人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「決定版カフカ短編集」(頭木広樹編)を読む ~ 「判決」「火夫」「流刑地にて」「田舎医者」「断食芸人」「父の気がかり」などカフカ自身が評価していた作品などを収録

2024年07月06日 00時07分40秒 | 日記

6日(土)。先日受診した「胃がん検診」「肺がん検診」の結果が相次いで送付されてきました 「胃がん検診」(胃カメラ)については「軽度初見あり」ですが、「今回の検診結果では、軽度の所見が認められるものの特に治療等の必要はありません」とのことでした 「肺がん検診」については、「胸部X線撮影」「胸部CT検査」ともに「著変を認めません」でした

これを受けて、昨日午前、整骨院の帰りに近所の行きつけのクリニックで「特定健診」(健康診断)を受診してきました 採尿、採血、心電図、胸部レントゲン、血圧など一通り検査しましたが、現時点では特に異常はないとのことでした 驚いたのは①体重が減り元に戻っていたことと②血圧が正常値に戻っていたことです 何かの間違いではないかと思い、家に帰って測ってみたら、体重は今年1月に3キロ位増えて67キロ前後あったのが、現在はマイベスト体重の63.8キロまで落ちていました また血圧は1月には高145前後:低80以上だったのが昨日は高127:低76まで落ちていました この要因をつらつら考えてみると、今年2月以降は腰痛のため1日8000歩のノルマはとても達成できず運動不足だったにも関わらず、断酒したのが一番大きいのではないか、と思いました 2週間に1度の唐揚げの日はビールを飲んで(180㎖1缶)いますが、それ以外は飲んでいません 血圧に関しては、以前よりこまめに水分を採るようになったことも大きいと思います このことから得られる教訓は、また毎日お酒を飲むようになると体重は増えるし血圧も上がる可能性が高いということです 今のペースを守ろうと硬く決心するtoraでした

ということで、わが家に来てから今日で3462日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は4日、ウクライナ侵攻をすぐに止められるとのトランプ前米大統領の発言について、「極めて真剣に受け止めている」と述べ、同氏に期待する姿勢を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     プーチンとトランプは 犯罪者同士で 考えることが同じなんだろ 史上最悪コンビだ

         

昨日の夕食は、いただきもののイクラを「イクラ丼」で食べたいと娘が言うので、作りました とは言え、イクラは醤油漬けになっているので、ご飯に乗せて刻み海苔を散らすだけです あとは「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「アサリの味噌汁」を作りました

     

         

「決定版カフカ短編集」(頭木広樹編:新潮文庫)を読み終わりました フランツ・カフカ(1883-1924)はオーストリア=ハンガリー帝国領の主都プラハで、ユダヤ人商家に生まれる プラハ大学で法学を修めた後、半官半民の「労働者傷害保険協会」に勤め、サラリーマン生活を送りながら、ドイツ語で小説を書いた。いくつかの作品を新聞や雑誌に発表し、「変身」などの単行本を数冊出す。しかし、生前はほとんど評価されず無名だった 1917年、34歳の時に喀血し、1922年に労働者傷害保険協会を退職する。1924年6月3日、41歳の誕生日の1か月前、結核で死亡した。労働者傷害保険協会に真面目に務めた日々は、官僚機構の冷酷奇怪な幻像を生む土壌となった 3度婚約するが、3度婚約解消し、生涯独身で子どももなかった 生前発表された「変身」、死後に注目を集めることになる「審判」「城」等、人間存在の不条理を主題とするシュルレアリズム風の作品群を残した 現代実存主義文学の先駆者

     

巻末の「編者解説」で頭木広樹氏は「新潮社の文庫に、なぜかこれまでカフカ短編集がなかった 今回が初めてだ。となると、これはもう「これだけ読んでおきたいカフカ!」「カフカの短編を読むなら、まずこれから!」と断言できる、王道のセレクトをするしかない」として、次の15編を選んでいます

「判決」「火夫」「流刑地にて」「田舎医者」「断食芸人」「父の気がかり」「天井桟敷にて」「最初の悩み」「万里の長城」「掟の問題」「市の紋章」「寓意について」「ポセイドン」「猟師グラフス」「独身者の不幸」

頭木氏によると、上記のうち「判決」から「父の気がかり」までが、カフカ自身が評価していた作品で、「天井桟敷にて」以降がカフカ・ファンに長年にわたり読み継がれてきた作品ということになります

本書は本文だけで220ページ程度しかないので、すぐに読み切ると甘くみていたのが大間違いでした 細かい文字でびっしり埋まっているので、実質的に2倍くらいの情報量があるのではないかと思われます しかも”不条理のカフカ”です。読んでいても、そう簡単に頭に入ってこないのです 就寝前に読みながら、何度寝落ちしたかしれません

例えば「判決」は父親との対峙を描き、「流刑地にて」は特殊な拷問器具に固執する士官の告白を描き、「断食芸人」は檻の中での断食を見世物にする男の生涯を描いていますが、なぜカフカはこうした内容のストーリーを書かなければならなかったのかさっぱり分かりません

幸い巻末の「編者解説」で頭木氏が各作品の背景等について解説を加えているので、読むうえで参考にはなりますが、1度読んだ程度ではとても理解できないない内容です

文体として驚いたのは「天井桟敷にて」です たった2ページ、24行の作品ですが、この中で使われている句読点のうち句点(「。」)は3カ所しかありません 最初の9行を読点(「、」)で繋ぎ「~と、大声で叫ぶかもしれない。」で閉じます。そして「だがそんなことは起きないのだ。」という文章が続き、その後の14行を読点で繋いでいき「われとも知らず涙にくれる。」で終わります はっきり言ってこれは典型的な悪文です 主語と述語の間が限りなく遠い恩讐の彼方に離れています これが読んでいて疲れる理由となっています

もし本書の内容を理解することの可不可を問われれば、不可と答えざるを得ません したがって、自分が理解できないものをひと様に推薦することはできませんので、カフカが好きな人、あるいはカフカに興味のある人だけにお薦めしておきます

コメント
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