金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

たくさんの繕い その3

2015-06-11 12:47:54 | 陶器の繕い例
<2月28日の内容です>

たくさんの繕いの品物の最後の仕上げ段階です。

これらは銀で蒔いた部分の艶出しです。

このたびの繕いは、妻に技を伝えながらです。


木綿でしっかりと磨いた後、鯛の牙での仕上げです。


出来上がりました。


依頼されたコーヒーカップ。


カップのひび(ニュウ)の仕上げをそのままにしておくか、ずいぶん迷いましたが、内側だけ銀粉を蒔きました。赤柄の分粉には、ほんの少しだけ赤漆も使っています。
外側はほとんどひびの部分は分からないのでそのままにして。


彩雲窯さんに頂いた酒器のひびの部分は、接着だけでとどめました。
使っているうちにひびが目立ってくるようでしたら、その時点で銀粉を蒔きます。


こちらは妻が依頼された食器2点。
右側の茶碗、ベースを削りすぎたので少しやり直します。
磁器なので、ベース作りにアラルダイトに小麦粉を加えたものを使った方がいいとの思いだったのですが、透明すぎて作業はしにくい場合があるのですね。
私は、今回の磁器の酒器も地の粉でした。
磁器でも陶器でも地の粉を使う方がいいと思い知りましたね。
数をこなしていくと、いろんなことがよく分かってきます。


この砥部焼の食器は、接着のみにとどめました。
いつでも追加の手入れができますので。


他の品物です。
ガラスのコップ2つは妻に任せましたが、失敗ですね。
接着剤の扱いがまだまだ未熟ですね。
でも、いい経験ですね。


気になっていた茶碗はもう一度丁寧にやり直しです。
拡大鏡で細部をよく見ながら、欠けている部分を完全にカバーして。
私の出番です。
これでいい繕いになるでしょう。


たくさんの繕い その2

2015-06-11 12:44:33 | 多種類の繕い例
<2月27日の内容です>

たくさんの繕いの続きです。

ひび(ニュウ)の部分にアラルダイト。


秘密のテクニックです。
ひびの中にアラルダイトを浸みこませるには、温めることです。
予め、ドライヤーや電子レンジで十分温めるとアラルダイトがひびの中にすっと入っていきます。


このガラスのグッズはこんな風にテープで固定して。


全てこの段階は終了です。
でも、たくさんですね。


半日ほど置いて、接着剤のはみ出した部分を剃刀でそぎ落とします。
そのタイミングもとても大事です。


こちらはヤスリと水ペーパーでベースを整えたもの。


ベースが完了したら、黒艶漆を置いて。


銀の丸粉で蒔いていきます。
たっぷりと銀粉を使うことが大事。
消粉と違って、丸粉はしっかりと器の中に入り込んでいるので銀粉がはがれずにずっと安定的に使えます。


そして、湿気のある容器内で2、3日間、漆を乾燥させます。


その3に続く

たくさんの繕い その1

2015-06-11 12:29:11 | 陶器の繕い例
<2月26日の記事です>

たくさんの繕いに再度チャレンジしています。

今回は妻に技を丁寧に伝授しながらです。
これまで手付かずのグラスなども。


これは、陶器市の彩雲窯で頂いたもの。


もう一つはほつ(欠け)とにゅう(ひび)が入っています。


これは立杭の丹文窯の大西雅文さんのコーヒーカップ。
少し亀裂が。


そしてた、次の二つは砥部焼です。
陶器市で、漆器の川口屋さんに頂いたもの。
どちらもひび(にゅう)が入っています。


そして、次の二つは、妻の染め仲間から妻が依頼されたもの。
欠けた部分があります。
なかなかいい食器ですので、旨く繕わないといけませんね。
私の指導つきで妻がチャレンジ。


そして、これは家で使っている私の作品。
よく傷めてくれますね。


こんなガラスのカップ。
ずっと、手つかずにいた次女の持ち物です。
これは妻が直すと。


これも次女の持ちモノですが、ちょっと厄介そうなので私が担当して。


それから、猫田さんのお店で常連さんから追加で依頼されたコーヒーカップ。
1箇所亀裂が入っています。
先ずは、重曹で綺麗にしてから。


皿にはかなり大きな欠けた部分があります。
とても高かった品物らしいです。
いいものですので、いい繕いをしましょう。


その2に続く。

金繕いの品物を届けて

2015-06-11 12:10:45 | 磁器の繕い例
<2月20日の内容です>

猫田さんのお店で常連客の女性から依頼された金繕いの品物。

首を長くして待っておられるとのことで、昨日の午後にようやく届けました。

以前にも紹介しましたが、その品物はこれ。
いい仕上がりでと、ても安くてと喜んでもらえました。


そして、お礼にこんなものを頂きました。
いい生地で作られたものですね。
妻あての「苺緑茶」というものまでプレゼント。
どうしましょう。


それから、別のとても上等なコーヒーカップの繕い品を預かりました。
いそがないからと。

でもこの品物、すでに繕いスタートです。
とてもいいものを頂いたのですから。放っておけません。


お店には、丁度さとっさんも来られていて、長い間話し込んでしまいました。
お店の中で初めて猫たちに出合いました。
なんて人懐っこい子たちなんでしょう。
それから、私のキノコ時計作品の長針がぐにゃぐにゃなので、気になって直してくると預かりました。
「じじい」と呼ばれる黒ネコの仕業ですって。

この午後は、先ず鳴尾駅すぐの知り合いの川村さんの「和純」にも立ち寄って。

帰りには、猫田さんのお店のすぐ近くにある「樽商」さんにも顔を出して。
田中さん宅では、初孫の男の子が2日前に生まれたばかり。
やっこちゃんは病院へ行っていてお留守でしたが、ご主人いいお顔でお仕事されていました。

その3か所、とても近いですね。
近いうちに再度、訪問ですね。

私の酒器の繕い

2015-06-11 12:04:36 | 陶器の繕い例
<2月13日の内容です>

いつも立ち呑みのお店に持参する私の酒器。
ときどき酔っぱらいすぎて、破損させてしまう。

今回の様子。
翌日になって気づきます。


まずは、欠けた部分を接着して。


ついで、補填です。


外側も。


他にも欠けた酒器があったので一緒に。
それと、今回の陶器市で買ったばかりの茶碗に小さな欠け(ほつ)を見つけて。
使っていないのにどうしてなんだかわからない。
買った時はなんともなかったのにね。


ベースを整えて。


黒艶漆を塗って。


茶碗は金粉で、酒器は銀粉で蒔きます。


ムロの中で2日ほど置いて、木綿と鯛の牙で磨いて完成です。
この酒器、たくさんの繕いがあります。


よく光っている部分が今回の繕い箇所。


もう一つの酒器。
こちら側は分かりにくいですが。


こんな具合です。


そして、新しい茶碗です。


これは金が良く合いますね。
私の体もこんな具合に治らないかな。