(六)
「姉さん、無茶を言っちゃだめだよ。
先生のお許しをもらわなくちゃ。
とりあえず今日は戻ろうよ。
明日にでも、先生に話せば良いじゃないか」
「勝子。我がままを言っちゃいけません。
もう少しでしょうに、もう少し辛抱すれば、ほんとに退院できるんだから」
「いやよ、もう。かれこれ、ひと月よ。
熱も殆ど出ないし、出ても微熱じゃないの。
それも、夕方でしょ?
動きすぎた時に出るだけなんだから」
三人の間で押し問答が続いた。
ひとり蚊帳の外の小夜子ではあったが、病で亡くした母親のことが思い出された。
いたたまれなくなった小夜子は、そっと部屋を出た。
「姉さん、無茶を言っちゃだめだよ。
先生のお許しをもらわなくちゃ。
とりあえず今日は戻ろうよ。
明日にでも、先生に話せば良いじゃないか」
「勝子。我がままを言っちゃいけません。
もう少しでしょうに、もう少し辛抱すれば、ほんとに退院できるんだから」
「いやよ、もう。かれこれ、ひと月よ。
熱も殆ど出ないし、出ても微熱じゃないの。
それも、夕方でしょ?
動きすぎた時に出るだけなんだから」
三人の間で押し問答が続いた。
ひとり蚊帳の外の小夜子ではあったが、病で亡くした母親のことが思い出された。
いたたまれなくなった小夜子は、そっと部屋を出た。
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