昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

X’mas version 【 ふたりだけのイヴ 】 地獄編 (一)

2009-12-26 12:51:36 | 小説
「いいのかい?外に出て。
みんなでイブを楽しんでいるようだけど。」

「いいの。
私、みんなでバタバタ騒ぐより、
シンちゃんと歩いていたいの。
それに、
みんなの中で小さくなったシンちゃんを見るの、
嫌だもん。」

「チェッ! 見くびってるナ。」

アコは、
襟に白いフリルの付いたピンクのワンピースに、
真っ赤なコート。

シン公からの贈り物、真っ赤な手袋。
それが、暖かく包んでくれる。

シン公は、
薄いブラウンのスーツの上に、
黒いレインコート。

アコからの贈り物、手編みのマフラー。
それが、暖かく包んでいる。

「冷えるなぁ、今日は。」

「そうね、雪が降るかもしれないネ。」

白い舗道を、シン公はアコの肩を優しく抱いて歩く。
シン公に体を預けたアコは、嬉しくて
足が地についていない心地。

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