9月5日に亡くなったという。
自分の場合、原節子というと小津安二郎の作品が主で、「晩春」「麦秋」「東京物語」を見て、映画に開眼したと思っている。
「東京物語」は自分も高齢者となった現在、人生の実相を描き切ったという意味で身にしみる。
合掌。
(追記)
日経新聞に載っている代表作を眺めると、戦時中は空白になっている。軍国主義は原節子は似合わない。
映画評論家の佐藤忠夫は原節子を戦後民主主義のシンボルとして見たようである。
しかし、どうなのだろうか。義兄の熊谷久虎は国粋主義者であり、原節子が影響を受けなかったはずがない。
タブーとして封印されているのかもしれない。男関係同様に。
いずれ封印されたものを明らかにする評伝が執筆されるだろうが、それまで私の命がもつのかどうか、あやしくなっている。
原節子は、戦時中に「望楼の決死隊」という映画に出演してる。日本版の西部劇で、インディアンが匪賊、騎兵隊が警備隊がという、面白い映画だった。
この映画の中で、原節子が拳銃を撃つ場面もある。戦後の原節子のイメージとはかけ離れているので記憶は鮮明である。
また見てみたいと思うが、DVD化されていない。監督は今井正である。