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新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

「律法よりも愛」

2024年10月19日 | 聖書のお話

「律法よりも愛」 ヨハネによる福音書 11章45~54節

 当時のユダヤ社会では、ローマ帝国の支配からの独立を目指してしばしばクーデターが起こり、その度にローマ軍によって粛清されていました。クーデターが起こるのは、神の民であるユダヤ人がローマ帝国の支配下ではなく、独立国家であるべきとの律法に基づく信仰心からの考えでした。当時、ユダヤの人々の中には、イエスさんがローマ帝国からの独立を果たしてくれる指導者であると考える人々もいたようです。

 当時のユダヤ社会では、ローマ帝国の支配下にありつつも自治が許されていました。ユダヤ社会を指導していたのは大祭司や他の指導者たちで、ユダヤ社会の運営については最高法院という議会が担っていました。ユダヤ社会の指導者たちは、ローマ帝国に対するクーデターを必ずしも支持していませんでした。クーデターが起こっても、多くの人々がローマ軍に殺され、ユダヤ社会の指導者という自分たちの地位も失って終わることが予想されたからです。だから、クーデターに発展する前にイエスさんを殺してしまうことがユダヤの社会全体のために得策であると、律法に基づく信仰心からそう考えました。

 律法に基づく信仰心からクーデターを起こしても、律法に基づく信仰心からクーデターの芽を摘んでも、律法に基づく信仰心を実現しようとするとき、少なからずの人が殺され、血が流されてしまいます。しかし、神さまが律法を定めて信じる民に求めているのは、互いに愛し合うことなのです。

 


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