島に向かっていたそうですが、途中で岡山県でも甚大な被害が出たことを受けて目的地変更。すでに現地で活躍しているとのことです。
岡崎市の担当者は「1.2mの浸水地点でも進んでいけるほか、車両が入れないような土砂やがれきがあるところにも入って、救出や搬送活動ができます。現場がいまどういった状況かはわからないが、1人でも多くの人を救う事ができれば」と語ったとか。
岡崎市消防本部提供の写真も貼り付けておきます。

同じ現場で撮られた動画もご紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=xnPf6U_Ay4w

この車を見て「こんなものがあったのか」と思うと同時に「でもなぜたった1台なのだ!」との怒りが込み上げてきました。

「レッドサラマンダー」の代金は1億1千万円だそうです。これに対してオスプレイは約210億円で17機も購入されました。このお金をまわせば「レッドサラマンダー」を大雑把に言っても200×17=3400台ぐらいは配備できたはずなのです!

この車が災害が起こってから豪雨の中をトレーラーで運ばれるのではなく、全国各地にあらかじめ配備されていたらどんなに災害対応度が増したでしょう。
さらには災害対策にこうした投資を行わなければならないことが明らかになってこそ、自治体の災害対策の取り組みも、人々の防災意識の向上も、もっとスムーズになされていくのです。

ところが被害を及ぼす可能性などまったくない「ミサイル」に対するJアラートなどだけはけたたましく鳴らし、イージスショアなど、ものすごい高価な意味のない武器の購入を決めながら「レッドサラマンダー」は全国に1台しか配備してこなかった。
僕はまさにここに政府による災害対策の軽視がにじみ出ていると思います。政府によるこの「本当の国難」たる自然災害への備えの甘さを大きく転換しなくてはなりません。

いまはまだ豪雨の途中ですから、とにもかくにもこれ以上の被害がでないように警戒と対応を続けていただきたいですが、しかし私たちはこの災害の中でこそもっと賢くならなければいけません。
この点を頭に入れつつ、あと数日、災害に立ち向かい続けましょう!

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明日に向けて(1547)兵庫、京都にも大雨特別警報が発令されました!なお一層の警戒を!

2018年07月07日 00時00分01秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180707 00:00)

今宵は連投をお許しください。

気象庁は午後10時50分に、兵庫県と京都府に大雨の特別警報を発表しました。
それぞれで一層の警戒を強めてください。
なお大雨特別警報が出されているのは、兵庫県は豊岡市、香美町、養父市、朝来市、佐用町、宍粟市。京都府は宮津市、京丹後市、与謝野町、福知山市です。

以下に気象庁が示した地図のアドレスを記しておきます。
https://www.jma.go.jp/jp/warn/332.html
https://www.jma.go.jp/jp/warn/333.html

また広島、岡山、鳥取各県への特別警報発表に伴う報道資料が公開されましたので貼り付けておきます。

広島県、岡山県、鳥取県に特別警報発表
気象庁 報道発表 平成30年7月6日
https://www.jma.go.jp/jma/press/1807/06d/kaisetsu2018070620.pdf

この資料からも特別警報が発令されている各県のうち、どの地域に特別警報が出されているのかが分かります。
2,3ページの地図に記載された紫色の地域です。発表は県単位でなされていますが、必ずしも県全体に特別警報が発令されているのではないのでご注意下さい。

NHKによれば、午後10時までの1時間に京都府宮津市で31ミリの激しい雨を観測し、午後10時までの48時間に降った雨の量は、京都市右京区京北で416ミリ、兵庫県西宮市で392ミリに達したそうです。いずれも統計を取り始めてから最も多いそうです。
このうち京北町と西宮市は大雨特別警報発令地域には入っていませんが、雨量はそれこそ「記録的」ですから、今後どのような水害が発生しないとも限りません。
各地で本当にたくさんの方が、ご自分の命だけではなく田畑が心配で心配でたまらない状態でお過ごしだと思いますが、どうかいまは命を最優先されてください。

また各地で豪雨の中での車での移動中に川に転落するなどの事故が起こっているようです。
危険地帯を強引に通行することは控え、けして無理することなく安全な地帯に移動するようにしてください。

なお気象庁によると午後11時現在で、「氾濫危険水位」を超えた川があるのは以下の15県だそうです。
福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・広島・岡山・山口・島根・鳥取・京都・兵庫・滋賀・徳島・香川

気象庁はまだ他の県でも特別警報の発令を検討しているようですので、この後にまだ次なる情報が入るかと思います。
常に新しい情報のチェックも行ってください!

