人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ソン・ウォンピョン著「アーモンド」を読む ~ 偏桃体が小さく 感情が分からない16歳の少年ユンジュと激しい感情の持ち主の不良少年ゴニの成長物語 / バーチャル・ピアニスト

2024年08月28日 00時07分31秒 | 日記

28日(水)。26日付の日経夕刊に編集委員の瀬崎久真子さんが「技術で広げる音楽の可能性 アニメ ✕ 人、クラシックに『バーチャルアーティスト』」という見出しのもと、8月12日に開かれたフェスタサマーミューザKAWASAKI参加公演「東京交響楽団フィナーレ・コンサート」の模様を書いていました バーチャル・ピアニストの潤音ノクトが原田慶太楼指揮東京交響楽団とガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」を共演した公演です 当日の実演の模様と感想は8月13日付toraブログに写真入りで書きましたので、興味のある方はご覧ください

ブログには書かなかったことで気になる点があったので、ここで書いておきたいと思います

このプロジェクトはドワンゴと、親会社のKADOKAWAが絡んでいることから、当日の模様は「ニコニコ生放送」で中継していたのですが、ステージ下手にテレビカメラが設置されていて、忙しなく上下に動いていました これは演奏を聴く側からは目障りで、はっきり言って邪魔でした 次回も同様の形式で演奏する場合は改善すべきだと思います

ということで、わが家に来てから今日で3515日目を迎え、防衛省によると、中国軍のY9情報収集機は26日午前11時29分頃から約2分間、長崎県五島市の男女群島沖合の日本領空に侵入した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     領海の次は領空の侵犯かよ 覇権主義国・中国の国家拡張志向は 際限なく続くよな

         

昨日、夕食に「白身魚のバジルソテー」「生野菜サラダ」を作り、「十八穀米」と「鮭の刺身」と一緒に食べました 娘が外食だったので一人分作りましたが、美味しかったです

     

         

ソン・ウォンピョン著「アーモンド」(祥伝社文庫)を読み終わりました ソン・ウォンピョンは1979年ソウル生まれ。西江大学校で社会学と哲学を学ぶ。韓国映画アカデミー映画科で映画演出を専攻。2001年「シネ21」映画評論家賞受賞 初の長編小説「アーモンド」でチャンピ青少年文学賞を受賞し、2017年文壇デビュー 「三十の反撃」「プリズム」「TUBE」など著書多数

本書は2019年7月に祥伝社から刊行された作品に、2024年の文庫化にあたり加筆修正を加えたものです

     

「アーモンド」は、人よりも脳の一部である偏桃体(アーモンド)が先天的に小さく、喜びや悲しみ、愛や恐怖や怒りという感情の起伏がほとんど感じられない16歳の少年ソン・ユンジュの姿を通して、「心」とは何か、「感情」とはどんなものかを探る小説です

ソン・ユンジュは病院で「失感情症(アレキシサイミア)」と診断され、15歳の時に祖母やシングルマザーの母が目の前で通り魔に襲撃されても、泣きも嘆きもせずただ傍観していたのだった そんな彼の前に、物心もつかないうちに両親とはぐれ不良少年となったゴニが現れ、不思議な交流が始まる ユンジュは感情の起伏がないことから「怪物」と呼ばれ、ゴニは反対に激しい感情の持ち主で手が付けられないことから「怪物」と呼ばれ、ともにクラスの仲間からも社会からも浮いた存在となっていた そんな彼らが、様々な出来事を経験する中で、失ったものを取り戻しながら成長していく過程が、ユンジュの視点で淡々と描かれていきます

ユンジュは人間の感情が分からないがゆえに、激しい感情の持ち主ゴニの”心”を理解しようとします 一方のゴニは”共感”の意味や”愛”とは何かをユンジュに気づかせます

本書を読んで思い出したのは、ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローで ホワイトで、ちょっとブルー」に出てきた『シンパシー』と『エンパシー』という言葉です ごく簡単に言えば、『シンパシー』は「共感。誰かをかわいそうだと思う感情。同じような意見を持っている人々の間の友情や理解」などを表し、一方『エンパシー』は「他人の感情や経験などを理解する能力」です 「アーモンド」は、ユンジュがゴニとの交流を通じて「シンパシー」と「エンパシー」を学んでいく成長物語と言えるかもしれません


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