昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

青春群像 初恋物語り [レモンの夕立ち](四)

2023-01-29 08:00:48 | 物語り

シン公が、ラーメンを食べたいと言うと、バーガーにして!と言います。
シン公が、公園でゆっくりしようと言うと、映画が観たい! と言います。

ボーリングに行こうと誘うと、レコードを聴きたいと言います。
シン公が、ストロベリー味のアイスクリームを買うと、チョコレートが良かったのに! と、言います。

でも、どんなにやんちゃを言っても、いつでもシン公は、笑っています。
ちっとも、怒ってくれないのです。
いつまでも、子供扱いするのです。

目を閉じてキスをせがむと、おでこに軽くチュッ! と、してくれるだけなのです。


時折シン公は、ロマンチストになります。
甘い恋の囁きを、口にすることがあります。

でも決まって、ひと言付け足すのです。
“アコには、早すぎるかな?”

そしてそれは、照れ隠しとも取れるし、本心とも思えるのです。

アコは、いつも焦っています。
シン公には、アコの知らない女の人が居るらしいのです。

高校の先輩らしいのですが、話してくれないのです。
どうやら憧れの女性らしいのですが、どこの誰とも分からないのです。

 



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