練習に参加する者はたいてい3・4人ほどで、
対外試合直前に10人ほどが参加してくる。
顧問の教師もいるにはいるが、経験のない名前だけのものだった。
ゆえに、女子部員とともにの練習の日々である。
といっても、女子部員たちの休憩時間中だけだが。
なにせ女子は県大会の常連だ、この学校では運動部で、一、二を争う勢いのあるチームだから。
わたしにたいする、ヒネクレ派の冗談混じりの
“体力づくりにでも参加しろよ”という、誘いにすぐに乗ったのは、その女子生徒が部員だったせいだった。
ひょっとするとヒネクレ派は、そんな真面目派の思いに気づいていたのかもしれない。
もっとも、話をする機会もなく、話しかけることもできずにはいた。
それでも、真面目派の男にとっては、同じくうきを吸っているだけで幸せな気分にひたっていた。
ヒネクレ派の話から聞こえてくるその女子生徒は、タイプとして内向的な男はキライだという。
それが少なからず、真面目派の男にショックを与えた。
そのことからの、発奮であった。
”十七歳を境とし、過去と決別する!”
そんな決意は、だれも知らない。もちろん、ふたりも。
しかし、その兆候は見えはじめた。
体力づくりと称してのランニングだけとはいえ、部活動への参加。
そして自習時間中の発言。この男にとっては、並々ならぬ精進である。
肉体的苦痛はさほどでもないが、精神的苦痛ははげしい。
ときとして、喉がヒリヒリとするほどに緊張している。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます