金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

最近の繕い2点 その1

2015-06-16 06:32:08 | 陶器の繕い例
<4月17日の内容です>

妻の妹から依頼のあった繕い品。

なかなか使い勝手が良さそうな湯のみです。
まだ使っていないもの。


先ずはアラルダイトのみで接着。


そのうちに、私は自分の盃を落としてしまってこんな有様。


作業が並行して進みます。


ベースが完了した段階です。
壊したのが飲み会の席だったので、欠けた破片をよく確認せずに一つ足りませんでした。


次の工程は、艶黒漆を塗って。


銀の丸粉をたっぷりと蒔いていきます。


そして、ムロの中で漆を乾燥です。


その2に続く。

大きな花器の繕い

2015-06-16 06:26:54 | 陶器の繕い例
<4月15日の内容です>

以前に大きな花器の繕いの依頼があった生け花の先生から、また連絡があった。

今度はどんなものだろうかと思いながら、先週の金曜日に預かりました。
どんなトラブルですかと聞きましたが、その方も生徒さんから預かっただけで様子がよく分からないが、長い間花を活けていると水が染み出てくるらしいとのこと。

大きな包みは開けずにそのままで、中身も見ていないらしい。

「あなたのプロの技なら、どんなものでもOKでしょう」と仰いますが、よほど前回の繕いが気に入ってくれたようです。

こんな大きな花器でした。
とても重くて、自転車で持ち帰るのは大変でしたネ。
早速水を張って様子を見ていたのですが、まったく水漏れの様子がありません。


ところが、3日ほどしてようやくこんな具合にほんのわずかですが、水が染み出しました。
ひびが入ったりしているのではなく、良くあることですね。
登り窯の焼締の作品でも、こういうことが無いように内側に釉薬を掛けておきます。
これなら繕いというものではなく、水漏れ防止液を入れておくだけで大丈夫ですが、そんな大量には手持ちはありませんので、少しの液を時々撹拌して効果を出しましようかね。


追加です(4/16)。
水漏れの箇所を確定しました。
丸印のところと、矢印の上部の脚の部分です。
器の内部の乾燥ができたので、水漏れ防止の液を入れましょう。

立杭の特別講座での繕い

2015-06-16 06:13:59 | 陶器の繕い例
<4月11日の内容です>

昨日の特別講座の休憩時間の金繕い体験。
こちらの方も最終回です。

最後の鯛の牙での磨きの仕上げの段階。


抹茶茶碗の仕上がりです。



アップで。
いい輝きです。
金の丸粉をたっぷりと使っているので、ずっと使えます。
この持ち主の方、この日は欠席で、今日に持ち帰られる予定です。喜んで頂けるでしょう。


もうひと方の繕いです。
長崎の三彩鉢。これは銀繕い。


アップで。


こちらはご本人の作品。



こちらもご本人の作品。


繕い箇所をアップで。


そして、黒漆だけのもの。
欠けていた部分も修復して。


この黒天目の茶碗も、黒漆のみで。


いろいろ体験していただいて、私にとってもいいPRの機会でした。
陶芸仲間をはじめ、陶芸美術館のみなさん、窯元の先生方、繕いの方も今後ともよろしくお願いしますね。

依頼の繕い

2015-06-16 06:09:59 | 陶器の繕い例
<4月2日の内容です>

丹波立杭の兵庫陶芸美術館での作陶の日々が続きますので、早寝早起きです。

先日西武庫パークタウンの作品引き渡しの時に、依頼のあった繕い品です。
学校からのイベントで、陶芸体験で何故か仕上がりが、こんな風に穴が開いていると。
5という数字、5年生なのでしょうかね。
それにしても、どうしてこんな穴が開くのでしょうかね。
これでは湯呑みとして使えませんよね。
品物自体はとてもいい出来具合ですのでもったいない。


早速いつものアラルダイトと地の粉でのベース作り。
小さな穴なので、とても簡単です。


そして、食器として使うので、本漆の蝋色漆を綿棒で塗って。


1日ムロに入れて完成です。
ちょっと黒すぎるかな。
でも、簡単な方法でいいとのことですので、これでいいか。

本焼きでのトラブル

2015-06-16 05:56:53 | 陶器の繕い例
<3月30日の内容です>


最近の本焼きでの作品にトラブルが。
西武庫パークタウン自治会の陶芸教室の時のものです。

これは釉薬が流れて棚板にくっついてしまったもの。
青銅釉ではこういうトラブルはなかったのですが、釉薬に沈殿防止剤を最近加えているので、様子が変わってしまっています。色合いもいつもとは違っています。
気をつけないといけませんね。


裏側のバリなどを取っているとさらに割れて5片に。他にもヒビが入っていたのです。


そして、もう一つのトラブルは作品のくっつきです。
あまり無理に詰め過ぎたのですね。
本焼き時に少し変形したのでくっついてしまったようです。


ミニルーターを使って。


こんな具合に外しました。
白い部分がくっついていた部分。


皿の繕いです。
こんな具合に接着完了です。


そして、手入れして「新うるし」で色合わせも済ませて。
水を入れてみると、少し水漏れする箇所が2か所ありましたので、その再処理もして完成です。
大変でした。


割れた部分のアップです。


もう一つの繕いです。


アップしないと分かりませんよね。
削った部分を少しだけ盛り上げて、「新うるし」での色合わせです。
釉薬と全く同じ色には仕上がりませんが、まあいいでしょうね、