金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

その後の繕い その3

2015-06-23 06:38:12 | 陶器の繕い例
すべてのもののベースが仕上がりました。

次の段階は、艶黒漆を使って金粉と銀粉を蒔く工程です。


問題のお香入れもうまく仕上がりそうです。


この後、お香入れには金の丸粉(3号)を蒔いて。
他の品物には銀の丸粉(3号)です。
これらは湿気のあるケース内で乾燥です。


こちらの大きな皿は、銀粉を蒔いた後、大きなビニール袋に濡れ布巾を入れての乾燥です。


そのあと、2日ほどおいて、最終工程です。
大皿は作業を進めます。
他のものは、二人展の会場で、繕いの過程の説明用に、このあと使わせていただきます。

皿の繕いの部分を、木綿布でしっかりと磨いて。


そして、鯛の牙での磨きの工程です。


カッターナイフでラインをきれいに整えて。


完成です。
しっかりとした銀繕いです。


裏側の様子です。
他のものも順次、会場で仕上げていきます。

その後の繕い その2

2015-06-23 06:32:39 | 陶器の繕い例
それから、山形に住む高校時代の同級生の女性からも繕いの依頼です。
「二人展で忙しいから、終わってから届けましょう」とのメールが来ましたが、「いえいえ早い方がいいですから」と届けていただいたのでした。

ご本人と友人の品物です。
希望事項を詳しく書いてくれています。
5点の繕い依頼です。


厄介なのが、このお香入れ。
何を使ったか分かりませんが、自分で接着させています。
先ずはこれの前処理から。


長時間熱湯でボイルします。


でも、結局ここまで。
あとはカッターナイフなどで取り除きます。


でも、その処理もここまでです。
一応しっかりくっついていますので、ここから繕いをスタートです。


それで、赤呂色漆で隙間を充填する作業です。
私の友人のレンゲもなんかおかしいです。
これも、接着を試みたのでしょうか。
余分なものがくっ付いているようです。メモには何にも書いておりませんでしたが。


他のものはこんな風に、ベースが出来上がっています。


この皿も、周りに傷がつかないようにテープで保護しながらヤスリ掛けして。


この大皿は亀裂をアラルダイトで埋めています。
ひび割れ部分がなかなか見えにくいのでサインペンで目印を入れています。


その裏側です。
これはもう一人の方がどなたかの陶芸作品を頂いたものだとのことです。
サインの下から左にかけてヒビがようやく確認できます。


その3に続く。

その後の繕い

2015-06-23 06:26:54 | 磁器の繕い例
妻の演劇仲間の男性からの繕いの依頼です。

いいカップですが、ホットボンドを使って貼りつけてこんな状態で使っていたとのことです。


ちょっとひどすぎますね。
でも、金繕いのことを知らないのでは止むを得ないでしょう。


先ずは、それをきれいにする作業から。
それは、妻が担当してくれましたが、長い間熱湯の中でボイルして、綺麗にしましたが、鍋の後始末が大変でしたネ。


早速、補修開始です。
いつものアラルダイトと地の粉で。


ベースが完了です。
2個の破片を貼りつけますので少しずれができてしまいましたがまあいいでしょう。

個展会場で、ご本人にこの続きを体験してもらうことにしました。