(七)
「だからね、その微熱が出なくなったらって、お医者さまも仰ってたじゃないの。
そしたら退院だって、仰ってるでしょ」
勝子の祈るような仕草に胸を痛めつつも、叶えさせることはできない。
医師から告げられている
「いつ悪化するやもしれません。決してムリはさせないように」
という言葉が、重くのしかかっている。
「じゃあさ、こうしましょ。十日、いえ一週間お家に居させて。
勿論具合が悪くなったら、すぐに病院に戻るし。
お薬だって、キチンと飲むわ。ね、ね、そうさせて。
お母さん、明日、先生にそう言ってきてよ。あたし、お家で待ってるから」
「でもね、勝子。家に居ても、何もできないよ。
大人しく寝てなきゃだめなのよ。そんなの、いやでしょ?
だから、もう少し辛抱してちょうだいな」
駄々をこねる勝子を叱ることはできない。
ただただ、気持ちを落ち着かせることだけだった。
「だからね、その微熱が出なくなったらって、お医者さまも仰ってたじゃないの。
そしたら退院だって、仰ってるでしょ」
勝子の祈るような仕草に胸を痛めつつも、叶えさせることはできない。
医師から告げられている
「いつ悪化するやもしれません。決してムリはさせないように」
という言葉が、重くのしかかっている。
「じゃあさ、こうしましょ。十日、いえ一週間お家に居させて。
勿論具合が悪くなったら、すぐに病院に戻るし。
お薬だって、キチンと飲むわ。ね、ね、そうさせて。
お母さん、明日、先生にそう言ってきてよ。あたし、お家で待ってるから」
「でもね、勝子。家に居ても、何もできないよ。
大人しく寝てなきゃだめなのよ。そんなの、いやでしょ?
だから、もう少し辛抱してちょうだいな」
駄々をこねる勝子を叱ることはできない。
ただただ、気持ちを落ち着かせることだけだった。
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