昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~ (七十三) 木の香が漂う湯船に浸かり

2013-12-03 20:08:55 | 小説
(三)

「お疲れになられたでしょう? 
お風呂のご用意ができておりますが、いかがです? 
その間に、お夕食の支度をしておきます」

「そうね、そうするわ。
お夕食、軽めにしてね。会社で、少し頂いてきたから」

「そうですか、分かりました。
それじゃあ、胃へのご負担を考えて、おうどんにでも致しましょうか?
玉子を乗っけた月見うどんなどは如何です?」

「あら、美味しそうね。それじゃあ、それをいただくわ」

木の香が漂う湯船に浸かり、木の縁に両手を置いてゆったりとした気分に浸る小夜子。
田舎の五右衛門風呂では、こうはいかない。
心底から心が開放されていく思いがする。

“お風呂って、どうしてこんなにゆったりとした気分になるのかしら。
誰かが言ってたけど、母親の胎内にいる感覚なのかしら。

日本人の温泉好きは、そんなところから来てるのかしらね。
そうだわ。新婚旅行は、海辺の温泉旅館がいいわね。

お昼は海で遊んで、夜はゆっくりと温泉に入って。
うふふ…”


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