マンションの郵便受けに目がいった。
白い封筒が入っている。
切手がないところをみると、直接入れられた物のようだ。
ダイレクトメールかとも思ったが、宛名の字を見て嫌な気がした。
麗子からの手紙だった。
破り捨てようかとも思ったが、結局封を開けた。
「明日の夜、また来ます。寄り道せずにお帰り下さい」と、あった。
今更何の用だと、くしゃくしゃにするとゴミ箱に放り込んだ。
ミドリとの楽しい思いが汚されたような気がした。
「会いに来るだと。俺の部屋に来るとは、どういうことだ。外ではなく、俺の部屋にだなんて…」
吐き捨てるようにつぶやいた。
翌日、いつもとは打って変わって 忙しく追われた。
通常ならば 翌日に手渡す資料類に至急という文字が、そこかしこの部署から入った。
少し景気が戻っているのかと、気持ちが高ぶった。
ひょっとして、元の部署に戻れという辞令がと、淡い期待を抱かせる。
そんな甘いものじゃないだろう、会社は。
と己を戒めたが、それでも一日中、そのことが頭を離れない。
「最近になってわかったことだけど…」
以前に席を並べていた同僚から聞かされた。
「資料の置き忘れ事件は、君のライバルだったKの、妬みからきた嫌がらせだってさ」
勿論その男は解雇された。
しかし男にしても、会社からの持ち出しの事実は消えない。
不注意のそしりは免れない。
白い封筒が入っている。
切手がないところをみると、直接入れられた物のようだ。
ダイレクトメールかとも思ったが、宛名の字を見て嫌な気がした。
麗子からの手紙だった。
破り捨てようかとも思ったが、結局封を開けた。
「明日の夜、また来ます。寄り道せずにお帰り下さい」と、あった。
今更何の用だと、くしゃくしゃにするとゴミ箱に放り込んだ。
ミドリとの楽しい思いが汚されたような気がした。
「会いに来るだと。俺の部屋に来るとは、どういうことだ。外ではなく、俺の部屋にだなんて…」
吐き捨てるようにつぶやいた。
翌日、いつもとは打って変わって 忙しく追われた。
通常ならば 翌日に手渡す資料類に至急という文字が、そこかしこの部署から入った。
少し景気が戻っているのかと、気持ちが高ぶった。
ひょっとして、元の部署に戻れという辞令がと、淡い期待を抱かせる。
そんな甘いものじゃないだろう、会社は。
と己を戒めたが、それでも一日中、そのことが頭を離れない。
「最近になってわかったことだけど…」
以前に席を並べていた同僚から聞かされた。
「資料の置き忘れ事件は、君のライバルだったKの、妬みからきた嫌がらせだってさ」
勿論その男は解雇された。
しかし男にしても、会社からの持ち出しの事実は消えない。
不注意のそしりは免れない。
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