緊張が続きますが、ともに頑張り抜きましょう!

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明日に向けて(1546)九州・中国に大雨特別警報発令!各地ですでに記録的豪雨。最大限の警戒を!

2018年07月06日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180706 22:00)

各地で豪雨が続いています。
毎日新聞の6日午後0時半までの集計では、西日本の2府20県で約37万人に避難指示、約220万7千人に避難勧告が出されたそうです。
しかも雨はさらに降り続いており、各地の危険はさらに増していてあらたな避難指示も拡大中です。午後8時現在では京都府だけで24万7千人に避難指示が出されています。

こうした中で午後5時過ぎに気象庁によって福岡県と佐賀県、長崎県に大雨特別警報が発令されました。
さらに午後7時40分には広島県、岡山県、鳥取県にも大雨特別警報が発令されました。

「特別警報」は数十年に一度の大災害が起こると予想される場合に発表されるもの。「直ちに自分自身や家族の命を守る行動をとること」を求めるものです。
自然災害が予想されるときに、危険性の小さい順に「注意報」「警報」が出されますが、「警報」の発表基準をはるかに超えたときに出されるのが「特別警報」です。

これが今、福岡、佐賀、長崎、広島、岡山、鳥取各県に出されています。
みなさま。それぞれの場で直ちに命を守る行動に移って下さい。


重要なので午後5時過ぎに九州に大雨特別警報が出されたときの発表要旨を気象庁ホームページから転載しておきます。

***

・福岡県と佐賀県、長崎県に大雨特別警報を発表しました。
・これまでに経験したことのないような大雨となっています。
・重大な危険が差し迫った異常事態です。
・土砂崩れや浸水による重大な災害がすでに発生していてもおかしくない状況です。
・特別警報が発表されている福岡県と佐賀県、長崎県以外でも、西日本と東日本では記録的な大雨となっており、災害発生の危険度が高くなっています。
・地元市町村からすでに発令されている避難情報に直ちに従うなど、適切な行動をとってください。危険な場所には近づかないでください。
・すでに外出が危険な場合には、少しでも命が助かる可能性が高い行動として、家の中でも二階以上や崖の反対側などのより安全な場所に退避するなど、最善を尽くしてください。
・これから夜になることから、周囲の状況を十分に確認して行動してください。
・避難を完了している場合も油断しないでください。
・どこで災害発生の危険度が高まっているかを「危険度分布」で確認してください。

***

ひとつ解説しておくと、「避難指示」が出されたからと言って、すでに足元を脅かすような水が迫ってきている中で避難所に向かうことはかなり危険です。
農業用の用水路と道路の切れ目が見えず、人が次々と流された例がありますし、水の下でマンホールの蓋が空いていて落ちた例もあります。
同様の状態では車での移動も危険で、実際に今回、京都府亀岡市の52歳の女性が、避難所に向かう途中で車ごと川に転落したとみられ、下流の大阪市で遺体となって発見されています。

この場合は無理をして避難所に向かうよりも、家の中で二階以上に上がり、崖の反対側にいた方がかえって安全な場合が多いです。
とくに夜間の避難はより危険です。これらを踏まえ、それぞれのケースで安全を確保するためにはどうしたらいいかを考えて最善を尽くされてください。

気象庁の発表の時に配られた資料のアドレスも示しておきます。

気象庁 報道発表 平成30年7月6日
https://www.jma.go.jp/jma/press/1807/06b/kaisetsu2018070617.pdf

