旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

山形鉄道 鉄印の旅 4 赤湯駅から今泉駅へ

2020-10-01 15:47:11 | 山形鉄道の旅
 フラワー長井線は、山形県南陽市の赤湯駅から川西町、長井市を通り白鷹町の荒砥駅に至る、旧特定地方交通線の東日本旅客鉄道長井線を引き継いだ、山形鉄道が運営する30.5kmの鉄道路線です。


 沿線には、樹齢1000年を超える古典桜や、あやめ、ダリア、ゆり、バラ、紅花などの花の名所が点在することから、「フラワー長井線」の路線名となりました。


山形鉄道 フラワー長井線下り 普通 荒砥行 207D
 フラワー長井線全線に乗るのは、今回で2度目になります。
赤湯 アカユ  10:47発
 山形鉄道の駅舎は、西口にログハウス風の小柄な駅舎がありますが、時間が無いのでそのまま列車へ。


 車両は、長井市の花であるあやめが描かれたYR-886号です。


 奥羽本線と並行して出発しますが、すぐに左に分かれ程なく南陽市役所駅に着きます。




南陽市役所 ナンヨウシヤクショ 10:49着 10:49発
 1988年(昭和63年)10月25日の山形鉄道フラワー長 井線開業と共に設置された単式ホーム1面1線の無人駅で、ホー ム上に待合所があります。
 始発の赤湯駅から0.9kmと近いため、ホームの宮内方には赤湯駅の遠方信号機があります。
 南陽市役所の敷地に隣接していて、ホームの階段の向かい側に市役所入口(通用口)があり便利であるのですが、広い駐車場があるので駅利用者は少ないとのことです。


 左右に宅地化されていない農地や果樹園を見ながら直進し、住宅街を右にカーブすると宮内駅に着きます。






宮内 ミヤウチ              10:52着 10:53発
 JR時代までは「宮内町駅」であったものを、山形鉄道移管時に改称した島式ホーム1面2線で、駅舎とは構内踏切で連絡しています。
 2010年(平成22年)8月1日の再有人化に際し、配置された人間の駅員とは別に、同社および同駅に縁の深い動物である「ウサギ」の駅長・駅員も”勤務”することになりました。
 同社社員のひとりの母校である置賜農業高等学校から譲与されたウサギは3羽で、うち1羽は白ウサギだったため、白ウサギを「もっちぃ」と名付け駅長として、残り2羽もそれぞれ「ぴーたー」と「てん」と名付けて駅員としました。
 更に、近所の蕎麦屋で飼われていたクサガメ「かめ吉」も非常勤助役として仲間に加わりました。 
 「ぴーたー」、「てん」はすでに死亡し、死亡翌日には荼毘に付され、その後、「三羽のうさぎ伝説」のある、駅から徒歩10分の所にある日本三熊野の一つとされる熊野神社の神官により慰霊祭が営まれたそうです。 
 本殿裏にうさぎが三羽隠し彫りされていて、いつ頃からか定かではないが、うさぎを三羽見つけた人が次々と大成功を収めたことや、恋や願い事が成就したことから、「願いが叶う」「しあわせになれる」と言い伝えられるようになったのが「三羽のうさぎ伝説」で、最後の三羽目は、人から聞いたり、場所を教えてしまうとご利益がなくなると言われてきたため、授与所で二羽目までの手引書を渡しているそうです。


 ホームから見えるところに「ないしょ話」の歌詞を書いた大看板が立っています。
 24才という若さで亡くなった、ここ南陽市宮内出身の童謡作家「結城よしを」が19歳の時に作詞した歌詞です。


 沿線風景に変化はなく出発して程なく左にほぼ直角にカーブすし、最上川に流れ込む小さな川を渡るとおりはた駅です。




おりはた 10:55着 10:55発
 JR時代までは「西宮内駅」であったものを、山形鉄道移管時に改称した単式ホーム1面1線の無人駅で、ホームに待合所が設置されています。
 駅名は、先ほど渡った小さな川「織機川」に由来します。


 駅を出ると、小国街道に沿うように左右にカーブしながら、畑や果樹園の中を進む。右から低い山並みが迫ってくると梨郷駅に着きます。




梨郷 リンゴウ             10:59着 10:59発
 単式ホーム1面1線の無人駅です。
 鉄道模型TOMIXや各種玩具・フィギュア等の製造販売を行っているタカラトミーの完全子会社のトミーテックが展開する、実際の鉄道事業者の様々な職種のキャラクターコンテンツを「鉄道むすめ」と言いいます。
 山形鉄道の「鉄道むすめ」は、山形鉄道株式会社の駅務係「鮎貝りんご」。名前は「鮎貝駅」「梨郷駅」から命名したものです。
 駅名の由来は所在地の「旧東置賜郡梨郷村」からと思われますが、村名が梨の栽培と関係があるのかは定かではありません。
 

 北の低い山並みの裾野に沿うように進みます。南側は広い盆地に果樹園が広がっています。


 やがて、左手に最上川の高い土手が現れます。


 カーブしてその最上川に架かる松川橋梁を渡ると西大塚駅に着きます。
この区間は3.5kmと一番長い区間です。




西大塚 ニシオオツカ 11:03着 11:04発
 単式ホーム1面1線の無人駅ですが、1914年(大正3年)11月15日の開業当初から存在する駅舎は、東北地方最古の木造駅舎で、長井線では時庭駅や梨郷駅などにも同型のものが有りましたが、現在は改築されています。


 駅舎の脇には切欠きホーム跡が見えます。かつて荒砥駅方面から分岐した側線が入る貨物用ホームでしたが、線路は撤去されています。


 国道287号長井南バイパスと国道113号を続けてアンダーパスします。




 沿線は果樹園も広がっているのですが、線路脇にはススキが生い茂っています。
 ススキがこすれる音を聞きながら通り抜けると、左手からJR米坂線が寄り添ってきます。


 再び、国道113号をアンダーパスすると今泉駅に着きます。


 つづく


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