人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヤン・パスカル・トルトゥリエ ✕ 阪田知樹 ✕ 東京都交響楽団でフローラン・シュミット「管弦楽とピアノのための協奏交響曲」、ショーソン「交響曲変ロ長調」他を聴く

2023年02月15日 07時04分38秒 | 日記

15日(水)。本日、toraブログが開設満12年を迎えました 2011年2月15日に開設以来、身内の不幸で3日間ほどブログ・アップできなかったのを除き、この12年間毎日書き続けて参りました 本日現在のトータル閲覧数は 7,608,002 PV、トータル訪問者数は 2,355,280 IP です。閲覧数が12年間で合計760万8千 PVということは1日平均1737PVとなります これからも1日も休むことなく書き続けて参りますので、よろしくお願いいたします

ということで、わが家に来てから今日で2955日目を迎え、ウクライナの隣国モルドバのマイア・サンドゥ大統領は13日の記者会見で、ロシア、ベラルーシ、セルビアなどの外国人が非武装の市民を装って政府機関の建物を攻撃して人質を取り、ロシアが支配する非合法政府に体制を転換する計画をロシアが企てていると指摘した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「過ちて改めざる これすなわち 過ちという」=プーチン・ロシアに捧げる格言より

     

         

 

昨日、夕食に「シャケの西京焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「豚汁」を作り、「マグロとタコの刺身」と一緒にいただきました 和食はいいですね

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団第967回定期演奏会Bシリーズを聴きました    プログラムは①フォーレ:歌劇「ペネロープ」前奏曲、②フローラン・シュミット「管弦楽とピアノのための協奏交響曲 作品82」、③ショーソン「交響曲 変ロ長調 作品20」です 演奏は②のピアノ独奏=阪田知樹、指揮=ヤン・パスカル・トルトゥリエです

困ったことに、この3曲とも生まれて初めて聴く作品です。CD4000枚、LP1500枚所有しているのに、この3曲についてはカスリもしません いかに偏ったコレクションなのかと自分のことながら呆れます 定期会員でなければ、あえてこのコンサートのチケットは買わないでしょう 逆に言えば、定期演奏会ならではのプログラムで、二度と生で聴けないかもしれない貴重な機会となります 問題は自分にとって「吉」と出るか「凶」と出るか、です

 

     

 

拍手に迎えられて楽員が配置に着きます 弦は16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び。コンマスは四方恭子、隣は山本友重というダブル・コンマス態勢を敷きます

指揮を執るヤン・パスカル・トルトゥリエは往年の名チェリスト、ポール・トルトゥリエの長男として1947年に生まれました BBCフィル首席指揮者、アルスター管弦楽団首席指揮者、ピッツバーグ交響楽団首席客演指揮者などを歴任し、世界各地のオーケストラを指揮しています

1曲目はフォーレ:歌劇「ペネロープ」前奏曲です この歌劇はガブリエル・フォーレ(1845-1924)が1907年から12年にかけて作曲、1913年3月4日にモンテ・カルロで初演され、サン=サーンスに献呈されました ペネロープはホメロスの叙事詩「オデッセイア」で扱われているイタケ王ユリースの妻の名前です

かなり背丈のあるトルトゥリエの指揮で演奏が開始されます。終始穏やかな曲想が淡々と進み、ワーグナーの無限旋律を思い起こさせます 起伏に乏しい曲ながらも良い曲だと思いました

2曲目はF・シュミット「管弦楽とピアノのための協奏交響曲 作品82」です この曲はマスネやフォーレに師事したフローラン・シュミット(1870-1958)がボストン交響楽団の創設50周年を記念する作品として、セルゲイ・クーセヴィツキーの委嘱により1931年に作曲、1932年11月25日にボストンで初演されました 第1楽章「アセ・アニメ(十分に生き生きと)」、第2楽章「ラン(遅く)」、第3楽章「アニメ(生き生きと)」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の阪田知樹は2016年のフランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位、6つの特別賞を受賞しているほか、数々の入賞歴を誇ります 東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学大学院ソリスト過程に在籍中です

トルトゥリエの指揮で第1楽章が開始されます 間もなく阪田の独奏ピアノが入ってきますが、知的で切れ味鋭い演奏は変わりありません この曲はタイトルの通り、『ピアノ協奏曲』ではなく、『管弦楽とピアノのための協奏交響曲』なので、独奏ピアノがオーケストラの中に溶け込んで演奏するスタイルを採りますが、阪田のピアノは強靭で滅多なことでは音が埋もれません オケのフォルテを突き破ってフォルティシモでピアノが立ち上がります 第2楽章の叙情的な演奏も素晴らしい 第3楽章では、バルトークのように、ピアノが打楽器的に扱われ、鋭いリズムを刻みます 独奏ピアノとオーケストラの丁々発止のやり取りでフィナーレに向かいますが、終わりそうでなかなか終わりません まるでドヴォルザークの第8交響曲のようです この執拗な音楽づくりはこの作曲家の性格を表しているのだろうか いずれにしても、阪田の知的で集中力に満ちたアグレッシブな演奏は特筆に値します 若手男性ピアニストの中では一押しのピアニストです

何度もカーテンコールが繰り返されましたが、アンコールはありませんでした。見識です

 

     

 

プログラム後半はショーソン「交響曲 変ロ長調 作品20」です この曲はエルネスト・ショーソン(1855-1899)が1889年から90年にかけて作曲、1891年4月18日にパリで初演されました 第1楽章「ラン(遅く)~アレグロ・ヴィーヴォ」、第2楽章「トレ・ラン(とても遅く)」、第3楽章「アニメ(生き生きと)~トレ・アニメ(とても生き生きと)」の3楽章から成ります

トルトゥリエはこの曲を暗譜で指揮します 何度も指揮して自信があるのでしょう 第1楽章が重厚な序奏で開始されます 何となくワーグナーの滔々たる音楽を思い浮かべます 第2楽章は、ワーグナーの影響をもろに受けているように感じました ショーソンを含めた同時代のフランスの作曲家はワーグナーの影響を相当受けているようです 第3楽章の冒頭は、まるでブルックナーの「スケルツォ」が始まったかのような嵐の音楽を感じました フィナーレに向けてのトランペットの叙情的な演奏がとても印象に残りました

カーテンコールが繰り返され、トルトゥリエが何度も指揮台に上り、満場の拍手に包まれました 言うまでもなく、この日の演奏は「吉」と出ました

 

     


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