病院に到着しましたが、西子のときは病院に入ったとたん聞こえてきていた鳴き声がまったく聞こえません。「大丈夫かな」と不安が増幅したところで、診察室に招かれて獣医さんと対面でお話し。
治療中に撮影した写真を見せていただきました。たしかに見た目にわかるほど口のいたるところが真っ赤。歯茎だけでなく、上あごが喉に近いところまで炎症を起こしています。
「できるだけ、歯を抜かないようにと思っていましたが、そういうわけにもいきませんでした」とため息交じりに話す獣医さん。
さらに「これだけ、ひどいと今回の治療で完全に治るというわけにはいかないでしょう。お薬を出しますので、継続して飲ませていただかないとすぐに再発すると思います」とのこと。
獣医さんの見立てでは、口の中に数多ある菌のひとつあるいは複数に過剰に反応しているのではないか、とのこと。いわゆるアレルギー反応です。人間同様に、決定的な治療方法があるわけではありません。当面の治療としては免疫力を向上させる、ということになりました。
話が一通り終わり。「じゃあ、連れてきますね」とキャリーケースが診察室に入ったとたん、「ぎゃうー」だの「あおーん」だのとわめき始めるわおん。
「そうかぁ、鳴くのを我慢してたんだ」などと看護師さんになだめられていました。
全身麻酔をしていたためか、家についてからもどことなくぼんやり。
時折口の端からでてくる血液の混じった糸のようなヨダレを、機嫌を取りながら拭いて様子を見ていました。
当日はまだ口の中が痛いのか、何も食べようとしませんでした。
しかし、翌日になると徐々に回復、夜から食べ始め、2日目からは「腹減ったー! 早くご飯くれー」とでもいうように、鳴き叫んで食事をねだるようになりました。
まぁ、あれだけ口の中が真っ赤だとちゅーるだって沁みたかもしれないなぁ……などと改めてこの間のわおん反応に納得するところがありました。
完治を期待して日帰り入院を決めた飼い主の期待は木っ端みじんに打ち砕かれましたが、飼い主としては心が折れたままにしているわけにもいきません。
来年の目標のひとつに「打倒、口内炎!」を掲げることを決めて師走に突入するのでした。