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新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

「公正は愛」

2024年11月01日 | 聖書のお話

「公正は愛」 ルカによる福音書 16章1~13節

 イエスさんは、弟子たちにもたとえを話されました。ある金持ちの主人に仕える管理人が嫌疑をかけられ、仕事を辞めさせられそうになりました。困った管理人は、色々と考えた末に、自分が感謝され、無職になったときに人から助けてもらえるようにしようと考えました。そして、主人に借りのある人たちを呼び寄せ、油100バトス借りていた人には50バトス借りたことに、小麦100コロス借りていた人には80コロス借りたことにするよう、それぞれ証文を書き換えさせて不正を働きました。そのことを知った主人は、怒るどころかこの管理人の抜け目のないやり方を褒めました。

 油100バトス借りていた人を50バトスに、小麦100コロス借りていた人を80コロスに証文を書き換えさせたのは、もしかすると油100バトス借りていた人が小麦100コロス借りていた人より商売が上手くいかず、生活が苦しかったのかも知れません。真面目な人ほど、借りたなら同額を返すべきであり、差をつけないのが平等であると考えるものです。しかし、この管理人は、借りたことによる負担がより苦しくなっている人のことを考慮し、負担を公平に減らしているのかも知れません。そうであるなら、誰からも感謝される行為であり、互いに恵みを得ることへとつながります。主人が褒めたのは、そのことだったのでしょう。

 不正の反対は、公正です。例えば、お金であれば同じ金額を平等に配ったとしても、貧しい人ほど多く必要なのです。それぞれの必要度に応じて、金額を変えて配ることの方が公平なのです。更に、お金の回し方を考えて、社会で生きる人々が皆、困ったりすることなく暮らせるようにすることが公正です。不正な管理人のたとえ話は、金持ちの主人のお金で世の中を回し、社会に公正をもたらした管理人のお話なのです。公正とは、愛です。イエスさんは、愛によって世の中を回し、互いの恵みを求め合う社会へと変革を促すことが弟子たる者のやり方であり、福音宣教であると教えているのです。

 


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