昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

僕の女王様は妹 (百十七)

2010-12-15 22:45:46 | 小説
それでですねえ、
へへ・・。
聞きたいですか?
どうしようかなあ・・、
あっ、そんな!
話しますよ、
だから聞いてくださいよ。
こんな経験、
初めてなんですから。

人気の無い、
河川敷に車を止めたんです。
月明かりだけの場所なんです。

「ここね、
あたしの秘密の場所なのよ。
誰にも教えてないの、
静かでしょ。
一人になりたい時、
此処に来るのよ。
だからね、
悟君だけなの。
言わないでよ、
誰にも。
きっとよ、
内緒にしてね。」

甘ったるい声で言うんです。
もう、
ドキドキです。
じっと、
膝ばかり見てました。
違いますよ、
自分の膝ですってば。
美里なんか、
見てられないです。

「ねえ、
悟君・・
彼女なんか、
居るの?
うぅん、
居てもいいわ。
美里も、
彼女の一人にしてくれるかなあ。」
「そ、そんな、
か、
彼女なんて居ません。」

喉がひり付いて、
声なんか上ずってたと思います。
「そうなの!
良かった、
じゃあさ、
美里だけにしてね。
約束よ、
ねっ!」って、
僕の頬っぺたにキスしてくれました。
天にも昇る、
って感じでした。


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