昭和の恋物語り

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長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~(七十七) ほんと、極楽極楽

2014-01-06 21:43:05 | 小説
(一)

「まあまあ、そんなことを。
勝子、何ですよ! 起きなさい、ほんとにもう。
申しわけありません、小夜子奥さま」

「だって…。すごく気持ち良いんですもの。
お母さんみたいに、お義理でさするのとは違って。

小夜子さん、心がこもってるもの。
ほんと、極楽極楽」と、うつぶせのままの勝子だ。

「小夜子奥さま、もう結構でございますよ。
どうぞこちらでお手を洗ってくださいな。

勝利、お膳の用意をして。
ほらっ、勝子! いいかげんにしなさい!」

「はぁい! お腹も減ったことだし。
勝利、まずちゃぶ台でしように。

あんたはほんとに段取りが悪いんだから。
キチンと会社では仕事できてるの? 

なんか、心配になってくるわ。
母さん、台拭きは? 

母さんも人に言いつける時には、用意ぐらいしておいてよね。
勝利、お茶碗を出しなさい。

お客さま用もね。
それから小夜子さんは、あたしの隣よ。いいわね」


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