金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

依頼のあった本格的な繕い その4

2014-05-17 18:33:50 | 陶器の繕い例
大きな花器以外の繕いは終了です。
大きな花器で紹介したのと同じ、その途中からの様子です。

呂色漆を施して乾燥させた後、結構漆が垂れてしまっています。
多すぎたようですね。
透明感のあった茶色っぽい漆が、こんなに黒く変色しています。


カッターや水ペーパーできれいにします。


こんな風にベースが出来ています。


このあと、艶黒漆を丁寧に置いていき。


金粉や銀粉の丸粉で蒔いていきます。


途中省略ですが、再度ムロ入れて、粉固めの工程も経ての数日後の様子です。
軽く水ペーパーを使い、木綿布でしっかり磨いた後、鯛の牙で仕上げの磨きです。
このカップは銀粉を使いました。


にゅう(ひび)の入った内側も完成です。


この皿も、金粉で仕上げて終了です。


こちらの湯のみは、大きな花器を依頼された姫路の方のものです。
口辺のホツ(欠け)のほかに、ニュウ(ひび)も1箇所。


高台部分も完了です。
やはり本格的な繕いは、手間がとてもかかりますが、しっかりとしたいい仕上がりですね。

依頼のあった本格的な繕い その3

2014-05-17 18:18:38 | 磁器の繕い例
姫路の方から依頼のあった大きな花器の本格的な繕いが、金繕いの部分は一応完了しました。

呂色漆を塗って、数日置いた状態です。
すでに漆は乾いています。
ナイロン袋で湿気を保っていたので、漆が他の部分についてしまっていましたね。


水ペーパーできれいにして。


今度は艶黒漆を置いていきます。



そして、金の丸粉をたっぷりと蒔いていきます。
消粉とは違い、漆の中までしっかり入っていきます。


金粉が蒔き終わった状態。
このあと、再度数日間湿気のある袋で漆を乾燥させて。


そして、粉固めの工程です。
生漆をテレピンで薄めたものを塗って、また1日ほど乾燥です。


そして、いよいよ最終工程。
水ペーパーで軽く表面を整えた後、木綿布でしっかりと磨いて。


最後に鯛の牙で磨きます。


終了です。
蘇りましたね。


でも、今回の繕いでは、底がとても薄いので、今後もトラブルのないように補強してほしいという要望ですので、また別の工程を用意しました。
すでに麻布とアラルダイトで内部の底は、補強していますが、こんな手立てを考えました。

磁器ですので、半磁土を用意して(私は磁土は持っていませんので)。


底の形状に合わせて成形しました。



そして、しっかりと乾燥させて、取り出したものがこれです。
今度はこれを焼成して、補強材として接着させる予定です。
そうすれば底の強度は、完璧となるでしょう。
この部品に白マットの釉薬も施して、色目もピッタリとさせましょう。
素焼きと本焼きの機会は、まだ先ですので、完成まで今しばらくかかります。
これがうまくいけば、とても面白い。
こんな繕いの方法は、今まで聞いたことがありませんね。