やっとの思いでアパートに辿り着いた彼は、玄関先の郵便受けに視線をやった。
いつもは空のそこに、白い封筒らしきものが見えた。
「お母さんからかな? そういえば、手紙を出していないや」
手にした封筒には、「ボクちゃんへ」とあった。
「えっ? 牧子さんからだ」
慌てて部屋に戻ると、封を開けた。
ボクちゃん
長いこと、ほったらかしでごめんね。
やっと残業から解放されると思ったのも束の間、実家に急遽帰ることになりました。
勿論、また戻ってきます。
唯、いつ戻れるか…はっきりしません。
というのも、ボクちゃんには話していなかったけれども、父が痴呆状態にあるのです。
母親が介護していたのですが、無理がたたったのか寝込んでしまいました。
入院しなければならないのです
。放っておくわけにもいきません。
隣のおばさんから、電話が入ったの。今から、帰ります。
ボクちゃんを一人にするのは、すごく心配です。
モテモテのボクちゃんだもんネ。
ホントは、ボクちゃんに会って帰りたいけれども、そうもいきません。
ゴメンネ! なるべく早く帰ってきます。
お姉さんの部屋で、お姉さんの好きなシルビー・バルタンでをいてくれなきゃ、厭だかんね。
戻ったら、いっぱい、いっぱい、イチャイチャしようネ。
浮気は、だめだよ。ウフフ…
大好きなボクちゃんへ 牧子より
いつもは空のそこに、白い封筒らしきものが見えた。
「お母さんからかな? そういえば、手紙を出していないや」
手にした封筒には、「ボクちゃんへ」とあった。
「えっ? 牧子さんからだ」
慌てて部屋に戻ると、封を開けた。
ボクちゃん
長いこと、ほったらかしでごめんね。
やっと残業から解放されると思ったのも束の間、実家に急遽帰ることになりました。
勿論、また戻ってきます。
唯、いつ戻れるか…はっきりしません。
というのも、ボクちゃんには話していなかったけれども、父が痴呆状態にあるのです。
母親が介護していたのですが、無理がたたったのか寝込んでしまいました。
入院しなければならないのです
。放っておくわけにもいきません。
隣のおばさんから、電話が入ったの。今から、帰ります。
ボクちゃんを一人にするのは、すごく心配です。
モテモテのボクちゃんだもんネ。
ホントは、ボクちゃんに会って帰りたいけれども、そうもいきません。
ゴメンネ! なるべく早く帰ってきます。
お姉さんの部屋で、お姉さんの好きなシルビー・バルタンでをいてくれなきゃ、厭だかんね。
戻ったら、いっぱい、いっぱい、イチャイチャしようネ。
浮気は、だめだよ。ウフフ…
大好きなボクちゃんへ 牧子より
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