(七)
「小夜子嬢のご尊父さまに、小夜子嬢との婚姻のご了承を得たく、
本日は失礼を顧みずに……」
怪訝そうに武蔵を見る茂作翁だった。
小夜子の嫁取りについては、先日の五平によって知らされている。
外堀はおろか内堀すら埋められている。
茂作に否やの余地はない。
茂作の不機嫌な表情に、小夜子が武蔵を制して
「だからね、あたしをお嫁さんに欲しいから、
お父さんの了解が欲しいということなの。」
と、説明した。
「今さらそんなこと……。
あの加藤とか言う、ご仁に言われたわ。
わしが反対することなんぞ、ありゃせん。」
肩を落として呟くように言う。
囲炉裏の灰をいじりながら、
「てっきり、正三の嫁になると思うとっとたが。
いつ、心変わりをしたことやら。
そんな娘だとは、ついぞ思わんかった。」
ぐさりと小夜子の心を抉る言葉を、茂作が投げつけた。
「小夜子嬢のご尊父さまに、小夜子嬢との婚姻のご了承を得たく、
本日は失礼を顧みずに……」
怪訝そうに武蔵を見る茂作翁だった。
小夜子の嫁取りについては、先日の五平によって知らされている。
外堀はおろか内堀すら埋められている。
茂作に否やの余地はない。
茂作の不機嫌な表情に、小夜子が武蔵を制して
「だからね、あたしをお嫁さんに欲しいから、
お父さんの了解が欲しいということなの。」
と、説明した。
「今さらそんなこと……。
あの加藤とか言う、ご仁に言われたわ。
わしが反対することなんぞ、ありゃせん。」
肩を落として呟くように言う。
囲炉裏の灰をいじりながら、
「てっきり、正三の嫁になると思うとっとたが。
いつ、心変わりをしたことやら。
そんな娘だとは、ついぞ思わんかった。」
ぐさりと小夜子の心を抉る言葉を、茂作が投げつけた。
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