しかし片手落ちだと言われても、こちらからお願いしてのことでもなし、勝手に乗りこまれてきたわけですから。正直いえば迷惑なことでしたし。そして今また話を聞いてくれと言われても、といった思いです。「思いだしたぞ! あの青びょうたんの足立三郎の、あのときの小娘か。どうにも見覚えがあるとさっきの婦女子も思ったが、当の本人が現れては間違えようもないわ」
善三さんが、はたとひざを叩かれました。「面白い、実 . . . 本文を読む
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