人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィルの室内楽シリーズを聴いてきました

2011年02月23日 23時34分09秒 | 日記
23日(水)すみだトリフォニーホール(小ホール)で新日本フィルの室内楽シリーズ「音楽家たちの饗宴2010-2011~今年は、ベートーベン!~」を聴いてきた。昨年から始まったシリーズで昨12月に前半4回が終わり、今日が後半のスタート。最初のうちは「このシリーズ、あまりパッとしないな」と思っていたが、第3回目にベートーベンの七重奏曲作品20を聴いた時に「ベートーベンってやっぱりいいなあ」と改めて感じた。とくにバイオリンの山田容子さんとクラリネットの重松辰巳江さんの掛け合いが絶妙な対話になっていて、室内楽の醍醐味を十分堪能できた。そういうこともあって、後半も定期会員を継続することにしたものだ。

第5回目の本日のプログラムは前半がショスタコービチの「ピアノ三重奏曲第2番」、後半がベートーベンの「弦楽四重奏曲第7番・ラズモフスキー第1番」。ショスタコービチはバイオリン:佐々木絵里子、チェロ:弘田徹、ピアノ:中村真里が演奏した。第1楽章は冒頭、チェロが高音部ですすり泣く様なテーマを奏でるが、弦をこするナマの音なのかゴーゴーという風のうなりのような音が聞こえてきたのにはすこし驚いた。

気になったのは25分足らずの曲なのに各楽章ごとにチューニングをやり直していたことだ。たぶん、小ホールなので天井が低く照明装置と楽器との距離が近いせいで温度が上がり弦の張りに影響を与えたのではないか、と思う。

この曲も反体制音楽家の目に見えない抵抗が現れているといわれているが、演奏だけをとってみれば、第2楽章のスケルツォがスピード感にあふれ諧謔的に表現されたみごとなアンサンブルだった。

ラズモフスキーは第1バイオリンをコンマスのチョイ・ムンス、第2バイオリンを中矢英視、ビオラを中村美由紀、チェロを花崎薫が演奏した。チョイは新日フィルの定期公演を見るとわかるが、椅子を極端に高く調整して座る。コンサートマスターは、他の演奏者が見え易いようにそのようにするのだが、チョイの場合は極端で、中腰でバイオリンを弾いているのではないか、と思うほど腰の位置が高い。

しかし、弦楽四重奏である。オーケストラではない。一人一人がお互いの顔が見える位置にいる。それでもなおかつ椅子を高くしなければならない理由は何か?かつてバリリ弦楽四重奏団に代表されるような、第1バイオリンが他のメンバーをひっぱっていくタイプのグループが一世を風靡したが、そうした方向性を目指したのだということを目に見える形で現したものなのか?答えは本人しかわからない。機会があったら聞いてみたいものだ。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする