金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

子どもの傘の修理

2015-06-16 06:51:23 | その他の繕い例
<4月20日の内容です>

陶芸作品の制作に忙しいのに、通りがかった子どもの傘の修理をしてあげた。

兄弟の男の子ふたり、とても人懐っこい子どもたちで、私の個展の時に、芳名録に子どもの字で自分の名前を書いたりする子どもたち。親しくなっている。

「このおじさん、いろんなものを作っているからきっと直してくれるよ」なんて。
私の6畳の工房を見て、「小さいね」と。
「この冷蔵庫何が入っているの」とか。

この傘で遊んでいたのか、支柱部分が大きくゆがみ、この部分も折れ曲がっていました。
それをまっすぐにしようとするとぽきんと折れてしまい、あれあれです。
最初のうちは、妻も子どもの相手をしながら手伝ってくれましたが、途中で「もう出かけないといけない」と。
曲がっている折れた先端部分をまっすぐにしようとしますが、堅くてまっすぐになりません。いろいろと、なかなか難しいものですね。

でも、何とか修理完了です。


折れたところは、こんな風に糸で結びつけて上から瞬間接着剤で固めてあります。
傘のビニールとこの「さん」の部分も2か所縫い付けて。


この子どもたち、お昼になったので、あとで貰いに来るよと言って帰っていきましたので、この傘に「なおったよ!」と書いた紙を貼りつけて、工房のドアノブのところに吊っておいて、私も外出です。

さあ、出来上がりを喜んでくれたかな。

算盤の繕い

2015-06-16 06:47:32 | その他の繕い例
<4月18日の内容です>

陶磁器だけではなく、何でも繕うという姿勢の私。

今回は算盤(そろばん)です。

妻が小学生の孫に貸してあげていたもの。

なんでこんな状態になるのだろうかね。
算盤で乱暴に遊んでいたのかな、よく分からない。
直すよと妻に、でも妻はこんな状態でなおるはずがないと。


早速取り掛かりました。
先ずは、軸の部分の接着です。
いつものアラルダイトを使用します。


そして、乾燥後に手入れ。


次は、玉を入れて、算盤本体に接着です。


接着剤が乾いてから、状況確認。
上下に振って、あれ、玉が上にくっついてしまうな。
まだ接着剤の粘り気があるのかな。


それでヤスリで手入れして。
もう大丈夫です。


妻は、へーと出来上がりに感心してくれました。
そして、「全体にすべりが悪くなっているね。シッカロールなんてないかしら」というので。
あるよと私。
シッカロールも中力粉と同じようにアラルダイトと混ぜて使うので、私は持っています。
それで、すべりも良くなって、ばっちりでした。
今回も新しいジャンルの繕いを体験しました。
アラルダイトはすごい接着力です。

そのアラルダイト、これまで東急ハンズでしか購入できていなかったのですが、今回陶芸仲間に「モノタロウ」という通販で扱っていることを教えてもらい、早速安く入手できています。

最近の繕い2点 その2

2015-06-16 06:41:40 | 陶器の繕い例
<4月17日の内容です>

漆の乾燥が完了して、磨きの工程です。

まず、木綿でしっかりと磨いて。
そして、鯛の牙で磨きます。


今回は、そのあと、2,000番の水ペーパーで表面を磨きました。
そして、最終の仕上げはカッターナイフで銀のラインを綺麗に手入れします。


完成です。
これはすでに使い始めています。


アップで。
ベースを整える時にヤスリで表面を一部傷つけてしまっています。
気をつけないといけませんね。


そして、もう一品。


アップで。
こちらは上出来です。
昨日届けて喜んでもらえました。

最近の繕い2点 その1

2015-06-16 06:32:08 | 陶器の繕い例
<4月17日の内容です>

妻の妹から依頼のあった繕い品。

なかなか使い勝手が良さそうな湯のみです。
まだ使っていないもの。


先ずはアラルダイトのみで接着。


そのうちに、私は自分の盃を落としてしまってこんな有様。


作業が並行して進みます。


ベースが完了した段階です。
壊したのが飲み会の席だったので、欠けた破片をよく確認せずに一つ足りませんでした。


次の工程は、艶黒漆を塗って。


銀の丸粉をたっぷりと蒔いていきます。


そして、ムロの中で漆を乾燥です。


その2に続く。

大きな花器の繕い

2015-06-16 06:26:54 | 陶器の繕い例
<4月15日の内容です>

以前に大きな花器の繕いの依頼があった生け花の先生から、また連絡があった。

今度はどんなものだろうかと思いながら、先週の金曜日に預かりました。
どんなトラブルですかと聞きましたが、その方も生徒さんから預かっただけで様子がよく分からないが、長い間花を活けていると水が染み出てくるらしいとのこと。

大きな包みは開けずにそのままで、中身も見ていないらしい。

「あなたのプロの技なら、どんなものでもOKでしょう」と仰いますが、よほど前回の繕いが気に入ってくれたようです。

こんな大きな花器でした。
とても重くて、自転車で持ち帰るのは大変でしたネ。
早速水を張って様子を見ていたのですが、まったく水漏れの様子がありません。


ところが、3日ほどしてようやくこんな具合にほんのわずかですが、水が染み出しました。
ひびが入ったりしているのではなく、良くあることですね。
登り窯の焼締の作品でも、こういうことが無いように内側に釉薬を掛けておきます。
これなら繕いというものではなく、水漏れ防止液を入れておくだけで大丈夫ですが、そんな大量には手持ちはありませんので、少しの液を時々撹拌して効果を出しましようかね。


追加です(4/16)。
水漏れの箇所を確定しました。
丸印のところと、矢印の上部の脚の部分です。
器の内部の乾燥ができたので、水漏れ防止の液を入れましょう。