旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

山形鉄道 鉄印の旅 3 福島駅から赤湯駅へ

2020-09-30 17:54:42 | 山形鉄道の旅
山形新幹線下り つばさ127号 山形行 127M  
 山形新幹線は、東京駅から福島駅・山形駅を経て、新庄駅まで東北新幹線及び奥羽本線を直通運行している列車とその区間の通称で正式名称ではありません。
 山形新幹線は、「新幹線」と呼ぶものの「全国新幹線鉄道整備法」に基づかない新幹線・在来線直通方式の路線で、新幹線規格(フル規格)の線路を新規に建設することなく、既存の在来線を改軌(新幹線と線路幅を同じく)した上で、新幹線路線と直通運転(新在直通運転という)できるようにした方式で、フル規格と比べて車両も小さいことから「ミニ新幹線」と呼ばれています。
 始発 東京08:08


 山形新幹線の車両は、E3系2000番台と言われるもので、2015年(平成27年)から2年かけて順次今の塗装に変更されました。
 この塗装は、吉村美栄子山形県知事の強い、強~い要望で実現したものだそうで、基本となる色は蔵王の雪をモチーフとした白色。先頭部分と車体上部の深い紫色は山形の県鳥である「おしどり」。車体帯の黄色から赤色へのグラデーションは県花である「紅花」をそれぞれモチーフとしているとのことです。


福島 フクシマ       09:46着 09:49発
 福島駅の発車メロディは新幹線ホームが「栄冠は君に輝く」、在来線ホームは「高原列車は行く」で、共に福島市出身である古関裕而の作曲で、福島青年会議所が古関裕而生誕100年を記念して企画し、2009年(平成21年)4月11日から使用されています。
 発車すると左にカーブし、高架を徐々に下っていくと、地平ホームから来た普通列車専用の線路と合流します。




 国道13号の高架をくぐって住宅地の中を西へ直進します。


在:笹木野 ササキノ      
 関根駅までは複線区間。


 すでに郊外の風景。果樹園が目立ってきます。


 勾配が徐々に急になり10‰を越え、東北自動車道をアンダーパスすると庭坂駅。
   
在:庭坂 ニワサカ       
 間もなく大きく右カーブし25‰の勾配へ、すぐに30‰を超える急勾配になり、東北随一の難所「板谷越え」が始まります。
 山裾をよじ登るにつれて右手には福島平野が大きく広がり、その真ん中に天気が良ければ福島市街の北側に信夫山がはっきりと見えます。
 

 松川扇状地のてっぺんに至ると左カーブして山に入っていきます。色々ルートを比較検討したのでしょうが、33.3‰という超急勾配が標準という特殊な区間です。
 上下線が分かれて第1芳ケ沢トンネルに入り、抜けるとそこは山の中。第2芳ケ沢トンネル、松川トンネルを抜けると高い鉄橋で松川を渡り、赤岩駅に着きます。






在:赤岩 アカイワ      
 島式ホーム1面2線を持つ無人駅ですが、2016年(平成28年)12月1日より2016年度の冬季休業に入りましたが、同月16日には2017年(平成29年)3月のダイヤ改正より「通年通過駅」となる旨が発表され、事実上営業休止の駅です。
 山形新幹線の開業前は赤岩、板谷、峠、大沢の4駅連続スイッチバックで有名でしたが、ミニ新幹線運転のための改軌工事が施され、他の駅と同様のスイッチバックが撤去され、駅は本線上に移設された。他の3駅と異なり当駅には分岐器部分のスノーシェルターは以前から設置されていません。 
 

 険しい峡谷を西へ進み、環金トンネルを抜けると高い築堤で県境の川を渡り、山形県に入ります。
 右手の山中に集落が見えると板谷駅。
   
在:板谷 イタヤ      
 相対式ホーム2面2線の無人駅。かつてスイッチバック駅であった当時、ポイントを豪雪から守るために設置されたスノーシェル ターの中に、現在の駅のホームが置かれています。 


 列車は左に前川の深い谷を見て33.3‰で上り、間もなく第1、次いで第2板谷峠トンネルに入ります。ここがサミットで、出口からそのままスノーシェルターが続き、その中に峠駅があります。
   
在:峠 トオゲ       
 島式ホーム1面2線の無人駅。
 標高が626mと奥羽本線内で最も高く、当駅を境としてそれぞれの方向に下り坂となります。 


 ここから羽黒川沿いにほぼ33.3‰が連続する長い下り坂を進み、スノーシェルターに覆われた大沢駅に着く。




在:大沢 オオサワ      
 スノーシェルター内に相対式ホーム2面2線を持つ無人駅で警報機と遮断機付きの構内踏切があります。 


 引き続き同じ急勾配を下り、羽黒川を2回渡ればようやく25‰の「普通の急勾配」に戻り、関根駅に着きます。


在:関根 セキネ     
 相対式ホーム2面2線の無人駅。二つのホームには簡素な待合所が置かれ、互いのホームは構内踏切で結ばれています。 


 ここから単線区間で完全に山を抜けて少し北寄りに向きを変え、防雪林の中を直線的に進みます。
 米坂線が左から合流すると米沢駅。 

米沢 ヨネザワ       10:22着 10:25発
 変則的な2面5線のホームを持ち、1・4・5番線(山形新幹線、米坂線)は切欠きホーム1面3線。4番線がホーム西側福島方を切り抜いて、さらに5番線が4番線福島方を切り抜いた形で設置されています。2・3番線(山形線)は島式ホーム1面2線。互いのホームは跨線橋で連絡しています。
 当駅を起点とする米坂線と接続しています。


 暫く北上して郊外に出ると右カーブして米沢バイパスをアンダーパスし、羽黒川を渡り、東北中央自動車道をくぐると、右手に戸塚山を見ると置賜駅。


 『新幹線』の車窓から『米沢牛』!


在:置賜 オイタマ     運転停車(10:30着 10:33発)
 「置賜」という言葉は、もともと「ウ キ タム」(「広い、 葦のはえている、谷」という意味)のアイヌの言葉に由来すると いわれている。
 「置賜郡」という言葉は古くから使われており、江戸時代の上杉藩の「出羽国置賜郡村仮名附帳」には「ヲイタマ」とあり、「オ イタマ」も広く用いられていたのではないかと推測されています。
 その後明治時代に入り、1871年(明治4年)11月に山形県の前身のひとつとなる「置賜県」が「米沢県」から改称して成立した頃には「オキタマケン」と言われていました。
 「現在、行政地名としては「オキタマ」が定着しており、「オイタマ」という呼称を使用している例は少なくなっています。
 なお、大正時代になってから開設されたこの小さな駅に、なぜこのような立派な駅名が付いたいたのかは未確認です。
 つばさ136号東京行の通過待ちのため3分ほど運転停車です。
 この結果、米沢駅から赤湯駅まで各駅停車となり、待ち時間の関係で、この区間は最速の普通列車よりも所要時間が長い『新幹線』となります。


 天王川を渡って水田と蕎麦畑の中を北上し、東北自動車道をくぐると高畠駅。


高畠 タカハタ 10:36着 10:37発
 相対式ホーム2面2線の業務委託駅で、駅構内には「高畠町太陽館」という温泉施設があり、施設内には、高畠町出身の童話作家浜田広介の作品『泣いた赤鬼』に登場する青鬼がモチーフの青鬼像があるそうです。 


 水田の中を北上し、並行していた東北中央自動車道と分かれて左にカーブし吉野川を渡り、今度は右にカーブすると赤湯駅。


赤湯 アカユ 10:42着 
 東口に近い1番線から3番線をJR東日本が使用し、当駅を起点とする山形鉄道フラワー長井線は4番線を使用しています。


 つづく



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