「ハイ、ハイ、みんなサービスよろしく! お一人さま、またまたのご来ー店だよ!」
耳をつんざくような騒音の中、二人掛けのソファに案内された。
薄暗い店内で、ミラーボールの光が グルグルと回っている。
赤・青そして緑の光が、洪水となって店内を走り回っている。色の倒錯、交錯。
天井といわず壁といわず、その色はあらゆる物にしみ込んでいた。
音が激しい。
流れる音楽に負けじと「あ、それ! あ、それ! かもがネギしょって、それそれそれ!」と、大声でがなり立てている。
そして、爆裂音。
あらゆるコミニュケーションを拒否するが如くに、それぞれの楽器がその存在感を主張する。
「ご指名はございますか?」
耳元に、大声が入ってきた。
これ程の音が何故必要なのか、後になって男にわかった。
男は、呼び込みの男に聞いたホステスの名前を告げた。
「若い娘ばかりだから 心配ないよ、お客さん。
ええっと、グラマーと言えばマリちゃんだね、絶対だよ」
親指を立てて、間違いないからと念を押している。
内心期待しつつも、ダメで元々だと考えた。
「こんばんわあ、マリでえす! 今夜は、楽しみましょうねえ」
男の首に手を回して、ぴったりと体を密着させながら耳元で明るく声をかけてきた。
〝そうか、この騒音はこの為か〟と、男は店の方針に納得した。
体を寄せての会話など、一般のキャバレーでは常連客でなければできないことだ。
耳をつんざくような騒音の中、二人掛けのソファに案内された。
薄暗い店内で、ミラーボールの光が グルグルと回っている。
赤・青そして緑の光が、洪水となって店内を走り回っている。色の倒錯、交錯。
天井といわず壁といわず、その色はあらゆる物にしみ込んでいた。
音が激しい。
流れる音楽に負けじと「あ、それ! あ、それ! かもがネギしょって、それそれそれ!」と、大声でがなり立てている。
そして、爆裂音。
あらゆるコミニュケーションを拒否するが如くに、それぞれの楽器がその存在感を主張する。
「ご指名はございますか?」
耳元に、大声が入ってきた。
これ程の音が何故必要なのか、後になって男にわかった。
男は、呼び込みの男に聞いたホステスの名前を告げた。
「若い娘ばかりだから 心配ないよ、お客さん。
ええっと、グラマーと言えばマリちゃんだね、絶対だよ」
親指を立てて、間違いないからと念を押している。
内心期待しつつも、ダメで元々だと考えた。
「こんばんわあ、マリでえす! 今夜は、楽しみましょうねえ」
男の首に手を回して、ぴったりと体を密着させながら耳元で明るく声をかけてきた。
〝そうか、この騒音はこの為か〟と、男は店の方針に納得した。
体を寄せての会話など、一般のキャバレーでは常連客でなければできないことだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます