金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

3つ目の大きな登り窯作品の繕い その3

2016-02-20 18:18:50 | 陶器の繕い例
今日はまたもや土曜日の雨で、山仕事は2週間連続で中止でした。

それで大きな作品の繕いの続きに取り組みました。

前回の2箇所の水漏れ部分は、アラルダイトで再処理しておきました。
その箇所をトーチで温めて、アラルダイトを入れこみます。
これは簡単なのにすご技なんですよ。
食器などのヒビが入った個所も簡単に直せるんです。

再度の水漏れ確認は最終段階に回して、いよいよ第3段階です。
ミニルーターで接着部分の手入れを行った後、「新うるし」を使っての色合わせです。
もう少し濃い茶色にしないといけませんね。


内側を終えた後、外側ですね。
この「新うるし」による色合わせも、ふき取りの仕上げをしながらです。


完成です。
内側の様子。


そして、底の部分と外側の様子です。
とても大きな作品ですので、おおざっぱな仕上げで十分でしょう。
「新うるし」の乾燥後、最後の水漏れチェックをして完了となります。
来週の日曜日に立杭の陶芸美術館でボランティアの会議がありますので、その時に届けましょう。

3つ目の大きな登り窯作品の繕い その2

2016-02-20 18:13:27 | 陶器の繕い例
2週間以上手付かずであった大きな作品の繕いですが、ようやく再開しました。

第2段階ですね。
全体の接着が終わっていたものをストーブで温めて。
アラルダイトも温めます。


一応貼りつけていますが、隙間や欠けた部分がいっぱいですので、綺麗に埋めていきます。
そして、すぐに余分の接着剤はふき取って綺麗にして。



外側と裏側も。
半日仕事でしたね。
この後接着部分の乾燥です。


翌日に水を張って、水漏れ箇所の確定です。
かなり丁寧に処理していますので、ひょっとして水漏れはないかもと思っていたのですが。


数時間後、外出先から帰ると、この作品の周りが濡れています。
マジックで水漏れ箇所に印をつけて。


もう1箇所ありましたね。
これら2箇所のみ。
まあ、上出来ですね。


その3に続く。

3つ目の大きな登り窯作品の繕い その1

2016-02-20 17:50:31 | 陶器の繕い例
丹波立杭焼の最古の登り窯の初焼成の時の作品、これまで同じような巨大な作品を2点修復しましたが、追加の3点目を陶芸美術館から預かって取り組み始めました。
でも、いろいろと優先すべき作業が忙しくて、現在中断しています。

その途中経過です。

1月30日に持ち帰って、綺麗に洗ったところです。
今回はまさに木端微塵ですね。10点あります。
割れ方からして、冷め割れのようです。



この作品は、「陶の郷」の女性職員が窯元の先生の指導を受けて作られたもののようです。


この指跡は前回の作品にもありました。
圭泉窯の北村圭泉さんの指導ですね。


繕い作業のスタートです。
これは繕いというより大修復ですね。


悪戦苦闘している様子を妻が撮ってくれました。
依頼者とはまだお会いしていませんが、こんな写真も見てもらわないといけませんね。



この日はここまでです。
5つの部品でしたかね、接着中です。


そして、二日後です。
テープをはがして。


そして、続きの作業です。
妻に手伝ってもらいながら、すべて貼り合わせました。
1箇所、隙間が大きな箇所があります。
そこから割れが始まったのでしょうね。
3つ目の作品修復ともなると、いろいろとよくわかってきましたね。


その後、テープをはがして、第一段階の作業は完了ですね。
ウィスキーを飲んで、ここまでの作業に乾杯です。
お疲れさん!


ところがその後2週間ほど、第2段階は手付かずです。
いつでも作業が始められるように、テレビの前に置いたままにしていますが。
このあと第3段階まで作業があります。


その2に続く(いつになるやら)。