昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~ふたまわり・第一部~(六)の二

2011-05-05 11:00:14 | 小説
“早朝の呼び出しというのは、
どういうことだ?
お願い、だって?
なにか、やっぱり・・
なにかあるんじゃないか?”

駅舎の時計をのぞくと
、五時二十三分を指している。
先ほどのぞいた時は、
二十分だった。
“えぇ!嘘だろう。
まだ、三分?
十分は経ったろうに。
この時計、
おかしいんじゃないか?”
ブツブツと一人こぼす愚痴も、
小夜子からの呼び出しとなれば、
さほどに苦にもならない。
“あぁ、
どんな用事なんだろう・・”
心臓の高鳴りが、
耳に届いてきた。
心拍数が、
短距離を走ったときほどに上がっている。
そんな気がしている。
“えっと、
お金は・・と。
うん、あるある。
念のために、
参考書代も持ってきてる。
万が一だ、
万が一にも、
隣町に出かけるといったことにでもなれば・・”


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