金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

三味線の棹の繕い その2 塗装

2014-03-26 13:23:03 | その他の繕い例
ベースが出来上がった後の、漆の塗装作業です。

本漆を使いたいのですが、元の色に近づけるのがなかなか難しいですね。
先ずは、赤呂色を塗ってみました。
赤呂色は、乾燥が進むと焦げ茶色になってきます。


充填した部分の色が浅いので、艶黒漆も塗ってみました。
この部分、どんな色に仕上がるかなかなか読めません。


それで2日後に、水ペーパーで再度表面を整えた後、「新うるし」で仕上げることにしました。
「新うるし」の濃茶、ピッタリの色でした。
本漆を使う必要はなかったですね。やはり、本漆は難しい。
半面、食器以外だと、「新うるし」は色さえ合えばとても優れものだ。


色が浅い部分には気を使いますね。
この部分手がかかりましたね。
再度、色を置きいい感じに。


完了です。
いい色になりました。


裏側もOKです。


仕上がった三味線。
分解して使えませんが、蘇りましたよ。
妻の母にお見せしましょう。
びっくりするだろうな。

三味線の棹の繕い その1 ベースの再生

2014-03-26 13:11:50 | その他の繕い例
ひょんなことから、今度は三味線の竿の修理。

妻の母親の三味線だが、修理もされる三味線の先生に「こりゃもうダメだ」と言われて妻が持ち帰ってきた。
実は母と娘二人の三人が三味線を楽しんでいるのだ。


こんな風に、分解できる部分が破損してたしまっている。


組み立ててこんな状態。
「分解しないで使うのであれば修理するよと」私。
妻の母の了解も得ました。
「捨ててしまうつもり」と仰るが、そりゃ、もったいないでしょう。


取り掛かりました。
先ずは、接着剤が固まるまでどんな形でキープするかを決めます。


接着剤はいつものすぐれもののアラルダイト。
今回は、材質が木なので、木の粉を混ぜます。


たっぷりと塗って。


テープで固定して、こんな形で約半日キープします。


そして翌日、少し接着剤が柔らかいうちに、余分な部分をそぎ落とします。


横と裏側も。


そして、まだ足りない部分に接着剤を補てんして、薄いプラスチックをあてがって平らに固めます。


そして、また翌日。
ベースの仕上げは水ペーパーをいろいろと使い分けて。



綺麗に平らになりましたが、まだ補てんが必要な部分が。


仕方がない、もう一度補填だ。


ようやくベースが完成しました。


その2に続く。