昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~(七十九)  だれなの、そのお二人って

2014-02-08 19:10:24 | 小説
(十一)

「だれ? だれなの、そのお二人って」
「分かんない?」

勝子の目を覗き込みながら、竹田が笑う。
「ま、まさか‥‥」

「分かった? 服部君と山田君だよ。あの二人、姉さんのことを美人だって褒めてた。
二番目に美しい女性だって。一番は、残念ながら、小夜子奥さまだってさ。
小夜子奥さまは嫁がれちゃったから、絶対に姉さんをお嫁さんにしたいってさ」

「からかうんじゃないの! あの二人がそう言うのは、あんたに…」
勝子の声を遮って、竹田が言う。

「違うって! ほんとに、心底からそう思っているんだって。
二人で協定を結んでるんだぜ。お互い、抜け駆けはしない! って。
二人そろって、姉さんの前で告白するって。ほんとにそう言ったんだ」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