最初の数枚で九州北部の危険度分布などが示され、6ページで全国の降水量分析、7ページに今後の見通しが記されています。
6ページを見るとすでに西日本各地で24時間の降水量が観測史上最多を更新し、7月の最多記録となっているところもたくさんあることが分かります。
この雨はすでに「記録的大雨」となっており、それが8日まで続くのです。大脅威です。

この午後5時の発表の後に、広島、岡山、鳥取の各県に特別警報が発令されたわけですが、その後のNHKニュースで広島市ですでに土砂災害が複数発生したことが伝えられています。
安佐北区など複数の地点で「人が埋まっている」という情報が寄せられ、救助要請も相次いでいるそうです。
一方で福岡県筑紫野市からは「消防団員が60歳の女性を救助中に共に川に落ちて濁流にのみ込まれた」との報も入っています。危険地帯に赴いている救助隊のみなさんはどうかご自身の安全をしっかり確保して活動にあたられてください。

中国地方に激しい雨を降らしている雨雲は今後南下すると予想され、すでに大量の雨が降った高知など四国にさらに激しい雨が降る可能性があります。
他方で京都市内を流れる桂川で、上流の日吉ダムが限界を越えて放流を開始したことから水位が再度上がり、下流の多くの地域に避難指示が追加で出されています。
それらから「特別警報」が出ていない地域もかなり危険な状態にあることが分かります。「特別警報」が出ずとも必要に応じて「直ちに命を守る行動」をとってください。

なお「特別警報」は「数十年に一度の大災害」の予想で出されるとされていますが、九州北部にはちょうど1年前の7月5,6日の「九州北部豪雨」の時にも出されていたのでした。
ここに現れているのは私たちを取り巻く気象状況が激しく変動し、むしろ過去「数十年」の経験から今を考えることができなくなっていることです。

その点で「数十年に一度の災害が迫っている」というNHKなどが繰り返している言い方は僕は間違っていると思います。
自然災害の危険性も頻度もこの数十年の間に経験したことのないレベルにまで強まり、だからかつては「数十年に一度」とカウントされたものが毎年のように来ているのです。
だからこそいま、全国的なレベルで災害対策を強化しなければならない。僕はそのためには自衛隊を災害救助隊に改編することが急務だと思っています。

このことは、この豪雨災害がおさまったあとにまた論じたいと思いますが、ともあれ私たちは本当にもっと災害対策を強化しなければなりません。
その点で豪雨の中にいるみなさんだけでなく、それほど危険が迫っていない地域のみなさんにもぜひともこの豪雨の推移にご注目いただき、この中でこそともに学び、逞しくなっていくことを訴えたいです。

みんなの力で互いの命を守りあい、災害に強い市民力を培いましょう!

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明日に向けて(1545)記録的な豪雨が予想されます。洪水・土砂災害などへの警戒を!

2018年07月05日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です。(20180705 22:00)

現在、西日本から東日本にかけて大雨が降り続け、各地に避難指示・勧告・準備などが発令されています。
僕が住んでいる京都市ではより北側・山側にある右京区・北区・左京区の各地に避難指示が出されており、実際に今宵を避難所で過ごしている友人もいます。
幸い僕の住まいは警報・注意報は出ていませんが、携帯がひっきりなしにアラーム音をたてて各地への警報発令を知らせています。

今日の午後2時過ぎに気象庁が緊急の記者会見を行いました。
正確な情報をつかみたかったので発表約15分と質疑応答35分からなる会見全体をYouTubeで見ました。。

<気象庁臨時会見>西日本・東日本の大雨について 2018-7-5
https://www.youtube.com/watch?v=UyPR7YiU0oA

再生回数が僕が見終えた時点でわずか206回でなんだか残念ですが、気象庁が台風以外、とくに梅雨前線による雨の見通しでこおした記者会見を行うことは異例なことだそうで、ともあれその内容をご紹介したいと思います。
(ただし内容の要点はさまざまなニュースで伝えられていますが)

