息苦しさを感じ始めた彼に
「どうしたの、声が裏返ってたわよ。
そうそう、ドライブウェイに乗って。
わたし、プラネタリウムに行ってみたいから」
と、貴子の声が明るく車中に響いた。
(どうしてかしら、こんなにポンポンと言葉が出るなんて。
啓治さんの前だと、どうしても身構えちゃうのよね。
だからかしら、真理子ちゃんを連れ出すのは。
一人にさせておけないからなんて言い訳してたけど)。
「お姉さまには聞いてません。
そちらのお嬢さまにお聞きしたのですが」
掛け合い漫才みたいだと思いながら、咳払いをした後に声を整えてから、謙譲語を使いながらも声はぞんざいに答えた。
「アラ、失礼しました。
どうせわたしは、刺身のつまでございます。
お邪魔虫でございますわ」
軽く受け流す貴子の言葉に、車中に笑い声が起こった。
(ありがとう、貴子さん)。
声にはしない彼だったが、改めて貴子の機転の早さに舌を巻いた。
「真理子お嬢さま、そこでよろしいですか?」
「はい。まだ行ったことがないですから」
真理子の蚊の鳴くような声が、身震いしてしまいたいような可愛い声が、彼を包んだ。
(もういい。これで帰ることになっても文句は言わない)。
「どうしたの、声が裏返ってたわよ。
そうそう、ドライブウェイに乗って。
わたし、プラネタリウムに行ってみたいから」
と、貴子の声が明るく車中に響いた。
(どうしてかしら、こんなにポンポンと言葉が出るなんて。
啓治さんの前だと、どうしても身構えちゃうのよね。
だからかしら、真理子ちゃんを連れ出すのは。
一人にさせておけないからなんて言い訳してたけど)。
「お姉さまには聞いてません。
そちらのお嬢さまにお聞きしたのですが」
掛け合い漫才みたいだと思いながら、咳払いをした後に声を整えてから、謙譲語を使いながらも声はぞんざいに答えた。
「アラ、失礼しました。
どうせわたしは、刺身のつまでございます。
お邪魔虫でございますわ」
軽く受け流す貴子の言葉に、車中に笑い声が起こった。
(ありがとう、貴子さん)。
声にはしない彼だったが、改めて貴子の機転の早さに舌を巻いた。
「真理子お嬢さま、そこでよろしいですか?」
「はい。まだ行ったことがないですから」
真理子の蚊の鳴くような声が、身震いしてしまいたいような可愛い声が、彼を包んだ。
(もういい。これで帰ることになっても文句は言わない)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます