toty日記

toty日記です。感想などいただけたら、喜びます。最近mixiに参加、気軽に声をかけてください。

2メートル違い

2014-04-26 22:57:30 | 
ラジオで紹介していた本が面白そうだったので手に入れた。
(ラジオが聞けるので、お時間のある方は楽しんでください、
本で読むのと、朗読で聞くのとは全く印象が違うものです)


文豪の恋文を扱った、半藤一利の「恋の手紙・愛の手紙」なのだが、

その中に、太宰治の富嶽百景で「3778米」なる言葉がひっかかった。

ご存知のように、夫のこだわりで
富士山ナンバーを手に入れて、3776と思っていたからだ。

こういう時は、検索してみる。

「太宰治 富士山 3778m」でぐぐってみたら
同じことを疑問に思った人が質問している文章がみつかった。

答えとして、

「1887年、陸軍参謀本部の測量で3778m、
1926年、関東大震災後の測量やり直しによって、3776mということになりました。
(測量精度が上がったことと、侵食作用が原因といわれてます)

「富嶽百景」が発表されたのは、その後の1939年ですから、
太宰も3776mと記してもよかったんですが、
子供のころに聞き覚えていた高さをそのまま書いたとも考えられます。

ちなみに3775mになるのも時間の問題らしいです。」

とあった。
これで、すっきりした。

ちなみに、「太宰治 富士山 3778m」でググった時、ひっかかった件数は
95件で、これはかなり小さい数字です。
なかなか二ケタしかひっかからないことはないです。

ということで、こんなこと気にしている人は、すっごく少ないということですね。


2メートル違い! クリック!


おかはんをよろしく、ブログもあります!



犬の伊勢参り

2013-12-30 17:23:53 | 
先日の伊勢神宮参拝のちょっと前、
ラジオの書評の番組でとりあげていて、興味を持った本。

仁科邦男著『犬の伊勢参り』(平凡社新書)

これが、伊勢神宮と庶民のかかわりを知る手掛かりになる本。
というよりも、面白くてあっという間に読んでしまったのだが、
お伊勢参りの、さまざまな仕掛け、

お札が降った話、
御師の役割や歴史、
おかげ参りの習慣、

犬が単独で伊勢参りをした話、
犬だけでなく、豚も、牛も参った話。

一生に一度はお伊勢参りをしたいというものの
そう誰でもが、実現できなかった時代に、
抜け参りといって、職場を放棄して仲間で行ってしまうことや

それは本当?と思われることも、この作者は実に沢山の記録を紐解き、
実証していく。

それぞれの時代を記した記録、日記、小説家の覚書等で
この人の書くことは、確かだとか、

この人の見かたはちょっと斜めから穿ってみているがと
注釈を加えながら、現象を解説していく。

その労作も楽しい。

伊勢に出かける前に、この本を読んでから行ったら、
説明されたことが、きっともっとよくわかっただろうと思った。

昔は、犬は共同体で飼っていたこと(里犬)とか
伊勢参りに行く旨書かれたお札を、首にくくりつけ
一緒にくくりつけた路賃を、見つけた人が足し続けて、

最後には、大した財産を持って、故郷へ帰っていく話とか、
日本人ののどかさも、感じ取られた。


今回の遷宮に際して、内宮800万人、外宮500万人の参拝数という。
足して1300万人といっているが、内宮・外宮で重複があるから、
1300万人はオ-バーとしても、すごい数である。

やはり、過去にも日本人の約一割が参拝した記録がその時々の記録として
残っているそうな。

そうそう、他の観光地では多く見られた外国人の姿がほとんど見られなかったのが
気のついたことだった。


犬の伊勢参り! クリック!


おかはんをよろしく、ブログもあります!

どちらも強い女と思われている

2012-11-14 15:58:06 | 
K会館の総会に出席する舅を送っていき、正会員でない私は
ロビーにおいてある本を読んで待っていた。

曽野綾子の「人間の基本」。
ここは新刊の本が置いてあるので、時間があればいくらでも時間つぶしができる。

曽野綾子、おおはるさんが好きだったなと思いながら
ずばずばと言い切っている内容が小気味いい。


先日は、ラジオを聴いていて面白かった小島慶子の「武装解除」を読む。

この人も、思うままを、誤解を恐れず言い続けるところが面白い。

ちょうど、昨夜、強い女として取り上げられたテレビ番組で
いよいよ面白い人物として印象深かった。

どちらも、論調が好きだ。


どちらも強い女と思われている! クリック!


おかはんをよろしく、ブログもあります!

読んだ本

2012-07-06 21:58:34 | 
このところ立て続けに精神医療関係の本を読んだ。
最後の「閉鎖病棟」は小説だが、精神病院に入院することを
患者の側から見たもの。とてもいい本だった。

精神病をいっぱひとからげに論じることのこわさ、
一人一人の人間としての見方。

いいお医者さんと出会うことの重要性。

知らないことによる、意味のない偏見。

姑を入院させた時のいきさつや、気持ちを思い出しながら読む。


精神科ER 鍵のない診察室 (集英社文庫) 備瀬 哲弘
精神科ER 緊急救命室 (集英社文庫) 備瀬 哲弘

狂気の偽装―精神科医の臨床報告 (新潮文庫) 岩波 明

閉鎖病棟 (新潮文庫) 帚木 蓬生


読んだ本! クリック!


おかはんをよろしく、ブログもあります!



かもめ食堂みたいな…

2012-06-26 10:34:42 | 
普段、どうしても車を使ってしまうことが多いので
気が向くと近所を散歩するようにしている。

いつだったか、いつもは行かない方向に歩いていったら
狭い通りの角に、古本屋さんがあった。
聞けば、今年になってから開店したという。

若い男性がレジにいる。

近くに女子美があるので、
ちょっとしゃれた雑誌が、それらしく飾ってある。
でも、お店の本棚数から言って、うちより少ない。

店長一人のお店のようだ。
それ以来通りかかっても、人が入っているのをみたことがない。

この間は、勇を奮って入って、
(入ったからには買わずに出られない雰囲気があるので)

結局、群ようこの「かもめ食堂」と奥田英朗の「ガール」を
買ってきた。

たまたまテレビで「かもめ食堂」をみたばかりだったので
朝、早く目が覚めてしまったときに、読んでみた。

映画のために書き下ろしたとのことだったので
映画で「不思議」だった部分が、解明されて面白かった。

配役が決まっていて書いたのか、本を読んでいても
それぞれの俳優が動き出す感じがする。

これを読んでからもう一回みたらもっと、面白いだそう。


で、あの古本屋さん、大丈夫かしら。
「かもめ食堂」を覗いていたフィンランド人になった気分。

1時間で読めてしまうので、
本を正価で買ったら物足りないかもしれないが
何せ、古本だから、OK。


かもめ食堂みたいな…! クリック!


おかはんをよろしく、ブログもあります!

密度の濃い本

2012-04-24 18:16:11 | 
以前、読み始めたと書いた覚えがあるが
山田風太郎の「人間臨終図鑑」を読み終えた。

亡くなった時の年齢順に、古今東西の人が出てくる。
そして、その臨終の場面が山田風太郎の目を通して述べられる。

世間的に褒め称えられた人に対しても、彼独自の見方があって
ふーむとうならせる。

文中、自分のことも、
その場にいた山田風太郎はと、自分でないかのように述べて
その登場人物に「風ちゃん、…」と話しかけさせている。

そうか、風太郎はふうちゃんとよばれていたのかと、
ちょっと近寄りがたい風体の風太郎が近しく感じる。


一人につき、少ない人は一ページ、多くても数ページ。
それが、全4巻。
その取り上げられた人物の多さと、
その人たちに関する本を読破したことにも感心する。

そして、それぞれの人に対する風太郎のみかたが
みごとに、簡潔に現されている。

知らない人に関しては、その人を知りたくなるし、
知っていた人も
知られざる面が明らかになって、また興味が湧く。

総じて、世間的な名声と、家庭内の評価とはかなり違う人が多い。

破天荒でも評価された時代と、
ちょっとでもスキャンダルがあると、叩かれて評価されない現代と
なんてことも感じる。

読み終わって、山田風太郎が著わした時点後の人物について
彼だったらどう描くだろうなんてことも、興味が湧いた。

読んだ内容を、こんなに反芻できる本も少ない、というのが感想。
読んだ方がいらしたら、話してみたい本。


密度の濃い本! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!

研子さんとパイングリ

2012-03-06 21:45:22 | 
少し前に、「アマゾン、シングーへ続く森の道」のご紹介をしたが
読み終わって、いろいろと考えていた。

アマゾンの熱帯雨林に住むインディオの保護と自立に向けての活動の中心にいる
南研子さんという女性に魅せられて、その活動にとびこんでいった
「パイングリ」という現地での名前をもらった庭師さんの娘、Tおばの孫にあたる絢子さん。

生きることが生活のすべてであり、
生きるために一日を使う人たちとの対話が面白い。

今、日本で過ごすことの大半はストレスの多いものだが
生きることの中に、何に価値を見出すか、心の中に
余計なものをそぎとった価値観が生まれてくる。

子供たちとすぐ仲良くなって、
その助けを得ながら、毎日の仕事をこなしていき、

最初は研子さんと共に活動していたのに、
一人でアマゾンの奥深くまで行かれる行動力を身につけていくたくましさ。

オープンマインドな彼女の笑顔を思い出しながら読んでいた。

灼熱のブラジルの原野を運転しながら
密猟者たちもいる無法地帯を駆け抜ける話。

強盗の乗っていた車と同機種だったため、
ホールドアップさせられて、

相手が警察とわからない間は、
撃ってきたら、どう身をかわそうと考えるあたりは
一緒にドキドキした。

何よりも一生懸命になれるものを見つけて
それにまい進する姿に、尊敬の念を抱いた。

こういう人がいると知るだけでも
お読みになることをお勧めします。


彼女の視点に近づければと、
アマゾンをとりあげたテレビ番組(アマゾン、宇宙からの監視計画)を
真剣にみたことだった。

研子さんとパイングリの活動のくわしいことは、ここで見られます。
http://www.rainforestjp.com/index.html


研子さんとパイングリ! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!

マニアといえば、柱魂の歌

2012-02-13 23:13:10 | 
このところ、何回か書いたことのある
中澤宗幸さんの本。

お父様が水車小屋を作った時、手伝った記憶につながる
バイオリン作り、そしてその技を極めるための
ヨーロッパ修行話。

志があるとこういう展開になるのかという
修行時代のピンポイントの出会い。

おとぎ話を読むような、純粋さと
こういう経験をした方があの方かと、出会ったことの不思議さ。

物づくりへのこだわりと
著者が幼いころ、父親が常に口ずさんでいたという歌の数々、

♪はるかなるスワニー川…

心地よい読書でした。


「ピアノマニア」のデニムのエプロン姿の調律師の話を見ながら
思い出していたのが、やはりエプロン姿の中澤さんでした。


マニアといえば、柱魂の歌! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!



山田風太郎「人間臨終図鑑Ⅰ」

2012-02-06 23:55:35 | 
死亡した年齢順に古今東西の、臨終の様子を書いたもの。

深夜に読んでいると、おどろおどろしい死にざまには
ちょっと、驚かされたり、
この人の人の好みもわかってくる。

病気の描写が、凄い。
国民皆保険の現在では、ある程度医者にかかり手当をするから
こうはならないだろうなという描写がある。

死亡した年齢順というのが、面白い。
文庫本だが、全4巻。
これからどんな人がでてくるかも、楽しみ。

穏やかな内容を好む人には、
かなり悪趣味な読書であるかも。
でも、人というものは面白いと思いつつ、読み進む。


山田風太郎「人間臨終図鑑Ⅰ」! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!



速読・遅読

2011-12-11 01:19:32 | 
ちょっと前のNHKで速読を特集したとき、
遅読のすすめもあった。

最近読んだ本では、
みかんさんが読んでの感想をかいていらした
「強くなくていい「弱くない生き方」をすればいい」。

みかんさんの感想と、
以前NHKでリハビリの様子を見ていたので
おおよそは頭に入っており、目を通す感じで読んでいた。
速読である。


もう一冊は、
「梨の花咲く町で」森内俊雄著

遅読のすすめのなかに、
栞を使わないで読む、という話があった。

読むたび、味わい深さが増すものには
栞を使わず、自分の記憶をたどりながら
どこまで読んだかを思い出すと
より味わい深いというのに、ぴったりの本だ。

一つの言葉から、また関連した思いが広がっていく。

読むうち、
音楽が鳴り、行ったことのある場所は地図を広げながら
追体験できる。

あるきっかけで、この作家の作品を手に取ることが多いのだが
時に、宗教だったり、音楽だったり
精神世界だったり、深く入り込める作家さんで、
今回も読みながら、早く終わりたくないという思いで読んだ。


速読・遅読! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!

縮みゆく記憶

2011-12-07 17:44:54 | 
夫が小説を買うことはめったにないのに、
こんなタイトルの本がおいてあった。

それも翻訳物なので、聞いたら
以前ご紹介したヨーデルのコンサートで知り合った方が
翻訳なさったとのことで、手に入れたという。

これが思いのほか、面白かった。

同じ本も、読む人の立場で異なるだろうという前提で。
私は面白かった。

主人公が認知症で、
だんだん過去の記憶しか残っていなくなるのだが

それがミステリー仕立てで、
ミステリーのみの興味で読んでいくと、
まあまあ普通の感想になるだろうが

認知症の人の感じ方、
それを取り巻く人たちの動きとしてみると
とてもよくかけていると思う。

よりそい、話を合わせている人とは、とてもうまくいく。
一つ何かで混乱すると、思いもかけない行動に出る。

認知症の薬を開発中の医師が、
新薬の治験にあたるところでは、
「医者ははしゃぐ」という表現があったり

それぞれの人間が、何を目的にして近づいているかによって
認知症の人の反応がこうも違うというあたり、よくかけている。

ということで、認知症への理解にも役立つかなという本。


縮みゆく記憶! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!

芥川賞落選者、テレビにでる

2011-07-15 09:42:17 | 
今朝の「あさイチ」に芥川賞落選者である戌井昭人が出ていた。

昨日のニュースで芥川賞候補者に「戌井」という名を見て
珍しい名前だし、あれ、もしかして、と思っていたのだが

テレビ出演で、話している顔を見て、
たぶん同級生のお子さんかなという思いを強くした。

どなたか、そのへんのところをご存じの方いらっしゃいますか?

ネットで情報を集めたら
劇団を主宰して等とあり、

その劇に、お父さんが出てきてなんてあったので
ますます、確信をもったので。

でも受賞候補者、落選が決まって出演ってのも面白い。

山田詠美が私はこの人を推したのだけどというコメントだったので
そういうテイストなのかな?

まずは、読んでみなくちゃ、話ははじまらないけどね。


小説というえば、10年間親しんできた明野照葉さんのホームページが
閉じるそうで、ちょっと寂しい。
時とともに、事情が変わるのは仕方のないことだけど。


芥川賞落選者、テレビにでる! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!

わかりにくく、ご迷惑をおかけしました

2011-06-07 22:26:05 | 
先日、舅がインタビューを受けた雑誌をお知らせしたのですが
「セオリー」とだけ書いて、号数を書かなかったので、
間違えて、違う号を買ってしまったとのメールをいただいたので、
くわしく、お知らせします。「2011 vol.3」
(無理にお買いいただなくて、結構ですよ)

表紙に辰巳芳子さんが写っているものです。
舅は一部で、ご先祖様のことが書いてあるので、
ご興味ある方は。

でも、舅を撮って頂いた写真は、
結構よくとれていたので本屋でぺらぺらめくってください。


本日、おおはるさん熱が高く、痰がからんで苦しそうでした。
ちょっと、心配です。


わかりにくく、ご迷惑をおかけしました! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!

児玉清のブックレビュー

2011-05-19 23:52:00 | 
児玉清が亡くなった。
最近では、たまに見るブックレビュー番組が楽しかった。

このブログでも、「大聖堂」が舅やコーラス仲間と話題になった話

明野さんの「家族トランプ」で、ブックレビューに触れていた。


ブログには書いてないが、「調律師の恋」は
本の帯に、児玉清推薦とあったので読んだ本だった。

徹子の部屋の一場面で、
読むときは寝っ転がって読むといっていたのも、
あ、似ている! と親近感を抱いた。

面白い本を紹介してもらって、
同じように面白く感じた時は、
この人のいうことは、信用出来ると思って、
以後、親しみを感じる。

昨日、友人達と児玉清のブックレビューの話になって
みなやはりそんな感想をもっていた。
貴重な人だった。


昨夜、自分のブログのカテゴリー“本”を読んでいたら
夜が明け、空が白けてきた。

自分の文を読みながら、本を読んだ状況を思い出したりして
面白かった(例えば、チベット語になった坊ちゃん、又五郎の話等)。

お暇な方は、どうぞ(笑)


児玉清のブックレビュー! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!

チャコズガーデン

2011-04-15 23:40:26 | 
掲示板でのやりとりから親しくなった明野照葉さんの最新作。
確実に、明野さんの作風は最近変ったなと思える。

勝った、負けたの勝負を意識していた
今までの主人公の意識が、前作あたりから、変化してきている。

で、読んでいて、もしかしてと思った表現。
「下々の人間」(p42)。

親しい方には、この表現を話したことがあると思うのだが
明野さんとのメールのやりとりで
この話したっけ? と思って、ひっかかった。
この話をしたことがなければ、特に意味はないのだが。


今回のキーワードは、「禍福の法則」かな。

そして、結末の姿、今こういう姿がいいんだな。
思い出トランプとも、似通っている。


チャコズガーデン! クリック


おかはんをよろしく、ブログもあります!

写真は、水曜日コーラスのあと昼食をとるために
通ったお寺の境内にて。
青空に映えていた桜