金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

こんな繕いも コーヒーカップ

2014-03-09 11:22:48 | 陶器の繕い例
水堂総合センターでの陶芸教室「乙女」の作品のコーヒーカップ。

使い勝手が悪いから何とかして下さいと依頼が。

そりゃそうだ、飲み口の近くに花びら型のくり抜きが3つ。
こぼれて飲めないだろう。

作陶時にそのような注意をしたはずだが。
チョット通じにくい女性だ。

先ずは、アラルダイトと地の粉を混ぜたもので埋めて。
内側は、薄いプラスチック板をあてがって平らにして。


乾燥後、「新うるし」の赤で。
赤色は、ご本人の希望です。


内側は、釉薬の青萩釉に色合わせして。


食器なので、内側に本透明をさらに塗っておきました。


仕上がりです。
亀裂も1本入っていました。
落としたのかな。
その繕いもしてあります。
さあ、今度の陶芸教室の時にお渡ししましょう。

最近の繕いの会 2/27

2014-03-05 14:42:43 | 繕いの会の様子
先日の2月27日の2回目の繕いの会、新しい体験者が参加されました。
兵庫陶芸美術館の職員の方で、お世話になっている方だ。
勤めている方の平日参加は難しいですね。

持参された3つの器。 
右端の面白い形の徳利は、丹波立杭の仲岡信人(信凛窯)さんの作品。
ちょっぴり口の部分が欠けてしまったが、小さな破片をきちんと保存していたので、アラルダイトできれいに復元できました。
あとは、乾燥後にほんの少し漆で色合わせするだけで、まったく欠けたことが分からなくなりますね。


もう一つのお皿の方は、欠けた部分をアラルダイトと地の粉でベースの復元です。
さて、この方次回はいつ来れるか未定ですが、私は陶芸美術館の方に出入りしているので、そのついでにでも作業の続きをすることになるかも。


常連さんの畑谷さんの花瓶。
口の欠けた部分のベースづくりを自宅でほぼ完成させてきましたが、もう少し手入れした方がいいですね。


もう一つの作品、こちらの抹茶茶碗のベースはOKですね。


で、花瓶の方を私がヤスリ掛け、水ペーパー掛けで最終調整をしました。


そのあとの艶黒漆を塗る作業もしていただきましたが、細部は私が手伝って。


そして、金粉(丸粉3号)をたっぷりと蒔きます。
何回か、金粉を蒔く作業を皆さんに見て頂きました。


たっぷりと蒔いて、もういいでしょう。
でも、金粉は全部使い切ってしまいました。
1gの包みの三分の一ぐらいかな、四分の一ぐらいかな。
この材料費はいくら頂いたらいいかな。
また、次回にということで。


このあと、漆の乾燥にはこんな形で。
次回までに粉固めという処置はしておきますが、ご本人に仕上げの磨きをしていただきましょう。

最近の繕い その10 楽焼茶碗

2014-03-04 12:29:58 | 陶器の繕い例
ずっと前に依頼されていたが、なかなか仕上がらなかった楽焼茶碗。
最近ようやくお渡しすることが出来ました。

兵庫陶芸美術館のイベントであった「じんじんさんの楽焼体験」の時の作品だ。
依頼者は陶芸仲間の姫路の山本さん。

この楽焼茶碗、割れた部分を触るとボロボロと剥がれる。


アラルダイトで接着させる作業中もボロボロと。
とても厄介だな。
何とか接着を済ませて、乾燥中です。


接着部分に隙間がいっぱい。
再度アラルダイトを埋め込みます。


一応ベースはできましたかね。


はみ出した部分をカッターナイフで削って。


さらにヤスリ掛けで整えます。


まだ接着部分に凹凸があるので、赤呂色漆で埋めていきます。


そして、プラスチックケースのムロに入れて漆の乾燥です。
この後、艶黒漆を何回かのせる工程がありまして、金粉や銀粉で蒔いて装飾する方がいいかどうか「繕いの会」のメンバーに意見を聴いたりして、結構日時が経ちました。
依頼されたのは11月末だったかな。
結局ご本人に見て頂いて、艶黒漆のままでいいとの判断でした。
ところが、その完成形の写真を撮り忘れていて、これが最後の写真でした。
この楽茶碗の色合いからして、黒のラインもなかなかいいものでした。