気象庁が強調していたのは、すでにこれまでも沖縄や九州・四国で多くの雨が降りましたが、さらに「非常に激しい雨が数日間断続的に続き、記録的な大雨になる恐れがある」という点です。

現在、日本中で雨が降っていますが、北日本は今日の夕方までで激しい雨がおさまる見込みとのこと。北日本に激しく雨が降ったのは、対馬海峡付近で台風7号から変わった熱帯低気圧がゆっくりと東南東へ進んだためです。
一方、沖縄地方、大気の状態が不安定で石垣島などで大雨になっており6日にかけてこの状態が続くとのこと。

これに対して中国大陸から西日本、東日本、東北地方へかけては梅雨前線が伸びており、ここに太平洋高気圧から温かく湿った空気が流れ込んで前線が活発化し、広範囲に雨を降らせているとのこと。
しかもこの激しい雨が長く続いて8日にいたる可能性があり、「記録的豪雨」になる可能性があるというのです。
これに伴い、土砂災害、低い土地の浸水、河川の氾濫、落雷や竜巻などの激しい突風が起こることが予想されるので厳重な警戒が呼び掛けられています。

危険が迫っている地域は、少しでも安全な場所へに早めに避難をすること。危険な場所には近づかないことが指摘されています。
なお危険個所は気象庁ホームページに表示された警報・注意報などを参考に把握して欲しいとのことです。

気象庁ホームページ
https://www.jma.go.jp/jp/warn/

今後の予想ですが各地の「警報級注意報級になる期間」が示されました。
関東・甲信・中国地方は7日まで警報級が続くそうです。
北陸・東海・近畿・四国・九州北部南部は8日まで続くとのこと。東北地方は7日まで。
北海島と沖縄は5日いっぱいですから明日には解除される予想です。

今後の雨量の予想で6日12時までにもっとも多く降るのは東海で450ミリ。
以下、四国400ミリ、近畿350ミリ、関東甲信300ミリ、北陸250ミリ、九州南部・奄美250ミリ、九州北部200ミリ、中国150ミリ、東北80ミリ、北海道60ミリと予想されています。

7日12時までは東海が300~400ミリ、四国300~400ミリ。
関東甲信、北陸、近畿、九州北部、九州南部・奄美が200~300ミリです。

8日にかけての降水量の予想は現在の技術では無理とのことでした。
これだけ前線が伸びて広範な地域に雨が広がっていると、条件次第でいろいろな変化が起こるそうで、どこがどれだけ激しくなるかなども極めて予想しずらいとのこと。
それだけで各地で警戒を強化して欲しいという提言が繰り返しなされていました。
ともあれこれから8日まで雨が続くことで、西日本と東日本のかなり広範な地域が記録的豪雨を受ける可能性があります。

ちなみに今日一日、正確には4日午後9時から5日午後9時までの京都市の降水量は147.0ミリです。アメダスのデータによるものです。
https://tenki.jp/amedas/6/29/61286.html

では京都市の年降水量はというと1491.3ミリです(統計期間:1981~2010)。つまり1日で年間の10分の1の雨が降ったことになります。平均値にして一月分を大きく越えています。
https://weather.time-j.net/Climate/Chart/kyoto

午後2時の発表で東海では6日12時までに450ミリの雨が降ると予想されていました。その一日後までの予想は300~400ミリでした。中央値をとって350ミリと考えるならわずか二日で800ミリ降ることになります。
では名古屋市を調べてみると年間降水量は1535.3ミリ(統計期間:1981~2010)です。なんと年間降水量の半分以上が2日で降る可能性があるわけです。
https://weather.time-j.net/climate/chart/nagoya

年間降水量の半分以上が今後7日までに降るかもしれないこと、さらにその先、8日まで激しい雨が続く可能性があることを私たちは肝に銘じておくべきです。
その場合、これまでの災害対策の想定を越えてしまい、大きな被害が出る可能性があります。だからこそ、念には念を入れて、災害に備えることが大切です。

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