「弱い者を救う神」 ルカによる福音書 18章9~17節
徴税人とは、ローマ帝国から徴税の仕事を請け負った人たちのことでした。その仕事は、同胞であるユダヤ人から通行税を徴収し、ローマ帝国に納めるというものでした。そのため、ひどく憎まれ、「罪人」と呼ばれていました。彼らは、人々から見下され、神の国に入ることなどできないと決めつけられていました。実に、徴税という職業の故に、大きなハンデを負わされていたのでした。彼らは、神殿で祈る時も遠く離れた所に立ち、目を天に上げることもせず、胸を打ち叩きながら「神さま、罪人のわたしを憐れんでください。」と祈るしかありませんでした。
イエスさんに触れていただくために、人々は乳飲み子までも連れて来ました。弟子たちは、それを見て叱りつけました。しかし、イエスさんは、「子どもたちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」と教えられました。乳飲み子とは、自分の力で生きることができず、母親に寄り頼んで生きるしかない存在です。徴税人や乳飲み子は、弱い者と言い換えることができます。ただ神さまに寄り頼んで救われるしかないと考える弱い者たちのことを、神さまは決して見捨てたりはしないと教えられているように思います。