人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

米澤穂信著「黒牢城」を読む ~ 織田信長に叛旗を翻した荒木村重と人質に取った黒田官兵衛を巡る戦国時代ミステリー:ある意味ミステリーを超えた作品

2024年07月17日 00時01分27秒 | 日記

17日(水)。わが家に来てから今日で3473日目を迎え、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」が使用するデジタルウォレットから15万ドルを超える暗号資産(仮想通貨)がカンボジアの大手決済会社に送られていたことがブロックチェーン(分散型台帳)データで分かった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     北朝鮮は 他国から盗んだ暗号資産を資金洗浄して 核・ミサイル開発を進めている

         

昨日、夕食に「豚バラ茄子炒め」「生野菜のサラダ」「冷奴」「舞茸の味噌汁」を作りました 「豚バラ茄子炒め」は初めて作りましたが、とても美味しかったです

     

         

米澤穂信著「黒牢城」(角川文庫)を読み終わりました 米澤穂信は1978年岐阜県生まれ。2001年「氷菓」で第5回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー 11年「折れた竜骨」で第64回日本推理作家協会賞、14年「満願」で第27回山本周五郎賞を受賞 21年「黒牢城」で第166回直木賞と山田風太郎賞、第22回本格ミステリ大賞を受賞。著書多数

時は「本能寺の変」より4年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立てこもった荒木村重は、反逆の機会をうかがっていた そんな折、黒田官兵衛が織田側の使者として単身で城に乗り込んできた 村重は官兵衛をその場で殺さず地下牢に監禁する。そんな折、城内では不可解な難事件が4件立て続けに起こり、村重は「このままでは兵や民の疑念を晴らすことはできない」と、事件を解決するために動くが、なかなか解決の糸口が見つからない 村重は地下牢に幽閉した”知将”の誉れ高い官兵衛に知恵を貸してほしいと頼むと、彼は事件のヒントめいたことを口にする 事件の裏には何が隠されているのか、黒幕は誰か・・・

     

本書は2021年6月にKADOKAWAから刊行された単行本を2024年6月に文庫化したものです

この小説は「戦国時代ミステリー」とでも呼ぶべき作品です 時代小説特有の「言い回し」をはじめ、地名、人名などが「漢字」でふんだんに出てくるので、現代の小説を読む時のようにスムーズには読めません 本作は本文だけで512ページある超大作で、私は全編読むのに約10時間かかりました 難儀であったな、褒めて使わす しかし「次はどうなるのか」というワクワク感が半端なく、読む手が止まらず ほとんど一気読みしました

第1章「雪夜灯籠」で ほぼ密室状態で人質が殺された事件、第2章「花影手柄」で相手の大将の首が別の首と挿げ替えられた事件、第4章「落日孤影」で罪人が処刑される前に鉄砲で撃たれた事件・・・この3つの事件の影の黒幕は同一人物で、村重に極めて近い人物だったことには驚きました その人物は、なぜそれらの事件を主導したかと問われ、「仏の罰を民に知らしめるため」だったと告白します つまり、「悪事を働けば必ず天罰が下されることを城内の者に知らしめるためだった」と告白したのです

荒木村重は織田側の使者・黒田官兵衛を殺さなかったし、織田の元に帰すこともしませんでした 彼は官兵衛だけではなく、他の人質についても殺しませんでした それは元重の哲学によるものでした

「村重は信長の逆を為すことを決めていた すべて、それであった。なぜ付け城に入っていた織田の目付を生かして返したのか。信長なら殺すからである なぜ高山右近の人質を生かし、阿部自念を生かそうとしたのか。信長なら殺すからである。なぜに黒田官兵衛を生かしておくのか。それは、信長ならば殺すからであった

巻末の「解説」をドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントライン氏が書いていますが、この小説の価値・魅力を次のように書いています

「蓄積されたエネルギーが最大の劇的効果をもって炸裂するのが有岡城内で展開するクライマックス場面であり、ここで本作はミステリでありながら、ある意味ミステリを超越していく

上記の場面に限らず、この小説は「ある意味ミステリを超越している」と思います

オノオノ方、是非にと推薦申し上げるゆえ 覚悟して読破されよ

さて、これで12日(金)から5日間連続で毎日1冊ずつ、前日に読んだ本を翌日朝にブログアップしてきたことになりますが、とくに後半の2冊=彬子女王「赤と青のガウン」(約400ページ)と米澤穂信「黒牢城」(約520ページ)が困難を極めました とにかく読むだけで8時間なり10時間がかかってしまいます これがコンサートや映画だったら、鑑賞時間はせいぜい2時間程度でしょう ブログを書く時間を含めて考えたら、コンサートや映画の方がはるかに”楽”です しかし、現状は 腰痛悪化防止のため、映画鑑賞を控えるようにしている関係で、その分読書が多くなる傾向にあります 腰痛が治るまでは仕方ありません

ということで、今日は8日ぶりにコンサートに出かけます

コメント
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